劇場 大阪松竹座
観劇日 2011年2月6日(日)
座席 3階2列
通し狂言は大好き~!!
2月の大阪松竹座は昼夜で2つの通し狂言がかかっている。
"片岡仁左衛門 昼夜の仇討"ですから。
劇場の入り口にはジャーン!すってきぃ~♪♪な2人のにざ様が。
まずは昼の部の通し狂言「彦山権現誓助剱」から。
通し狂言 彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
序 幕 第一場 長門国住吉鳥居前の場
第二場 同 社前の場
第三場 同 郡城下馬場先の場
二幕目 長門国吉岡一味斎屋敷の場
三幕目 第一場 山城国眞葛ヶ原浪宅の場
第二場 同 釜ヶ淵の場
四幕目 第一場 豊前国彦山杉坂墓所の場
第二場 同 毛谷村六助住家の場
大 詰 豊前国小倉立浪主膳正本陣の場
毛谷村六助:仁左衛門 一味斎姉娘お園:孝太郎
京極内匠:愛之助 一味斎妻お幸:竹三郎
一味斎妹娘お菊:松也 衣川弥三郎:薪車
若党佐五平:猿 弥 吉岡一味斎/杣斧右衛門:彌十郎
衣川弥三左衛門:段四郎
長門国郡家の武道指南役吉岡一味斎は、妻お幸、娘お園、妹娘お菊
を残して、京極内匠に殺される。一家は仇討ち御免の御墨附を貰う
が、仇討ちの道中でお菊は返り討ちに遭ってしまい、一子の弥三松
を佐五平に託す。
一方、一味斎の弟子毛谷村の六助は豊前国彦山の麓で百姓暮らしを
していた。六助が杉坂の墓所で母の墓参りをしているところ、微塵
弾正という男に御前試合に負けて欲しいと頼まれる。そこへ京極に
襲われた佐五平が現れ、弥三松を六助に託して息絶える。
約束通り、六助は御前試合で微塵弾正に負けてやる。そこへやって
来たお園は、甥の弥三松が六助の家にいることから、佐五平を襲っ
たのが六助だと思い込み、斬りかかる。しかし実は、六助とお園は
一味斎が決めた許嫁同士で、先の微塵弾正こそ京極内匠だった。
正義感の強い六助は怒りに震え、京極内匠の仕官する小倉領内へと
仇討ちに出立し、お幸、お園、弥三松の後見として、見事本懐を遂
げるのだった。
(歌舞伎美人より引用)
いやー、面白かった。
配役がすべて適材適所というのか、登場人物のキャラがよく立って、
それぞれに味のあるいい舞台になっていると思う。
この演目の関西での通し上演は昭和19年以来、実に67年ぶりだそう。
ちなみに昭和51年放送のNHKの映像で確認したら、通常上演される
「彦山権現誓助剱~毛谷村」は今回の構成でいうと四幕の第二場に
あたる。敵役の京極は舞台には登場せず、話だけで終わってしまう。
しかも大詰なし。
なので、仇討ちの発端から本懐を遂げるまでが見られる機会は貴重。
また、今回の上演にあたっては京極内匠と明智光秀の関係を一切外
し、話を明瞭にしてあるとのこと。今後のために押さえておきたい。
舞台の印象としては三幕目までと、四幕目からの毛谷村の六助登場
以後とではトーンやテンポがずいぶん違う気がした。
<序幕~二幕目~三幕目>
三幕目までは、敵役の京極内匠がいかに卑怯で憎たらしく、仇討ち
されてもっともな人間であるかというナットク材料が続出だ。
まず吉岡一味斎の娘お菊役の松也さんと、弥三郎役の薪車さんの爽
やか音羽屋カップル登場。松也さんの女形は初めて見るけれど、艶
やかな声と情感のこもった口跡はさすが菊五郎劇団。今後もときど
きは女形で見たいと思う。
お菊に横恋慕しながら、その父、吉岡一味斎と武道指南役を争うの
が京極内匠。しかも試合に敗れた相手である一味斎を騙し討ちにし
て姿を消す、というのが仇討ちの発端。
左の額に大きなホクロの特徴ある顔。ものすっごくヤなヤツ、京極
を愛之助さんが演じている。
愛之助さんは精悍な顔で、舞台で見る限りではすっかりお元気そう。
悪役らしく3階席まで響く野太い声で序幕から存在感アリアリ。
にしても、まったく京極という男は猫になったり虎になったり。
特にあの見せ場では、再会したお菊と弥三郎の二人をあんなふうに。
いやっ、ほんまに、わ、わ、わっるううーーーっ!
