観劇前にスキップさんのアレンジで、東京からcocoさん、関西組はハヌルさん、
どら猫さんととともにウォーミングアップを(笑)。
この時の写真は観劇記事に続けてアップしたいと思います。
公演名 花形歌舞伎 夜の部
劇場 片岡仁左衛門親子三代特別公演
観劇日 2008年11月29日(土)
座席 2階
昨夜はなんといってもエポックメイキングな公演!
そして、私のサンケイホールブリーゼ初日となりました。
幕が開くと舞台に掲げられた紋が三つ。
七ツ割丸に二引と、二つの追いかけ五枚銀杏です。
そこに仁左衛門様が紋付き姿で立たれ、まずはじめにご挨拶が♪
それがすご~くお茶目だったんですよ。
満員の客席に向かって感謝の言葉を述べられた後、ウーン、と困った様子。
話があまり得意じゃないので・・・みたいなことを言われるので客席から笑いが。
内容はウロ覚えですが、その後つづけてこんな意味のことを話されました。
(タイムテーブルによれば、お話は8分位)・・・・・
お芝居で大事なのは心。それから、きれいに踊るとか巧く演じるとかいうことより
も、役の人物が舞台に本当にいるように感じられることが大事なんです。
でも、その前に基礎ができていなければなりません。
今から孫の千之助が踊りますが、まだ基礎を勉強中です。
甘えるようですが、成長過程を長い目で見ることも歌舞伎の楽しみだと思って、ど
うぞ長生きしてください。(客席から笑いと拍手が♪)
(今回の演目の)勧進帳は長唄がいいんです。台詞もいいです。舞台では人の動き
に気をとられて聴くことに集中できませんので、今日は目を閉じて、ぜひ想像しな
がら聴いてみてください。
私たちはたくさんの人に見られることが大事なんです。大勢の方に応援して頂くこ
とで、自分の力以上のものが出せて、いい舞台になることがあります。
もし、今日がダメだったらお客様のせいだと思ってください。
(わわっ。照れ笑いしながら、最後にこんなオチで笑いをとるなんて~♪)
招待客も含めて、おそらく歌舞伎ファン、松嶋屋ファンが大多数だと思われるあっ
たかい雰囲気の中、親子三代への期待のこもった大きな拍手が贈られました。
舞伎舞踊「雨の五郎」 長唄囃子連中
曽我五郎時政:片岡千之助
荒事の勇壮さに色気と華を含んだ役・・・といっても千之助くんは8歳ですから。
とにかくちゃっちゃいんです。
でも、隈取りを見れば紛れもなくあの仇討ちの曽我五郎。
素人目には特に危なっかしいところもなく、下駄を履いた足の動きや、傘を使っ
た振付など、一つ一つをきちんと演じているように見えましたよ。
下駄を脱がせてもらう時に片方が残っちゃってドキッとしたけれど、その後の
力足がもう可愛くて~♪ 見得が決まるたびに大きな拍手を浴びていました。
千之助くんと同じく、私自身も歌舞伎観劇はまだまだ基礎編ですので、いっしょ
に成長できるよう長生きをめざしますぅ・・・。
歌舞伎舞踊「時雨西行」 長唄囃子連中
西行:片岡仁左衛門 遊女:片岡孝太郎
解説文によれば・・・
世阿弥作の能「江口」の謡を長唄化したもので、品格漂う曲。
西行法師と遊女の、時雨の雨宿りの間の出来事を舞踊化した幻想的な舞踊。
イヤホンガイドがなく心もとないまま、長唄の歌詞に耳を傾けてみました。
たぶん、こんなお話なのではないかと・・・。
(以下、内容が間違っていたら叱るのではなく、どうぞ笑ってやってください。)
黒の傘を手に持ち、杖をついて西行法師が登場。
道中で雨に遭ったので、一軒の家の戸口をたたき、ひと晩泊めてもらえないかと
あるじに請う。が、とりつくしまもなく断られる。しかたないのでその場を去り
かけると、あるじが呼び止め、泊まってもよいと言う。
あるじとは、若い遊女だった。
部屋でくつろぎながら、西行法師は若い頃の武勇伝を語る。遊女は自分には父も
母もなく身寄りがないという。やがて遊女が舞を披露し愛欲に溺れる話を始める。
自分の心を鎮めるため目を閉じ、数珠を手に一心に祈る法師。すると遊女が姿を
消し、普賢菩薩が現れる。目を開けるとまた遊女がいる。
遊女のおかげで、人間は執着しなければ、つらいことも色欲で悩むこともないの
だと悟る法師。もう一度普賢菩薩にお祈りして、一人旅立ってゆく・・・・・・。
仁左衛門&孝太郎親子の舞踊を見るのは、去年の「二人椀久」以来これで2回目。
松山太夫のときもきれいでよかったけれど、白の着物で遊女の拵えをした孝太郎
さん、今回もなかなか艶っぽい。柔らかな指、上体を反らすようなポーズなど、
座敷舞のようなゆったりとした踊りの中の細やかな動きが印象的でした。たまた
ま遊女だからなのか、お父様と踊っているときの孝太郎さん、素敵なんだなあ。
仁左衛門さんは化粧をせず、素踊り。それでもだんだん法師のように見えてくる。
お二人で遊女シリーズ、引き続き演じてくださ~い。
片岡仁左衛門独演による「聴く 勧進帳」 長唄囃子連中
片岡仁左衛門
歌舞伎の「勧進帳」を登場人物のすべての台詞を一人で演じ分ける上演方法。
圧倒的な演技力の高さを要求される仁左衛門だからこそ実現できる演目です。とのこと。
事前にはどんなものか想像できず。
実際には、本を読むのではなく、紋付き姿で舞台に立ったまま、本当のお芝居の
ような口調で台詞を順番に語ってゆくというものでした。長唄だけの時はスポッ
トライトの外に出られるため、仁左衛門さんの姿は見えません。
台詞はたった一人でやっているのに、これが意外に迫力満点♪
特徴的なあの声をずっと聴いていられるので、眠くなることもありませんでした。
そして、お芝居的に盛り上がる何カ所かの場面ではその状況が浮かび、衣装をつ
けている仁左衛門さんの姿が見えてくるようでした。
できれば「目を閉じてきいてください」と言われていたのに、ときどきオペラグ
ラスで覗いていました。
この声の時はどんな顔をしているんだろう、こんなことを言う時はどんなふうに
発声するんだろう、と。気が散っててすみません!
