サニーデイサービスの新譜がネット上のシェアという形態でリリースされた。
聴きながら書いている。
クオリティはとても高いと思う。最高作とは位置付ける人はいないだろうけど、
The Beatlesのホワイトアルバムのような印象を受ける。それもすごいけれども。
ちょっと僕は動揺している。そして、何というか聴こえてくる音楽の素晴らしさと同時に
怖さを感じている。
この音源は無料で配信されている。
聴いて感動を覚える人はたくさんいるだろうが、
その人は対価としての料金を払えるわけではない。
さて、そこで聴いて感銘を受けた私たちは何をしたらいいのだろう。
もちろんこのアルバムがCDなり形になって流通するようになれば
店頭なりネットで購入することができる。
もしくはこのアルバムのリリースに合わせたライブツアーが組まれて
私たちの町の近くにサニーデイが来てくれるのならば、
ライブに足を運ぶだろう。
要は、これを無料で楽しんでいるリスナーに対して、
さあ、あなたはどういう行動にでますか?と問いかけているのが本作なんだろう。
種明かしをしてしまうのもどうかと思うが、
バンドの覚悟と本気はとてつもないものだ。
私たちは試されている。今作をただ無料のサービスだと
受けとってしまうようでは、音楽文化はおしまいだよ。
何年か前にU2やレディオヘッドがネット配信無料でアルバムリリース
していたけど、やはり邦楽アーティストがそれをすると切迫感がある。
そんな金持ちでもないだろうし。
なんだかもやもやしてしまって純粋に作品を楽しめない。
早くCDなりレコードになって欲しい。