新旧『巨人の星』と『侍ジャイアンツ』の違い

左投手時代の星飛雄馬は川上監督の命令に背いてまで、星一徹の教えを優先し、最後に敵に回った一徹と伴を倒して自らも倒れた。
右投手時代の星飛雄馬は星一徹の妨害工作に負けず、己の意志で巨人に復帰し、長嶋監督のために闘った。最後は一徹と伴を味方にして新魔球を編み出した。

一方、その間の番場蛮はどうか。
豊福きこうが書いたように、もし番場蛮が1974年以降も生きて、75年の再会長嶋Gのもとで働いたら、獅子奮迅の活躍が期待されるが、やはり過労死の危機がともなっただろう。

もし番場蛮が1975年以降の巨人にいたら、広島や阪急を「鯨」と見做して燃えただろう。

星飛雄馬と引き換えに江川卓が巨人に入団。
江川が引退し、巨人のマウンドを桑田真澄が引き継いだ後、藤田巨人は番場蛮の甥を起用し、甥の番場は伯父と因縁のある中日を相手に3種類の魔球を投げ、落合博満を三振に打ち取った。

それからしばらくして三浦大輔が横浜大洋に入り、ホエールズはベイスターズになった。
これによって、星飛雄馬と番場蛮が築いた一時代は一旦の終わりを告げた。