ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

2015-07-20 | 日記
2日前から蝉が鳴き始めました。梅雨明けが待てないとばかりに雨が少し残っていてもかまわず大声で鳴いています。
窓のすぐ横に木があるので、鳴き始めると、ものすごい音量です。耳元にいるかのような感じです。外を見ると、葉陰の幹に止まっているところが見えました。シーシーシーシーと言って鳴いているので、人間語では「静かにしろ静かにしろ」とも聞こえるのですが、まったく反対です。
朝風呂に入っていると、裏の家の樹の蝉が窓から聞こえてきます。何匹かで合唱しているシャーという連続音です。芭蕉の「閑さや岩に沁みいる蝉の声」というのを思い出しました。シャーという音しか聞こえないと、たしかに閑かだ、さすが、と感動しました。雑念が消えます。蝉時雨はすべてを消し去るものがあります。
一匹だとうるさいのに、数匹の合唱だとBGMのようになってしまうのはなぜでしょうか。
ひと夏の命をせいいっぱい楽しんでもらいたいです。