▲徳川家光、家綱の時代(『将軍家光忍び旅』、『大奥』家光編、『将軍家家光の乱心・激突!』)
2008-02-25 14:49:00
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徳川家光は名君か乱心者か
大阪夏の陣の翌年、1616年にガリレオ裁判が始まった。日本が鎖国に踏み切ったのはキリスト教教会の脅威が強かった時代でのことである。
ローマ法王ベネディクト16世(Benedictus XVI)が枢機卿時代の1990年にオーストリア人哲学者のことばを引用し、ガリレオ裁判を「校正だった」と發言(2008年1月16日、毎日新聞ネット版)。
1992年にヨハネ・パウロⅡ(二世)がガリレオ裁判の誤りを認めた。
Google「ガリレオ裁判 ローマ」
1616年には明が滅んで後金が成立。1636年から清となる。
1623年、家光が三代将軍になった。
『将軍家光忍び旅』によると、大阪夏の陣から19年後の1634年ごろ、徳川家光は江戸と京都を往復した際、影武者として新吉という町人を駕篭(カゴ)に乗せ、自らは素浪人に化け、多くの場合、柳生十兵衛(柳生三厳=~みつよし)とともに道を歩いていた。豊臣方の忠臣が家光の命を狙うものの、家光はそれを許し、また、豊臣方の生き残りを擁立した反乱軍に対し、家光はその人物が偽者だと故意に嘘をついて、徳川の世における平安な生活を保障したこともあったようだ。
Wikipediaによると実際の上洛は1623年と1626年だが、1634年にも上洛していたようだ
京都から江戸に帰る道中、家光の命を狙う側はすでに将軍の忍び旅を見抜いており、浪人姿の家光を狙ったことがある。幸い、家光は無事、江戸に着いたからよかったものの、これでは、むしろ、江戸に近づいた段階で影武者のほうに浪人姿の忍び旅を任せて、家光本人は影武者の影武者になって駕篭に入っていたほうが安全だったのではなかろうか。
また、家光本人が警護の役人に化けてもよかったと想う。
忍び旅の最中、家光は「天下の主は民百姓たち」、「戦(いくさ)などおろかなものよ」と現代的な意見を言っていた。しかし、その家光が1637~38年の島原の乱ではキリシタンを弾圧することになる。
1636年、後金が国名を清に改めた。都も瀋陽から北京に移したらしい。
島原の乱には宮本武蔵も参戦したが、死を恐れぬキリシタンたちに恐怖したらしい。
天草四郎は『魔界転生』で復活したらしい。
家光の時代を扱ったテレビドラマ『大奥』ではキリシタン関係者が家光暗殺を謀るが、家光は「異国のものたちが我が国を狙っているからだ」(要約)とし、政(まつりごと)は時に非情なものだという信念を告げた。キリシタン関係者は家光暗殺をあきらめた。
家光と十兵衛
柳生十兵衛は1650年没、家光は翌年の一六五一年没だが、『柳生十兵衛七番勝負・最後の戦い』では家光没後も十兵衛が健在だったように見えた。家光の死去には諸説あり、映画『将軍家家光の乱心・激突!』では家光が自分の子を殺そうと刺客を送り、素浪人の軍団が守り、最後は子供が江戸城に無事、到着。当の家光の死まで描かれた。また、家臣が家光の首を持って「これは夢じゃ、夢でござる」と叫ぶシーンも覚えているが、ネットで調べたら『柳生一族の陰謀』であった。
家光の死に乗じて統幕を狙った由井正雪(由比~)の乱も失敗に終わった。『剣』と『魔界転生』でこの時代が扱われたらしい。「由井」が「由比」とも書かれたということは、江戸時代初期には語中の「井(ゐ)」と「比(ひ)」の發音が似たものになっていた可能性がある。
『剣』というのはすごい時代劇で、「剣」を中心に歴史上の多くの事件を取り上げ、そのまま、日本の武士の歴史と言っても過言ではない。
『長七郎江戸日記』によると、家光の弟・松平忠長の遺児、つまり将軍・家綱の從兄弟にあたる松平長七郎が江戸で殺人(相手は悪党に限るが)を繰り返していたらしい。番組のホームページでは長七郎は1629年生まれで、Wikipediaでは1614年生まれ(1661年に四八歳で没)という設定が紹介されている。
秀忠が側室に産ませた子供に保科正之がいる。家光・忠長にとっては異母弟である。
