涙と笑いのHIV奮闘記

自分とは無関係と思っていた病気と思いがけなく向かい合い、闘病を続けるオヤジの日記。
仕事に趣味に彼氏との生活に奮闘中。

今読んでいる本:国銅(こくどう)

2009年01月24日 | お薦め

 


九大医学部出身者で精神科医でもある「帚木蓬生」。
帚木、蓬生、いずれも源氏物語の巻名ですね。


本棚を見てみると、
「アフリカの蹄」「アフリカの瞳」「三たびの海峡」「臓器農場」「閉鎖病棟」「安楽病棟」
「総統の防具」「逃亡」「受精」「薔薇窓」「インターセックス」が並んでいます。


この人といい、渡辺純一といい、海道尊、いずれも医者であり小説家ですが、
どの人もいい小説を書いています。


国銅、奈良の大仏の建立を巡る話です。
主人公の国人は山口県の「奈良登り」と言われる銅の鉱山で働く人足です。
穴の中に入り、岩盤を砕く、砕かれた鉱石を溶かし、精錬し、棹銅を作る。
兄の死、相棒黒虫の死を乗り越え、
情熱的な僧侶景信との出会い。
そして次にはその技術を生かして大仏造営の命を受けて奈良までやって来る。


それが上巻の内容です。


船で瀬戸内海を経て難波津まで、そこから大和川、佐保川を船で奈良までやってきます。
佐保川ってすぐ裏の川やんか~。


昨日、今日で上巻丸々読んでしまいました。


まだ上巻を読み終えただけなのですが、下巻の展開にワクワクします。


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1 コメント

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意味の通じない感想なのかもしれないけど (YM)
2009-02-14 22:48:07
国銅下巻を読み終えて、これが最終章でいいのかという気がした。確かに、ここで主人公(国人)の心は決まっているが、主人公へ向けられていた力強い生きることへの勇気や、柔軟な思考力、変化する環境にぶち当たるたび伸びていこうとする生への賛歌もここにきてはぎ取られてしまって、主人公のうらやましいばかりの天性の何かが姿をなさないで終了してしまった気がする。都勤めの当時の人足達の様子も描こうとすれば、奈良登りまでどうにかたどり着けたものが1人だったことは容易に想像することはできた。作者は、天平人の当時の生き様を絵巻物として語るだけでよかったのだろうか?もっと、この時代の中で生きることへの力強いエールを国人に託する方法はなかったのだろうか。
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