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自作 小型水槽用CO2ミキサー その3

2007-10-26 00:10:46 | 小型水槽用CO2ミキサー

小型水槽用自作CO2ミキサー その3

前回は小さい水槽でも目立たない小型のものを製作しましたが今回はディフューザーの機能をフルに発揮できる円筒形のCO2ミキサーを作ってみました。水が漏れない構造にしなくてもいいのが水槽内設置型のメリットです。パッキン類を必要としないので多少複雑な構造のものでも気楽に工作が出来、接着剤やシリコンシーラントで固める必要が無いので分解できる構造にすればメンテも楽になります。

この記事はCO2(二酸化炭素)の強制添加による水草の育成をされているある程度の知識がある方を対象に書いていますので水草水槽初心者の方には分かりにくい内容になっているかも知れません。

構造
容器内に溜まったCO2をディフューザーで細かい泡にして循環させる構造です 詳しくはこちらをご覧ください。円筒形なのでディフューザーで作り出された泡が水流に乗ってぐるぐると渦巻き状に筒内を回るので泡が水と接している時間が長くなり効率が上がります。
今回は性能優先で作ったので工作はいつも以上に製作工程が複雑になっています。

材料
直径3cmぐらいの透明な筒(今回はアクリルパイプを使用)
上記の筒にぴったりはまる「蓋」(今回はフィルムケースを切って使用)
4mm、5mm、6mm、8mm、10mmのプラパイプ
エアホース用のジョイント
本体固定用の吸盤
6mm、10mmのシリコンホース

作り方



本体はたまたま手元にあったアクリルパイプを使いましたが化粧品などの容器や駄菓子の容器などが使えそうですね。探してみると筒状の容器は結構家の中にあるもんですよ。昔買ったけれども結局使わなくなってしまった拡散筒も再利用できるかも知れませんね。見た目の透明感と耐久性を考えるとアクリル製が一番適していますがアクリル製品は他の素材よりも高価なうえ加工に気を遣います。

まずディフューザー部分を作ります。

このパーツで性能が大きく変わるので できれば何個か作ってテストをしてみて細かい泡がたくさん出るいちばん性能の良いものを選びます。今回は性能優先なのでディフューザーは筒の外部に取り付け 本体に開けた横穴に接続して筒内に泡を噴射します。





ディフューザーの横穴に本体からのホースを接続するパイプを取り付ける必要があるのですが この横穴は小さい方が泡が細かくなるのでディフューザーに大きな横穴を開けて直接パイプを差し込むわけにはいかず下のように間接的に接続する方法にしました。パイプの接着部分の強度に多少不安があるので慎重にホースと接続して下さい。複雑な構造ですが穴にゴミが詰まった時に分解掃除をすることができるというメリットもあります。



構造はこのようになっています 水の流れは左から右です。




蓋(フィルムケース)の中心に穴を開けパイプを固定して先端に小型のエアーストーンを取り付けサイフォンパイプをなるべく水流のじゃまにならないように取り付け ディフューザーへのCO2の循環のためのホースを接続するジョイントを取り付けます(蓋に開ける穴は計3個です)







本体に吸盤を差し込むための突起を接着します



最後に水槽に固定するための吸盤を2個取り付けて完成です。





エアーストーンはイメージした大きさのものが無かったので多孔質のリング状の濾材に蓋をしてエアホース用のジョイントを取り付けて自作しました。



小型水槽用なので発酵式でのCO2添加も想定して作っていますが、高圧ボンベを使用される場合にはエアーストーンの代わりに小型のCO2ストーンを使うと効率はより上がります。

使用方法
ディフューザーに外部濾過器の排水側から分岐してきたホースをつなぎます。このホースは細いと十分な水量が得られないので水槽の中で目立ちますが8~10mmぐらいの出来るだけ太い目のホースを使って下さい エアー用のホース(6mm)では役不足です。水の分岐はホースやジョイント部分が外れて水が漏れても水槽の周りが水浸しにならないように水槽内部でパイプやホースから分岐するようにして下さい。
次にエアーストーン(CO2ストーン)が取り付けられているジョイントにCO2を供給するホースをつなぎます。CO2循環用のジョイントとディフューザーの横穴へのパイプを6mmシリコンホースでつなぎます。
CO2の添加量はCO2ミキサーに通す水の量で大きく変わるので魚やエビが酸欠にならないよう流量は慎重に調整して下さい。
発酵式の場合はCO2の発生量を細かく調節できないのでディフューザーへ供給する水の量で水槽へのCO2添加量を調節します。余ったCO2は一定量が溜まるとサイフォンパイプから自動的に排出されます。

左の写真ぐらいまでCO2がたまると右の写真のように一気に外へ排出されます。

CO2ストーンで添加をされていた場合には、このCO2ミキサーを使うことにより今まで泡が大きくてすぐに水面ではじけて無駄になっていた泡を筒の中に集めて、再度ディフューザーで細かい泡を作り出すのでより無駄なくCO2を添加することができます。言い換えると以前と同じ量を添加すると効きすぎになることがあるので十分に絞った状態からCO2の添加を始めて様子をみながら徐々に添加量を増やして下さい。
高圧ボンベ使用の場合だと供給するCO2の量を微調整できるので添加量の調節は今まで通りスピコンやレギュレターで調節します。この場合はディフューザーへ供給する水の量はCO2ミキサー内の大きい泡が外へ出て行かない範囲で最大量に調整します。



↑ 水中の小さい泡がみえるでしょうか?

追記
このCO2ミキサーのモニターをしていただいている「アクアなチラシの裏」さんがご自身のサイトのこちらででレポートを公開してくださっています。
動画もあるので動作状況がよく分かります。

製作される前に必ずこちらをお読み下さい。

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3 コメント

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モニターの募集 (mizuwarabi)
2007-10-26 12:53:51
前回、近日中にCO2ミキサーのモニター募集をすると言いながらこのCO2ミキサーをモニター用に作っていたのでまたまた時間が経ってしまいました。
今度こそ近日中にモニターの募集をします。もう暫くお待ちください。
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矢継ぎ早の (ossyan)
2007-10-28 23:42:29
新作発表ですね。まるでモーターショー前の自動車メーカーのようです。

今度のはサイクロン型で効率よさそうだし、何しろかっこいい。
ノーマル、コンパクト、サイクロン。三種類揃えたところが、ベ○ザエースを髣髴させます。
mizuwarabiさんのCO2添加へのこだわりが伝わってくる逸品だと思います。
返信する
CO2添加 (mizuwarabi)
2007-10-30 19:58:05
ossyanさん
おっしゃるとおり今回はちょっとあわててUPしました。
実は来週 車趣味の方が忙しくて…
11月3~4日はイベントのスタッフです。
http://nigensha.co.jp/cgclub/AM2007/am2007info01.html

興味がある方は遊びにいらして下さい(入場料が必要ですが…)。
でも私がブログを書いていることを誰も知らないので探しても見つけられませんよ。
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