ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

駆け寄る人々

2013-01-26 | 日記
『タイタス アンドロニカス』というDVD(英語版)を数年前に、見たとき、最初のシーンが衝撃的だった。
ローマの将軍タイタスが、ゴート族と戦って死んだ息子たちの棺を迎える場面だったが、棺が次々に運ばれていく場面ははなんとも言えない死の匂いが漂っていた。
9人の方々の棺がアルジェから戻ってきた写真が今日の新聞の一面に載っていた。そして後ろの方の紙面には、別の写真も載っていた。到着した白い飛行機に向かって、花束をもって駆けていく家族や関係者の方々の喪服の後姿の写真だった。
一人の死には、たくさんの家族や友人の人たちの駆け出す姿があることを思った。
テロの背景には貧困があることは間違いない。貧困に対して、またその貧困を利用して戦わせる何者かに対して、何ができるのかを考えていた。