南座に行く前に・・・文楽劇場から出なくては!(笑)
ちょっと(かなり)遅くなったけどええやん、ね。
公演名 今藤佐敏郎師籍二十五周年記念 長唄演奏会
劇場 国立文楽劇場
観劇日 2009年3月22日(日)
歌舞伎ビギナーといえど、そろそろ学びなさい、な私。
だいたい長唄と常盤津の違いもわかってないのに(う、暴言。問題発言。)
このような席にすわっているのはいかがなものか。
いえいえありがたいです。
これも観劇のきっかけをくださった愛之助さんのおかげ。
(愛之助さんの「越後獅子」については最後に書きます。)
てなワケで、長唄演奏会。
開演時間から最後の「越後獅子」まで待つこと6時間半。
いや、しかし「待ち」モードかと思いきや、いきなり「聴き」モードへ。
やがてお弟子さんたちへの「応援」モードへと変わってきて。
気がつけば、けっこう楽しんでるやん、私。
以下、全くハジメテの、長唄・三味線鑑賞レポ(観察記録)。
三味線。
いつもは歌舞伎の踊りの伴奏として聴いている三味線。
文楽の太棹とも違う三味線をこれだけまとまった形で聴くのは初めて。
楽しい調子から重い曲、しっとりした感じの曲まで。
長唄の人たちがときには感情をのせて唄っているように見えるのに比べ、そ
の横で演奏する三味線の人たちのクールな表情が対照的。
そりゃそうだ、これは長唄演奏会なのであり、三味線の独奏コンサートでは
ない。各パートを受け持つ三味線奏者は見かけは冷静に唄をしっかり聴きな
がら、指は小刻みに動かしている。
そのさなかに弦を巻く(締める)動作がけっこう頻繁に入るんだけど、これ
がやたらすばやい。やたらカッコいい。
お弟子さんたちの大半は弾くだけで精いっぱいで、後見さんやときには師匠
自ら、演奏しながら手を伸ばして弦を締めてあげている。
ほほう。これがプロとお弟子さんの違いなのか。
そういえば佐敏郎さんはほぼ出づっぱり。演奏会の間中、お弟子さんを横目
で気遣う佐敏郎さんの顔が印象に残った。
長唄。
下手側に唄う人が並んでいる。
見ているうちに気づいたが、唄う時には右膝前に扇子を立てて置くようだ。
自分の唄が終わると同時に静かに扇子を寝かす。突然前かがみになった人は
前に置いた扇子を取ろうとする人だ。ほら、今から唄うよ(笑)。
驚いた。皆さん意外に高い声なのだ。同じ男性でも浄瑠璃語りの大夫さんと
は大違い。(当たり前!)民謡のように節もコロコロ回さない。
唄うのは難しそうだけど、聴く側に回るとこれがけっこういいもんだ。
人間国宝から若い人、お弟子さんまで、この日は終日聴いていた。
何曲も聴いているうちに声の質やその人の唄い方によって、味わいまで違う
のだということが、素人なりにも少しわかる気がした。
でも、歌詞はさっぱり。大半が右耳から左耳へ抜け落ちていってしまうのが
残念だった。
プログラムには曲名と出演者の名前ばかり。せめて曲の解説があればと思っ
たが、きっと私たち以外は関係者ばかりで解説など必要ないのだろう。
聴き覚えのある曲もあった。
「鷺娘」を踊り抜きで、長唄とお囃子だけで聴いているのは新鮮な体験♪
唄では地獄の責め苦のあたりが好き(笑)。衆生地獄、阿鼻叫喚・・・
やはり、踊りが頭に浮かんできた。
お囃子。
私は鼓のポンではなく、カーンッ!と響きわたる高い音が好き。
あとはこれが入ってきた途端、気配を一新する笛の音も好き。特に乱拍子ふ
うの音がたまりませぬ。
鼓、小鼓、太鼓など、楽器を持つ人は固定かと思いきや、持ち場が入れ替わ
