「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋はかなしき 猿丸太夫」
落葉がふんわりと積もった山道を歩く。
歩を進めるたびに、足元からカサコソカサコソと乾いた音が聞こえて来る。
1か月ほどご無沙汰している間にすっかり晩秋の景色に変わっている。
雲一つない青空だが、日差しは弱く柔らかくなり、長袖の山シャツが心地いい。
そんな時、ツレが前掲の短歌をボソッと・・・
鹿になったらしい・・・
雄鹿の心境がツレの未来予想図に適ったのだろうか。
「奥山に紅葉踏み分け鳴くツレがどっぷりはまる未来予想図」
確かに、人っ子一人いない山中を落ち葉の踏み音だけ聞いて歩いていると
ふと鹿に変化した気分になる。
2,3日前の雨で山道がぬかるんでいて、他の人たちのずるっと滑った跡が
あちこちにあったので、
ポールのキャップを外して歩いていたら、落ち葉が串刺しになり、
どんどん枚数が増えていく。これもまた秋の風情。
今日もありがとう。