『江戸を斬る 梓右近隠密帳』では保科正之は双子で生まれ、弟が梓右近であった。
『江戸を斬る』第1部の最終回で由比正雪が切腹したらしいので、『江戸を斬る』第1部で描かれた梓右近の活動は家光の治世の末期であろう。
なお、梓右近にとって長七郎は甥に相当する。
映画『大帝の剣』の舞台は江戸時代が始まって数十年の時代のようで、夏の陣で死んだはずの真田幸村が老人として出てくる。
家綱の時代
『服部半蔵・影の軍団』によると、江戸時代初期には、あの初代・服部半蔵の孫(服部正就=はっとりまさなりらしい)が同じ「服部半蔵」の名を名乗り、「影の軍団」を率いて江戸の悪党と対決していた。『影の軍団Ⅲ』では、四代家綱の時代、1657年の明暦の大火のころ、伊賀忍者の多羅尾半蔵が、やはり影の軍団を率いていた。「我が身すでに鉄なり、我が心すでに空(くう)なり、てんまふくめつ(天魔覆滅?)」が決め台詞。そのバックには千愁尼がいたらしい。昔、観た記憶では、千愁尼没後、半蔵は将軍のもとを訪れて遺品を届け、悪い政治をしたら将軍でも斬ると言ったようだったが、はっきりしない。
江戸時代の伊賀と甲賀の話では、漫画で『伊賀の影丸』、小説で『甲賀忍法帖』などがある。
1661年は『国姓爺合戦・The Sino-Dutch War 1661』の舞台。「国性爺合戦(こくせんやかふせん→~かっせん)」として日本でも有名。
鄭成功(てい せいこう、Zhèng Chéng-gōng、1624~1662年)の物語である。
江戸時代の「不老長寿の薬」探し
白土三平の『いしみつ』の「第四話上・念流青眼霞がえしの巻」によると、榊原源之進という武士が藩主の命令でジャガタライモを探す旅に出た。行き倒れとなり、担ぎこまれた村でオドという老人と逢う。オドは戦に出たことがあるらしい。大坂夏の陣が50年も前のことらしく、舞台は1665年ごろか。一方、オドは天正の地震を覚えており、天正のころ(1573~1592)が100年も前のこととされており、地震が1585年ごろ(1586年とする史料もネットにあり)として、100年後は1685年になる。間をとって1675年ごろか。
オドはサツマイモのほかジャガイモを栽培していたが、ジャガイモについて「このイモが世にでれば多くの百姓が助かるじゃろう。…………じゃが領主にしれれば年貢はもっときびしくなるかもしれん。じゃからこれはあくまで秘密にしておかなければならんのじゃ。」と源之進に言い、「おわかりかの。新しい良いものが作られたり発見されたりしても、世の中のしくみがくるっていると、それがかえって逆の作用をするときがあるのじゃ」と付け加えており、筑摩書房『現代漫画9・白土三平集』(1969)の巻末で文藝評論家・鶴見俊輔(つるみしゅんすけ)がそこを強調し、何でも新しいものを買わせる社会に警告を發している。
イシミツを探す忍者がまた出現し、兵助と名乗り、オドのところで農作業や柴刈りなどをして働いていた。兵助は源之進が持ち出そうとしたジャガタライモをイシミツと疑い、戦っている最中に地震が起きた。ネットで江戸時代に地震の起きた年を調べると、1677年に房総半島沖で地震があったらしい。
地震年表-日本(~江戸時代)
「第四話下・無限流の巻」で兵助はイシミツを奪おうとして再び源之進を襲い、次にかけつけたオドを手裏剣で攻撃したが、返り討ちに遭う。兵助はオドからイシミツがの蜂蜜ことで、村で何度も飲まされていたことを聴かされ、息絶える。
オドは「なんのために長生きをするのかわからんやつらに不老長寿のクスリをのませてもえきないこと……。」と語った。これは平安時代に同じくイシミツを探していた犬麿を倒した藤原千方が言った「ただ、なすこともなく生きながらえるなどくだらぬ」と似ている。
サツマイモ(薩摩芋)=甘藷(かんしょ)を日本で普及させたのは徳川吉宗(1684~1751)と青木昆陽(1698~1769)だったが、ジャガイモ=馬鈴薯(ばれいしょ)が日本で注目されだしたのは天保の飢饉のころからだったらしい。
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