ることもある。でも、笛だけは今回ずっと同じ人だった。
三味線の弦と同じく、鼓も調律みたいなものがあるのか、今から打つという
時に、口に鼓面を持っていき息を吹きかけているように見えた。
そんな一つ一つの所作を拝見するのが楽しい。
お囃子の人たちも三味線チームに負けず劣らずのクールフェイス軍団だった。
なかでも梅屋小三郎さん。太鼓を叩いているときの武者のような表情が印象
的だった~。
越後獅子。
レポが最後になったけど、本番でも最後の演目。
前奏があって、体の前に小さな太鼓(羯鼓?)をつけて愛之助さんが登場。
ぴたりポーズを決める。
子供で見覚えがある越後獅子の衣裳ではなく、追い掛け五枚銀杏の紋付袴で
の素踊り。うん、素敵だ♪(笑)
ときおりぴーひゃら~という祭り囃子の笛の音。
歌詞に耳をすますと「一人旅寝の草枕」。(ここで吹雪峠の直吉を思い出し
てしまった。)
越後名物・・・お国訛り、小千谷縮・・・という歌詞が聞き取れた。
ずいぶんコミカルな振りが入る。国に残してきた嫁の格好も真似る。
とても軽やかで、楽しそうだ。その踊りを見ているうちに、ああ、このひと
は踊りが本当に好きなんだなあと思い、そういう舞台が見られたことが嬉し
くなってしまう。
最後は白いさらし布。両手に持ち、手を前に突き出し、布が下につかないよ
うに左右互い違いに縦に振る。体の前で大きく交差。片手でくるくる新体操
なみの動きも入る(笑)。
布を両手で縦に動かしながら、後ろを向いてこちらに顔を向け、海老反り♪
客席からは拍手!
最後にまたまた海老反りのまま幕。
公演の途中で全員で記念撮影する時間があった。
舞台の上で皆さんと並んで、愛之助さんのニコニコ顔が見えた。
終演後の挨拶の様子はこちらに。
・・・・・・
あ! 時間がっ。
南座にいってきまーす!!
ちょっと(かなり)遅くなったけどええやん、ね。
公演名 今藤佐敏郎師籍二十五周年記念 長唄演奏会
劇場 国立文楽劇場
観劇日 2009年3月22日(日)
歌舞伎ビギナーといえど、そろそろ学びなさい、な私。
だいたい長唄と常盤津の違いもわかってないのに(う、暴言。問題発言。)
このような席にすわっているのはいかがなものか。
いえいえありがたいです。
これも観劇のきっかけをくださった愛之助さんのおかげ。
(愛之助さんの「越後獅子」については最後に書きます。)
てなワケで、長唄演奏会。
開演時間から最後の「越後獅子」まで待つこと6時間半。
いや、しかし「待ち」モードかと思いきや、いきなり「聴き」モードへ。
やがてお弟子さんたちへの「応援」モードへと変わってきて。
気がつけば、けっこう楽しんでるやん、私。
以下、全くハジメテの、長唄・三味線鑑賞レポ(観察記録)。
三味線。
いつもは歌舞伎の踊りの伴奏として聴いている三味線。
文楽の太棹とも違う三味線をこれだけまとまった形で聴くのは初めて。
楽しい調子から重い曲、しっとりした感じの曲まで。
長唄の人たちがときには感情をのせて唄っているように見えるのに比べ、そ
の横で演奏する三味線の人たちのクールな表情が対照的。
そりゃそうだ、これは長唄演奏会なのであり、三味線の独奏コンサートでは
ない。各パートを受け持つ三味線奏者は見かけは冷静に唄をしっかり聴きな
がら、指は小刻みに動かしている。
そのさなかに弦を巻く(締める)動作がけっこう頻繁に入るんだけど、これ
がやたらすばやい。やたらカッコいい。
お弟子さんたちの大半は弾くだけで精いっぱいで、後見さんやときには師匠
自ら、演奏しながら手を伸ばして弦を締めてあげている。
