ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

昨日は試験会場に吟行に行きました

2011-01-21 | 日記
底冷えの 消しゴムのカス  縮こまる

前頭葉 形がわかる 張り出し具合

飼い猫と 視線カチ合う ストーブの前


家族からの酷評をバネに、『奥の細道』角川ソフィア文庫ビギナーズクラシックを読み進んでおります。
さすがだなあと思うのは、地の文に、句の背景説明が一切なく、地の文も詩のように簡潔かつ美しいことです。節目節目に今ならデジカメ写真が一枚、二枚、入るのでしょうが、そこに芭蕉の俳句がばちっと入って、文章全体をを引き締めています。
中に、エッと思うような 下手句もあってよく見れば下に小さく (曾良) と書いてあります。

例えばこんな感じの句が!
 
  象潟や 料理何食う 神祭り    (象潟ってとこに着いたけど、ここの祭りの料理って何食べるんだろね) 私訳

こんなんで『奥の細道』に載せてもらえるなら私だって、と野心がわいてきました。
ひょっとしたら芭蕉は自分の句を引き立たせるために、弟子の句も入れたのではないかと、よからぬ疑念さえわいてきます。
しかし、曾良は、芭蕉の秘書として、実務能力に優れ温厚篤実な性格の持ち主、旅ルートの策定、随行日記、会計など、すべてめんどくさいことを担当した方だったらしいので、芭蕉も感謝の意味をこめて載せたのかもしれません。

試験の後は、家でDVDを二本立て続けに見て、俳句脳のスイッチをオフにしました。
昨日見たのは『アバンチュールはパリで』と『孫文』です。
今日は、和歌山へ吟行に行きます。