化粧を施していない顔で一番よく動いていたのは頬の筋肉。次に額の筋肉。そし
て眉。私がモンゴルのホーミーのような声と思っている不思議な声の時も、特に
変わった事をしているワケではなさそうでした。
じっと長唄を聴いていると、今までイヤホンガイドに頼っていて疎かになってい
た想像力が少しは働くようになったかも。
それ以前に、このような場にいられたことが贅沢で貴重な体験だったと思います。
今回の鳴物はぜんぶ「田中伝左衛門社中」とアナウンスがありました。
でも、伝左衛門さんの姿は見えず。伝次郎さんのほうでした。
いやー、この公演翌日(つまり本日)は南座顔見世初日なんですねー。
この流れのまま南座に移動される方も多いのではないでしょうか。
カーテンコールですが、大拍手の中いったん幕がしまってから再び開きました。
お祖父様、お父様を見ながら、遅れがちにおじぎをする千之助くんが微笑まし
くて♪
最後は再び大きなあったかい拍手に包まれながらの幕でした。
スペシャルデーの5人プチオフ♪(このブログ内の関連記事)
こんなに詳しく書ける自信はないけど、頑張って書いて見ますね。
大オフ会もあり、行きたかったです。ええお芝居やったんですね。一人芝居好きやったことに後から気付きました。
土曜日は同じ舞台を見られてヨカッタですね。
貴重な舞台、贅沢なひとときでした。
翌日予定があったので、その前に一気にアップしました。
皆様のレポもそろそろアップされたようですし、
そちらも読ませて頂きますね。
てっきりごいっしょできるものと思ってましたよ。
勧進帳、ほんまにええ体験させていただきました。
まさに一期一会、初心者の心にも沁み入る感動的な一人芝居でございました。
土曜日は楽しい時間をありがとうございました♪
また、拙ブログにも早々に感想を下さったのに、あの後(多分)ワタクシの誤操作であの記事半分以上消してしまったようなんです(泣)帰宅して気づき、思い出しつつ書き直してこんな時間に・・・ つきましては書き直しの際にムンパリさんのこのエントリもリンクさせていただきました。事後で恐縮ですがご了承下さいますよう・・・
にしても、素敵な公演でした。
夏の茶話会の時には「せっかく来て頂いた方に損をしたと思っていただかないように何か珍しいものを」とおっしゃっていたように思います。言葉通り、いえ25年振りということはその分のご精進の賜物を味わわせていただけなぁと、行ってよかったとしみじみ思える時間でした♪
初心者のエントリですが、雰囲気だけでも伝わるでしょうか。
そちらの再アップ記事、かなり詳しくなってますね。ありがたいです♪
> 損をしたと思っていただかないように
あはは~。
後の祭りどころか、冷静に考えてみてすごい舞台に立ち会わせて
頂いたこと、ホントに幸せ者だと思います。
cocoさんも遠方から来られ、充実の観劇旅になられたようで
よかったですね。
勧進帳の録画映像を見て反芻しようと思いましたが、そうすると
仁左さまの富樫や四天王たちが消えてしまいそうで・・・
思いとどまりました(笑)。
しばらくは脳内で反芻することにします♪
土曜日はありがとうございました。
ほんとうにすばらしい「勧進帳」でしたね。
声の演じ分けであれほどの感動を与えてくださる仁左衛門さんの芸の力に改めて感服するとともに、その目撃者の一人となれた幸せをかみしめました。
仁左衛門さんがおっしゃったように「勧進帳」の台詞や長唄の美しさにもとても感銘を受けましたので、じっくり読んでみようと思っています。
実は平成中村座の「仮名手本忠臣蔵」がとても良かったので今はこちらを読んでいます。それを読み終えてから・・・っていつになることやら(笑)。
素晴しい舞台の感動が共有できてほんとにうれしいです。
いつも仁左衛門様の声にヤラれている私としては、顔に
見とれてしまうことのない遥かな席でよかったです(笑)。
それでもどんな声もすべて私の耳に届き、情景や人物の動き
まで浮かんでくるようでした。弁慶がお酒を飲み干すところ
だけは幸四郎さんだったけど(笑)。
「読む」って、浄瑠璃のことですよね♪
すご~い! それは見方がぐっと深まるでしょうね。
迷って諦めかけたこの公演に思い切って行って良かったと思います。
「聴く歌舞伎」、全く想像出来ませんでしたが、
一人で全てを演じ分けるなんて、しかも手足を動かすことなく声だけで・・・。
目をつぶることなく、暗闇の中のお姿もしっかり拝見しました(苦笑)
とても貴重な体験をさせていただき幸せいっぱいです。
たっかいチケット代の元を取って余りある講演で良かったですね。
こちらを読ませて頂いて私も幸せなおこぼれに預かりました。
ありがとうございました~♪