(詳しくは後日あらためて。)
で、京極は卑怯なだけではなく、女に対してもヤラシ~の(笑)。
いやしかし、今公演ではそこがマイ重点観察ポイントかも。
だってねー、好きな女を殺しておいて、その死体に未練たらしく手
を触れ、死んでも可愛い~と顔をズンズン近づけ・・・・・キャッ。
ここ、妙にナマナマしくてドキドキしてしまった。
人の気配を感じてそれ以上はやめるわけだけど、女にとってこんな
ヤな男、今までの愛之助さんにはなかったから。
その時いったいどんな表情をしているのか、前方席にすわった暁に
はじっくり観察したいと思う。
あ、もう一つ。悪役の愛之助さんはすごく大きく見える。
特筆すべき登場人物は孝太郎さん演じる、お園。お菊の姉で一味斎
の娘。これがまた、めっぽう強いやら、可笑しいやら。
男子顔負けの腕っ節(女武道、と呼ぶそうな)を披露する際の殺陣
が独特でカッコいいの。かと思えばコミカルな言動で何度も客席か
らの笑いを誘うチャーミングなキャラ。
父と妹の敵である京極との対決は四幕目以降へ!
(2)につづく。
観劇日 2011年2月6日(日)
座席 3階2列
通し狂言は大好き~!!
2月の大阪松竹座は昼夜で2つの通し狂言がかかっている。
"片岡仁左衛門 昼夜の仇討"ですから。
劇場の入り口にはジャーン!すってきぃ~♪♪な2人のにざ様が。
まずは昼の部の通し狂言「彦山権現誓助剱」から。
通し狂言 彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
序 幕 第一場 長門国住吉鳥居前の場
第二場 同 社前の場
第三場 同 郡城下馬場先の場
二幕目 長門国吉岡一味斎屋敷の場
三幕目 第一場 山城国眞葛ヶ原浪宅の場
第二場 同 釜ヶ淵の場
四幕目 第一場 豊前国彦山杉坂墓所の場
第二場 同 毛谷村六助住家の場
大 詰 豊前国小倉立浪主膳正本陣の場
毛谷村六助:仁左衛門 一味斎姉娘お園:孝太郎
京極内匠:愛之助 一味斎妻お幸:竹三郎
一味斎妹娘お菊:松也 衣川弥三郎:薪車
若党佐五平:猿 弥 吉岡一味斎/杣斧右衛門:彌十郎
衣川弥三左衛門:段四郎
長門国郡家の武道指南役吉岡一味斎は、妻お幸、娘お園、妹娘お菊
を残して、京極内匠に殺される。一家は仇討ち御免の御墨附を貰う
が、仇討ちの道中でお菊は返り討ちに遭ってしまい、一子の弥三松
を佐五平に託す。
一方、一味斎の弟子毛谷村の六助は豊前国彦山の麓で百姓暮らしを
していた。六助が杉坂の墓所で母の墓参りをしているところ、微塵
弾正という男に御前試合に負けて欲しいと頼まれる。そこへ京極に
襲われた佐五平が現れ、弥三松を六助に託して息絶える。
約束通り、六助は御前試合で微塵弾正に負けてやる。そこへやって
来たお園は、甥の弥三松が六助の家にいることから、佐五平を襲っ
たのが六助だと思い込み、斬りかかる。しかし実は、六助とお園は
一味斎が決めた許嫁同士で、先の微塵弾正こそ京極内匠だった。
正義感の強い六助は怒りに震え、京極内匠の仕官する小倉領内へと
仇討ちに出立し、お幸、お園、弥三松の後見として、見事本懐を遂
げるのだった。
(歌舞伎美人より引用)
いやー、面白かった。
配役がすべて適材適所というのか、登場人物のキャラがよく立って、
それぞれに味のあるいい舞台になっていると思う。
この演目の関西での通し上演は昭和19年以来、実に67年ぶりだそう。
ちなみに昭和51年放送のNHKの映像で確認したら、通常上演される
「彦山権現誓助剱~毛谷村」は今回の構成でいうと四幕の第二場に
あたる。敵役の京極は舞台には登場せず、話だけで終わってしまう。
