黒人のピアニスト・シャーリーと彼に雇われた白人のトニー。
黒人への差別が色濃い時代に演奏ツアーに出かけた2人。
黒人が利用できる施設のガイドブック「グリーンブック」を持って。
前評判が高い作品だったけど、あまり期待しすぎないようフラットな気持ちで鑑賞。
全編に音楽が流れる作品。ただ華やかな世界は白人社会。
2人の友情を描きながらも黒人への差別の実態を静かにあぶり出す作品だった。
主賓であるにもかかわらずシャーリーの控え室は厨房奥の小さな部屋だったりトイレも白人とは別だったり。レストランやバーにも自由に入れない。
とにかく黒人への差別が徹底してる。というよりそれが当たり前、古くからのしきたりだと。。。そこまでやるのかというのが正直な感想。
今でも有色人種の差別は残っているけど、何の疑問を持つこともなく行なわれるその行為を目の当たりにして改めてその根深さに気づかされた。
そんな現実を静かに受け止めるシャーリーの姿には胸を打たれた。どんな時も冷静で賢明な判断を下す。
黒人社会からも白人社会からも一線を画して生きてこなければならなかったシャーリーの孤独をマハーシャラ・アリが好演。
旅先でトニーに運転手をやめないでほしいと話に行く場面がとても印象的。
黒人への差別意識が強かったトニーも旅をともにする中でシャーリーのピアノに惹かれ、彼の背負ってきたものの大きさを知る。
全ての面といっていいほど2人は正反対で、もめ事などに対する解決方法や手段も違う2人。
時にはぶつかり合うこともあるのだけれど次第に堅い友情で結ばれていく。
最後の演奏会でシャ-リーがもう少し抗ってもよかったのでは?とも思うけど、あの終わり方も悪くはないかなぁとも思う。
鑑賞後2日たちますが、いろいろ思いを巡らされる作品いいです。
2日経っても頭から離れない作品かぁ。
もやもやが残るとかそういうのたまにあるね。
グリーンマイルとかライフイズビューティフルとかそうだった。
ライフイズビューティフルは確かにそうだった。
このグリーンブックはいい意味で余韻にひたれる感じかな?
レビュー見てると賛否あるみたいやけど、私はよかったと思う。