にしやま形成外科皮フ科クリニック、形成外科専門医:西山智広

東京銀座と名古屋栄で2クリニック。美容外科・形成外科・美容皮膚科・皮膚科治療から予防医療まで、分かり易く説明します。

冷え性の方は貯蔵鉄と深い関係があります。そこで、漢方薬と鉄分補給で体質改善をすることを提案します。

2017年02月01日 | 鉄欠乏性貧血
冷え性の方は貯蔵鉄と深い関係があります。そこで、漢方薬と鉄分補給で体質改善をすることを提案します。



この季節、冷え性で悩まれている方は本当に多く見えると思います。鉄分は、体内で各臓器に酸素を運ぶ働きをしており、この酸素をたくさんもらうことで臓器は熱を発生させています。鉄不足であると、発熱量も減少させてしまうことから、必然的に冷え性になってしまいます。更には、体温までも下げて低体温なってしまいます。鉄不足といえばすぐに貧血を思い浮かべますが、貧血まで行かなくても、身体に蓄えている鉄分が豊富でなくては冷え性改善に至らないとされています。

鉄分が不足しているとアトピー性皮膚炎、ニキビなど肌トラブルもおこしやすいとも言われています。

検査項目としての貯蔵鉄の指標はフェリチン

フェリチン(ferritin)は、鉄の貯蔵および血清鉄濃度の維持を行う蛋白です。組織中の鉄濃度により変化するため、鉄欠乏性貧血などの鉄代謝異常の指標とされます。血清フェリチン濃度は、貯蔵鉄量とよく相関することが知られており、血清フェリチン1ng/mlが、貯蔵鉄8~10mgに相当するため、生体の鉄の状態を把握するのに有用であると考えられています。

鉄が不足する場合「フェリチンの減少 →血清鉄の減少 →ヘモグロビンの減少」の様に、フェリチンから減少していきます。このため、フェリチンを検査することで、表向きは貧血でなくても、いずれ貧血になる可能性が ある「かくれ
鉄欠乏症(潜在性鉄欠乏)」が分かります。フェリチン値<12ng/ mlであれば、鉄欠乏性貧血と診断できるという考えもあり、実際に30ng/mlを下回ると、上記の様な多くの症状の発生が見られるようです。

冷え性や貧血症状に使われる漢方薬について

冷え性や貧血の治療によく使われる漢方薬は患者ひとりひとりによって使い分けますが、主として手足が冷え、全身倦怠感があり、食欲が出ない人には人参養栄湯の服用を行います。

貧血の治療は、漢方薬のほかにも鉄サプリメントを服用して直接鉄分を補っていきます。そして、薬の治療に加えて生活習慣にも注意します。まず、大豆・レバー・ひじきなどの鉄分の豊富な食品を積極的にとるようにします。無理なダイエットや不規則な食生活も改善します。また、鉄分だけでなく鉄分を吸収しやすいタンパク質やビタミンCなどをバランスよく食事に取り入れます。日ごろから運動を心がけヘモグロビンを作りやすい体にすることも大切です。

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