ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

地下鉄のザジちゃん

2010-01-12 | 日記
地下鉄のザジという映画をはじめて見たが、こんな映画だとは思わなかった。
大体地下鉄にザジが乗ろうとすると、いつもストばかりで、全然乗れないし、ザジは変な顔だし。

昔「ゲバゲバ90分」というテレビ番組があったが、あのノリで、リズミカルに不可思議に、画面がどんどん進んで、ザジちゃんは、映画の前半はずっと追っかけられっぱなし。見ている方も、ザジになりきって、危険ではない人に追っかけられるその感覚が嬉しくもあり、しかし緊迫感でわくわくどきどきしたり、はらはらしたり、なのにいつのまにか眠ってしまった。

目を覚ますと、今度はザジちゃんが、大勢の大人に囲まれてオープンカーに乗って、誰かを追いかけている様子。しばらく見ていたがまた眠ってしまった。地下鉄で眠ってしまったザジちゃんが、起こされたところで、私も目が覚めて、お互い夢から覚めて、「アー、面白かったけど疲れたわ」というのが最後。

子どもの頃、夢の中でしたかったことをザジちゃんが夢の中で全部してくれて、私も寝ていたが夢の中でザジちゃんといっしょに追いかけられ、追いかけてどたばたしていたような、変な映画だった。

映画館で寝ると、寝た分、あーもったいなかったと思うこともあるけど、この映画に関しては、寝ながら見ていた感じがするので、もったいないという気はしなかった。

何年か前にこの映画をフランスで見たという姪が「ザジとおばちゃんの小さい頃の写真の顔つきがそっくりでびっくりした」とわざわざビデオテープを送ってきたが、ビデオがいつのまにかDVDに変わってしまって、今回見るのが初めてだ。たしかに似ているかもしれないと思った。

決して可愛い子ではないが、妙に親近感を覚えたのは、そのためか。