愛之助さんが出演する新橋演舞場の「五月花形歌舞伎」の演目が
発表されましたね。『女殺油地獄』と『通し狂言 椿説弓張月』
だなんて! 禁を破って見に行きたくなるやないの~。
さてと。いつも遊びに来てくださるごんべ様から、とってもうれし
いニュースが届きました。
京都新聞2月14日付夕刊に掲載された西村彰朗さんによる「二月花形
歌舞伎」の劇評です。うう、思わず頬がゆるむではないですか!
私は全文を読めたのですがそのまま掲載するわけにはいかないので
かいつまんで紹介させていただきますね。
お忙しいところ全文を書き写してくださったごんべ様、おつかれ様
でした。あ~んど本当にどうもありがとうございました♪
以下、青字はいただいた原文のまま。(部分抜粋おゆるしください。)
「歌舞伎評 西村彰朗」より~
<人間味にじむ愛之助の権太>
花形役者の染五郎、愛之助、獅童で三つどもえの舞台を繰り広げる
松竹座。その中では愛之助の『すし屋』(夜の部)のいがみの権太
が最も安定しており、緻密で充実した演技が印象的だ。
権太は二度目。お手本とした仁左衛門さんのやり方は上方風の写実
で、原作の人形浄瑠璃にそったもので「ひと言でいえば、泥臭くて
人間味のにじむ権太」なのだそうです。
前半で母親に小遣い銭を無心するあたりの面白さ。維盛の首級を取
りに来た梶原とのやりとりでは大和のならず者の地がそっくり出る。
最後は妻子を維盛一家の身代わりに立て、善人に戻って死ぬ権太。
愛之助は巧みな上方なまりと演技に的確な緩急をつけ、リアルに描
き上げる。
周りも均衡のとれた配役で、昼夜4本の演目では一番見ごたえのあ
る舞台、との評です。
その他の演目については・・・
『研辰の討たれ』
出世のためには権力に追従することなど平気な辰次役を染五郎。家
老をだまし討ちにして、その息子たちに追われる姿をコミカルなタッ
チでつづる。大詰の敵討ちの場はややだれるが、染五郎の愛きょう
のある一面ものぞけて、楽しい。
『伏見の富くじ』
客席の笑いを誘うことが先行した。(中略)本の練り直しが必要だろう。
『慶安の狼』
獅童の出し物で、幕藩体制に反発して、由井正雪の謀反に加担する
丸橋忠弥を熱演する。友人の生きざまとの違いに焦点をあてたのは
いいが、忠弥が傾倒する正雪の人物像はあまり書き込めていない。
(後略)
舞台成果はかくして名作の義太夫狂言に取り組んだ愛之助の権太に
軍配が上がる。
いろんなタイプの観客がいますし、感想はイロイロだと思いますが、
愛之助さんの権太がこんなふうに評価されているなんて!ファンと
しては嬉しい限りです。
ちなみに、西村彰朗さんはNHKの伝統芸能の番組にゲスト出演もされ
ており、著書には『五代目上村吉弥の生涯 一方の花』や『風姿 能
を見に行こう』などがあります。
発表されましたね。『女殺油地獄』と『通し狂言 椿説弓張月』
だなんて! 禁を破って見に行きたくなるやないの~。
さてと。いつも遊びに来てくださるごんべ様から、とってもうれし
いニュースが届きました。
京都新聞2月14日付夕刊に掲載された西村彰朗さんによる「二月花形
歌舞伎」の劇評です。うう、思わず頬がゆるむではないですか!
私は全文を読めたのですがそのまま掲載するわけにはいかないので
かいつまんで紹介させていただきますね。
お忙しいところ全文を書き写してくださったごんべ様、おつかれ様
でした。あ~んど本当にどうもありがとうございました♪
以下、青字はいただいた原文のまま。(部分抜粋おゆるしください。)
「歌舞伎評 西村彰朗」より~
<人間味にじむ愛之助の権太>
花形役者の染五郎、愛之助、獅童で三つどもえの舞台を繰り広げる
松竹座。その中では愛之助の『すし屋』(夜の部)のいがみの権太
が最も安定しており、緻密で充実した演技が印象的だ。
権太は二度目。お手本とした仁左衛門さんのやり方は上方風の写実
で、原作の人形浄瑠璃にそったもので「ひと言でいえば、泥臭くて
人間味のにじむ権太」なのだそうです。
前半で母親に小遣い銭を無心するあたりの面白さ。維盛の首級を取
りに来た梶原とのやりとりでは大和のならず者の地がそっくり出る。
最後は妻子を維盛一家の身代わりに立て、善人に戻って死ぬ権太。
愛之助は巧みな上方なまりと演技に的確な緩急をつけ、リアルに描
き上げる。
周りも均衡のとれた配役で、昼夜4本の演目では一番見ごたえのあ
る舞台、との評です。
その他の演目については・・・
『研辰の討たれ』
出世のためには権力に追従することなど平気な辰次役を染五郎。家
老をだまし討ちにして、その息子たちに追われる姿をコミカルなタッ
チでつづる。大詰の敵討ちの場はややだれるが、染五郎の愛きょう
のある一面ものぞけて、楽しい。
『伏見の富くじ』
客席の笑いを誘うことが先行した。(中略)本の練り直しが必要だろう。
『慶安の狼』
獅童の出し物で、幕藩体制に反発して、由井正雪の謀反に加担する
丸橋忠弥を熱演する。友人の生きざまとの違いに焦点をあてたのは
いいが、忠弥が傾倒する正雪の人物像はあまり書き込めていない。
(後略)
舞台成果はかくして名作の義太夫狂言に取り組んだ愛之助の権太に
軍配が上がる。
いろんなタイプの観客がいますし、感想はイロイロだと思いますが、
愛之助さんの権太がこんなふうに評価されているなんて!ファンと
しては嬉しい限りです。
ちなみに、西村彰朗さんはNHKの伝統芸能の番組にゲスト出演もされ
ており、著書には『五代目上村吉弥の生涯 一方の花』や『風姿 能
を見に行こう』などがあります。
「慶安の狼」小弥太と忠弥対比も上手く描かれていないですし、獅童さんの見どころと言えば最後の長槍を振り回す所ぐらいでした。忠弥の肝も呑み込めてない感じ。
「伏見の富くじ」、千壽郎の抜擢が良かったくらいで、ドタバタしすぎ。特に家老役の獅童さんはふざけ過ぎ。
「砥ぎ辰の打たれ」も立ち回りシーンをつなげる為に暗転と定式幕が多すぎ。大薩摩でもやれば良かったのかも判らないが、野田版のほうがわかりやすい。
安心して芝居の世界に入り込めたのは「すし屋」だけですね。
5月、「油地獄」と「紅葉狩」以外は又ふざけた芝居を見ることになるのかと思うと東上する気になれまへんわ
新しい観客動員を意識したものがあると思いますが、今月の舞台は特に歌舞伎を見たことない人でも
すんなり入って楽しめるよう趣向を凝らした
演目が多いような気がします。
でも伝統芸能では迎合しすぎると本来の面白さが
そがれますから塩梅をうまくしてほしいですよね。