ほほう。これがプロとお弟子さんの違いなのか。
そういえば佐敏郎さんはほぼ出づっぱり。演奏会の間中、お弟子さんを横目
で気遣う佐敏郎さんの顔が印象に残った。
長唄。
下手側に唄う人が並んでいる。
見ているうちに気づいたが、唄う時には右膝前に扇子を立てて置くようだ。
自分の唄が終わると同時に静かに扇子を寝かす。突然前かがみになった人は
前に置いた扇子を取ろうとする人だ。ほら、今から唄うよ(笑)。
驚いた。皆さん意外に高い声なのだ。同じ男性でも浄瑠璃語りの大夫さんと
は大違い。(当たり前!)民謡のように節もコロコロ回さない。
唄うのは難しそうだけど、聴く側に回るとこれがけっこういいもんだ。
人間国宝から若い人、お弟子さんまで、この日は終日聴いていた。
何曲も聴いているうちに声の質やその人の唄い方によって、味わいまで違う
のだということが、素人なりにも少しわかる気がした。
でも、歌詞はさっぱり。大半が右耳から左耳へ抜け落ちていってしまうのが
残念だった。
プログラムには曲名と出演者の名前ばかり。せめて曲の解説があればと思っ
たが、きっと私たち以外は関係者ばかりで解説など必要ないのだろう。
聴き覚えのある曲もあった。
「鷺娘」を踊り抜きで、長唄とお囃子だけで聴いているのは新鮮な体験♪
唄では地獄の責め苦のあたりが好き(笑)。衆生地獄、阿鼻叫喚・・・
やはり、踊りが頭に浮かんできた。
お囃子。
私は鼓のポンではなく、カーンッ!と響きわたる高い音が好き。
あとはこれが入ってきた途端、気配を一新する笛の音も好き。特に乱拍子ふ
うの音がたまりませぬ。
鼓、小鼓、太鼓など、楽器を持つ人は固定かと思いきや、持ち場が入れ替わ
ることもある。でも、笛だけは今回ずっと同じ人だった。
三味線の弦と同じく、鼓も調律みたいなものがあるのか、今から打つという
時に、口に鼓面を持っていき息を吹きかけているように見えた。
そんな一つ一つの所作を拝見するのが楽しい。
お囃子の人たちも三味線チームに負けず劣らずのクールフェイス軍団だった。
なかでも梅屋小三郎さん。太鼓を叩いているときの武者のような表情が印象
的だった~。
越後獅子。
レポが最後になったけど、本番でも最後の演目。
前奏があって、体の前に小さな太鼓(羯鼓?)をつけて愛之助さんが登場。
ぴたりポーズを決める。
子供で見覚えがある越後獅子の衣裳ではなく、追い掛け五枚銀杏の紋付袴で
の素踊り。うん、素敵だ♪(笑)
ときおりぴーひゃら~という祭り囃子の笛の音。
歌詞に耳をすますと「一人旅寝の草枕」。(ここで吹雪峠の直吉を思い出し
てしまった。)
越後名物・・・お国訛り、小千谷縮・・・という歌詞が聞き取れた。
ずいぶんコミカルな振りが入る。国に残してきた嫁の格好も真似る。
とても軽やかで、楽しそうだ。その踊りを見ているうちに、ああ、このひと
は踊りが本当に好きなんだなあと思い、そういう舞台が見られたことが嬉し
くなってしまう。
最後は白いさらし布。両手に持ち、手を前に突き出し、布が下につかないよ
うに左右互い違いに縦に振る。体の前で大きく交差。片手でくるくる新体操
なみの動きも入る(笑)。
布を両手で縦に動かしながら、後ろを向いてこちらに顔を向け、海老反り♪
客席からは拍手!
最後にまたまた海老反りのまま幕。
公演の途中で全員で記念撮影する時間があった。
舞台の上で皆さんと並んで、愛之助さんのニコニコ顔が見えた。
終演後の挨拶の様子はこちらに。
・・・・・・
あ! 時間がっ。
南座にいってきまーす!!