毎日来るお客さん、その中には必ずといっていい程日本語を話すフィリピーノがいる。(ここで言うフィリピーノとは女性も含む)店で働きたいという人もいれば、日本語を話したくて来る人、日本の味を懐かしく思ってくる人、実に様々である。彼らに共通しているのは、何らかの形で日本と関わっているということである。娘が日本人と一緒になっている親もいれば、本人が日本に行ったことがあるという人、中には奥さんが日本人と一緒になっている女性(おかしな話だが、現地では亭主がフィリピーノ、しかし日本人と一緒になっている)という男性もいる。
かつてはかなりの人数のタレントが日本に飛んでいた名残なのか、未だに日本という国との関連はかなり強い影響力を持っている。飲食店をやっている私にとってはまことにありがたい話であるが、このアジアでも独特の言葉を話す日本という国との関わり、他の日本関連ではないお客さんにとっては何を話しているのか皆目解らないだろう。彼らは自分の人生の中で日本に関連を持ったということそのものが自慢の一つでもあり、他のフィリピーノとは違うということを自慢したがる。黄金の国『ジパング』・・・フィリピンではまだその神話が残っているのか、未だに日本という国が憧れであり、日本に行くことを夢見ている人も沢山いるようである。
写真は隣で営業していたサリサリストアであるが、この場所に見切りをつけ早々と他の場所に引っ越してしまったが、この店も実は母親が日本人と一緒になっているその息子が始めた商売であり、本人も日本のステイしたことがあり、日本語を話す。日本が全盛のバブル時期にフィリピンに与えたイメージが彼らにとっては未だにあるのだろうが、この彼も今もって日本に戻りたいという強い願望があり、日本関連の企業の研修生に応募したようである。ただフィリピーノが抱いている日本に対してのイメージがここで定着していることもあり、我々日本人がフィリピンで物事を起こそうとするするときに必ず出てくるのは、日本人向きのプライスである。
タクシーに乗ったり、買い物をするという場面でも値段が初めから高いことを言われるという弊害もある。もっともフィリピンでペソ収入で生きている私らにとっては、そんなことは蚊帳の外の話であるが、日本関連のフィリピーノにとってもそれは同じことで日本に身内がいたり、日本に行ったことがあるフィリピーノもここでは特別プライスを吹っかけられる場面もあるようである。もっとも日本に関連があるという事を自慢することに対してのプライドを擽るということもあるのだろう。
日本関連のフィリピーノたち、果たして彼らの人生の先には何があるのだろう、もっとも彼らの心配をしている場合ではなく、私自身も似たような環境であることを忘れてはいけない・・・・。フィリピンの中の日本、まだまだそうした意味では神話は続きそうであるが、今となってはそれが逆に仇になっているということも事実である。
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