しかも大詰なし。
なので、仇討ちの発端から本懐を遂げるまでが見られる機会は貴重。
また、今回の上演にあたっては京極内匠と明智光秀の関係を一切外
し、話を明瞭にしてあるとのこと。今後のために押さえておきたい。
舞台の印象としては三幕目までと、四幕目からの毛谷村の六助登場
以後とではトーンやテンポがずいぶん違う気がした。
<序幕~二幕目~三幕目>
三幕目までは、敵役の京極内匠がいかに卑怯で憎たらしく、仇討ち
されてもっともな人間であるかというナットク材料が続出だ。
まず吉岡一味斎の娘お菊役の松也さんと、弥三郎役の薪車さんの爽
やか音羽屋カップル登場。松也さんの女形は初めて見るけれど、艶
やかな声と情感のこもった口跡はさすが菊五郎劇団。今後もときど
きは女形で見たいと思う。
お菊に横恋慕しながら、その父、吉岡一味斎と武道指南役を争うの
が京極内匠。しかも試合に敗れた相手である一味斎を騙し討ちにし
て姿を消す、というのが仇討ちの発端。
左の額に大きなホクロの特徴ある顔。ものすっごくヤなヤツ、京極
を愛之助さんが演じている。
愛之助さんは精悍な顔で、舞台で見る限りではすっかりお元気そう。
悪役らしく3階席まで響く野太い声で序幕から存在感アリアリ。
にしても、まったく京極という男は猫になったり虎になったり。
特にあの見せ場では、再会したお菊と弥三郎の二人をあんなふうに。
いやっ、ほんまに、わ、わ、わっるううーーーっ!
(詳しくは後日あらためて。)
で、京極は卑怯なだけではなく、女に対してもヤラシ~の(笑)。
いやしかし、今公演ではそこがマイ重点観察ポイントかも。
だってねー、好きな女を殺しておいて、その死体に未練たらしく手
を触れ、死んでも可愛い~と顔をズンズン近づけ・・・・・キャッ。
ここ、妙にナマナマしくてドキドキしてしまった。
人の気配を感じてそれ以上はやめるわけだけど、女にとってこんな
ヤな男、今までの愛之助さんにはなかったから。
その時いったいどんな表情をしているのか、前方席にすわった暁に
はじっくり観察したいと思う。
あ、もう一つ。悪役の愛之助さんはすごく大きく見える。
特筆すべき登場人物は孝太郎さん演じる、お園。お菊の姉で一味斎
の娘。これがまた、めっぽう強いやら、可笑しいやら。
男子顔負けの腕っ節(女武道、と呼ぶそうな)を披露する際の殺陣
が独特でカッコいいの。かと思えばコミカルな言動で何度も客席か
らの笑いを誘うチャーミングなキャラ。
父と妹の敵である京極との対決は四幕目以降へ!
(2)につづく。
今回の舞台写真は愛之助さんだけじゃなく、
仁左衛門さんのほうでもほしいものがいっぱいあって
困っています。そのうえマグネットまで!
> 愛之助さんは昼みたいな役は危な気ないので少しつまらない
昼の京極はすっかり自分のものにしている感じですね。
それに比べ三五郎は難しいお役だと思います。
ベテランの役者さんでもあの役の味わいが出せる人って少ないかも。
仁左衛門さんの源五兵衛があまりに凄いので、それに引っ張られ
毎日格闘しているのかもしれませんね。
がんばってついていってほしいです。
それにしても今月の仁左衛門さんはほんとに凄い!
日曜日に観てこちらがズタズタになって劇場をあとにしました。
あの、いざりの車にのって出てきた愛之助さんの顔が気にいって写真買いました。美形3人がそろって、楽しい幕でしたね。
個人的には、愛之助さんは昼みたいな役は危な気ないので少しつまらないです。遠征なので夜が一度しか観られないのが残念。最後の方はずいぶん良くなってると思います。