「何これ? 」:安楽
「先になすべき事柄を後でしようとする者は、
安楽の場所から落ちて後悔する。」
(『テーラガーター』)
今しなければならない事を後回しにすることは、
客が去った後に、もてなしを疎かにしたと後悔する
様なものである。
【閑話休題】:都市鉱山
「都市鉱山」とは、1988年に東北大選鉱製錬研究所の
南條道夫教授らによって提唱されたリサイクル概念です。
廃棄される運命にある工業製品を「資源」とみなし、
そこから積極的に有用な金属資源等を取り出そうとする概念です。
「都市鉱山」の有用性
①確定埋蔵量が明確であり、探査の必要がない。
②加工を経て集約的に使用されたものであるため、
一般に天然鉱石より高品位である。
③省資源・省エネルギーの可能性が大きい。
④廃棄による景観の悪化や、環境負荷を回避できる。
⑤資源の少ない日本では、効果が大きい。
廃製品に含まれる金属のうち、貴金属(金、銀、白金、パラジウムなど)や
一部のベースメタル(鉄、アルミ、銅など)については組織的に回収され、
元の金属としてリサイクルされています。
しかし、多くのレアメタルについては、ほとんど回収されていません。
レアメタルの再利用を実現させるためには、大きく2つの課題が考えられます。
【課題1】消費者の手に渡った使用済みの製品を、
経済的かつ安定的に集荷するシステムの構築。
【課題2】集荷された廃製品から、各金属を高純度に取り出して
製錬原料とする技術の確立と経済性。
最近あまり聞かなくなった「都市鉱山」ですが、
天然金属資源の乏しい日本にとっては、有用性が
高いと考えられます。
確か、「家電リサイクル法」も、この考え方を
基にしている法律と理解しています。
「都市鉱山」の有用性を認識し、その運用システムの
更なる効率的な構築を早期に確率して欲しいものです。
話は変わりますが、人(私)の心に「都市鉱山」と
言う様なものがあれば、開発したいものです。
気づかなくても、有用なもの…………
しかし、今の私の中には見当たりません。
誰にでも、何処かに必ずあるはず…………
* 五月雨 落つる雫は 迷路なり
2021.06.01.moai291