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『歴史ドラマの大ウソ』

時代劇の時代考証の嘘を指摘する本は多いがこれもその一つ。
目次でこうなっている。

第1章 NHK大河の嘘八百
龍馬伝
天地人
篤姫
新選組!
葵 徳川三代
坂の上の雲


『坂の上の雲』は「NHK大河ドラマ」ではなく、NHKが大河ドラマの合間(例えば『龍馬伝』と『江』の間)に放送しているドラマのはず。本来、これは第2章で扱うべきであろう。

第2章 名作でもウソだらけ
赤穂浪士
暴れん坊将軍
水戸黄門
必殺仕事人
旗本退屈男
銭形平次
武士の一分
遠山の金さん
鬼平犯科帳
たそがれ清兵衛
落日燃ゆ
硫黄島からの手紙
ALWAYS 三丁目の夕日


『赤穂浪士』という名の時代劇はNHK大河にもあるが、これは『忠臣蔵』に関する作品全般のことか?
第1章で「嘘」、第2章で「ウソ」というのは、前者が「嘘八百」という慣用句だからか?

第3章 ホームドラマになった「江戸」

ここでは多くの作品に共通する事柄について「武士は泣かない笑わない」など基本的時代考証について触れている。

83ページの『暴れん坊将軍』に関する検証で大野氏は「8代将軍、徳川吉宗が、『世の顔を見忘れたか』と啖呵を切り、悪い奴らをばったばったと切り捨てる」と書いている。
また、134ページでも大野氏は「時代劇といえばチャンバラである。桃太郎侍も暴れん坊将軍も、正義の刃を振りかざし、悪い奴らをばったばったと斬り倒す」とある。
り捨てる」と「り倒す」の漢字の使い分けはよくわからないが、それ以上に疑問に思う点がある。大野氏は「『暴れん坊将軍』の吉宗(演:松平健)は相手を斬っている」と認識しているようだが、一体、第何シリーズの第何話を観たのだろうか。『暴れん坊将軍』の吉宗はもっぱら相手を峰打ちで叩いている。お庭番は相手を斬っているが、吉宗は刀を抜いたあとに峰打ちに持ち替えて戦う。例外的にお庭番の男のほうが殉職したときや、雲霧仁左衛門(劇中で雲切~)から真剣の勝負を挑まれたときくらいである。
大野氏は暴れん坊将軍が例外的に相手を斬った場面を観たのだろうか?

110ページで遠山景元について「景元は安政の大獄の最中に亡くなった」とあるが、遠山景元は最初の黒船来航(1853年と1854年)の直後、1854年の日米和親条約締結の翌年の1855年に他界したのであり、安政の大獄はそれから3年後、1858年の日米修好通商条約の年から翌年までで、その直後の1860年が桜田門外の変である。
117ページで「ドラマでは昭和12(1946)年7月に始まった日華事変(日中戦争のことか)を『関東軍の暴走』として、強く非難していた。しかし、これはとんでもない事実誤認である」と書かれてある。
昭和12年は西暦1937年であって、1946年(昭和21年)ではない。

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歴史ドラマのウソ

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時代劇のウソ

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『歴史ドラマの大ウソ』(大野敏明著、産経新聞出版)・その1
歴史ドラマの 歴史ドラマ 大野
大野敏明著『坂本龍馬は笑わなかった』産経新聞出版

参考になるHP
時代劇にウソがあったってイイじゃないか 金春堂 分店-ウェブリブログ
「今年は『業』でしたっけ?」とあるが「業」でなくて「江」。

ここでの文がなぜかこのBlogでも掲載されている。百度だから中国系のようであるがタイトルの「桜井葵のブログ」は日本語だ。

歴史ドラマの大ウソ_桜井葵のブログ_百度空间
日付は7月31日とあるので、この「虚実ヒストリー」の記事より1週間後である。

大野敏明氏「歴史ドラマの大ウソ」「坂本龍馬は笑わなかった」産経新聞出版
時代劇、近現代ドラマの「ウソ」を指摘した本
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関連語句
歴史ドラマ 水戸黄門
大野敏明(Y!Blog)

参照
AmebaBlog>〔大河ドラマが「史実と違う」という批判について
2009-09-20 23:52:55

AmebaBlog>〔大野敏明著『坂本龍馬は笑わなかった』産経新聞出版
2012-08-11 22:27:44

AmebaBlog>〔「暴れん坊将軍」の吉宗のチャンバラはほとんどの場合、峰打ちである
2015-04-01 14:13:02

Y!Blog>〔『歴史ドラマの大ウソ』(大野敏明著、産経新聞出版)・その2
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