さて、いよいよ“汚し”です。
戦車なんて、“汚れてなんぼ”ですから。(笑)
まずは、ドイツ軍の国章や所属部隊のデカールを貼り、半ツヤのクリアーをスプレーします。
クリアー吹きする目的は、「デカールの段差を埋めて、ウォッシング時に境目が出ないようにする」ためです。
また半ツヤにする理由は、「ウォッシングの時に適度な“汚れ”を残す」ためです。
ツヤ消しにすると、クリアー塗料中のツヤ消し用粒子が残って表面がザラザラになり、ウォッシング塗料が残りすぎて余計に汚くなります。
逆にツヤ有にすると、表面がツルツルになり折角のウォッシング塗料が残りません。
ウクライナ軍の前線でのレオ2の写真を見ると、はっきり言って土で汚れすぎて迷彩色がわかりません。
ほとんど、”土の塊”状態です。(実戦では、サーモセンサーやら動体センサーがあるので、こんな”土の塊”状態でもわかってしまうでしょうけど。)
モデルで、ここまで汚すのは逆に簡単そうですが、頑張ってエアブラシした努力が水の泡になるので、そこそこの汚れで止めておきます。ていうか、T-REXで茶色はお腹一杯です。飽きました。
(上記画像はウクライナ軍参謀本部Xより転載)
ここでウンチクドイツの国章について、第2次世界大戦中のドイツ軍戦車には、黒十字に白縁を付けた“バルケンクロイツ”が使われていました。
一方、現在のドイツ連邦軍が使っているのは、“タッツェンクロイツ”と呼ばれる先端が末広がりになっている黒十字で、ナチス・ドイツの戦車のものとは違います。
なおプーチンは、ウクライナに供与されたレオ2について、「側面に十字のマークを付けている」と言い、ロシアが再びドイツに脅かされていると国民へのプロパガンダに使っています。
ついでに、プロパガンダネタをひとつ。
こういう動物系の写真は、先の大戦時からよく見受けられますが、なぜかロシア軍でこういった写真の類を私は見たことがないです。
ロシア国内向けにはあるのか、そもそもこういう癒し系の画像は必要ないのか、わかりません。ていうか、ロシアの場合はなにやっても胡散臭さ全開ですから…。
(上記画像はウクライナ軍参謀本部Xより転載)
さて、いよいよここから黒とダークブラウンを使って独自に調色した適当に混ぜたウォッシング用塗料を何も考えず塗りまくります。
で、乾いてきたころを見計らって、溶剤で拭き取っていきます。
ここが、第二の激変ポイントです。
俗世間の洗礼を受けて、“ヨゴレ”になる感じですかね。急に親近感が湧いてくるような…
さらに雨垂れ痕、パネルやボルト等更に強調したいところは、追加で墨入れや“追いウォッシング”します。
ええ感じに仕上がってきたら、エッジ部分を明るめに調色した各迷彩色をドライブラシします。
さて、完成までもう一息…すいません、T-REXのジオラマベースも懲りずに同時並行で塗装していますので(だから同時並行はするな!)、時間が無くなりました。
あー、もう少しなのになー。
ということで、次回いよいよやっと完成かな。(笑)