五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

五高ではマイナーであった須藤求馬教授

2010-12-19 04:15:59 | 五高の歴史
五高に夏目漱石と同時代に須藤求馬という漢文の先生がいた。漱石やハーン等の有名教授に比べて五高ではマイナーではあるが当時の日本では有名な研究者であった。
遺族の方から須藤求馬に関する資料調査依頼があったのは10年も前になるかと思う。五高には四高教授からの割愛での赴任であり、在任は明治30年8月26日から明治34年3月16日までの期間である。赴任についてはいやおうなしの採用であるが、辞職は明治34年2月19日付で校長から辞表は同日付で出したか、また2月25日付けで辞表は出したかと返事を督促し、続けて文部省人事課長宛に須藤求馬の休職の件は経費の都合上本月中に発令するようにと要望が添えられている。この時代は校長の権限は絶大であり本人の希望は一切無視されている。