ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

ポエトリー

2014-07-19 | 日記
「ポエトリー」という韓国映画を見ました。二回目です。

詩を書きたいとカルチャーセンターに通い始めた初老の女性が、詩を書こうとして苦しみ悩み、終に一編の詩を完成させ、姿を消すという話です。
女性は認知症の初期にあり、詩を書きたいと思ったのとほぼ同時に、一人で育てている孫に関係する重大な事件が起こります。
 
二年前に横浜見たときには旅疲れもあり、少し眠ってしまったぐらい、静かな静かな映画でした。それでも何かショックを覚えたのでしょうか、その後もずっと心にひっかかっていました。
音楽というものが一切流れない映画なのに、ずっと頭の中でなにか音楽が聞こえてきます。それは映画の冒頭と終わりに出てくる川の流れる音かもしれません。

映画の中に、実在の韓国の有名な詩人が二人出てきます。そのうちの一人が、カルチャーセンターの詩の教室の講師で、主人公の女性と一緒に、観客も映画の中で講義を受けることができます。これがすごく良かった。もう一人は、宴会の席で顔も上げられないようなナイーブな感じの若者で、この人も本物の詩人だそうです。

「現実をしっかり見つめることが、すなわち詩を書くことである」というメッセージを受け取りました。