■マーケット
英EU離脱決定 ロンドン最新情報
--ロンドンは26日夜10時前です。それでは豊島さん、最新情報を伝えてください。
《中継:豊島晋作記者》
ロンドンから最新情報です。離脱を決めたことの衝撃はやはり大きく、現在、イギリス国内はやや混乱している状況です。まず、国民投票のやり直しを求める動きが活発です。議会下院のサイトには日本時間の午前5時時点で、国民投票のやり直しを求める340万人分の署名が集まっています。投票結果が比較的僅差だったため、残留派が巻き返しを狙っていると見られます。また残留派が多数だったロンドンでは、カーン市長にイギリスからの独立を宣言させ、EUに加盟させようとする運動が起きていて、こちらは約17万人分の署名を集めています。
--そうした動きは実現する可能性はあるんでしょうか。
そうですね、ロンドンの独立はともかく国民投票が終わった今の時点では投票のやり直しが実現する可能性は極めて低い状況です。ただ今後の国内政治の火種としては残るでしょう。そしてイギリスはまた別の火種を抱えることになりました。
《スコットランド行政府/スタージョン首相》
「EUからイギリスが離脱するということは深刻な影響や苦痛をもたらす。そういう状況からスコットランドを守りたい。」
EU残留が多数だったスコットランドはイギリスの離脱後もEUに留まるためイギリスから独立することも辞さない姿勢を改めて強調しています。国民投票は終わりましたが離脱派と残留派の戦いはいまも続いていて、今後のイギリスの国内政治、そして国の形にも影響を与えることになりそうです。以上ロンドンからでした。
先週末NY株 大幅反落![m1.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/06/40214208e38abbe62ff4fc69cd35d401.jpg)
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まさに今週からが、市場にとって、ゴールが見通しにくい先行き不安との戦いとなりそうです。金曜日のダウは、600ドル以上の下落と、終値ベースでは去年8月のチャイナショックの時以上の下げ幅となりました。今回の事態の難しさは、金融、経済に加え、政治的な不安が長期的に付きまとう事。市場ではアメリカの利上げは2018年前半までないとの予想も出始めています。7月の半ばから4ー6月期の決算発表も始まりますが、今後の為替や金利、原油価格の動きも不透明で企業業績も見通しづらくなりそうです。金曜日の終値、揃って大幅反落でした。ダウが、610ドル安の1万7,400ドル。ナスダックは202ポイント下落、4,707。S&P500が75ポイントマイナスの2,037でした。![0指標.jpg](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/93/cc9a48b5ddf223e0af28bcb079cf9763.jpg)
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そのイギリスのEU離脱についてアメリカのエコノミストは、『最も影響を受けるのはドイツとアイルランドだ』と見ています。
《ジェフリーズ/ワード・マッカーシー氏》
「欧州経済への短期的な影響は、『金融市場がどこまで大きく動くか』による。それにより消費者心理と企業の景況感に影響が出るだろう。またイギリスとドイツはお互いに最大の貿易相手国で、アイルランドも英国と貿易が多い。これらの国の経済は今後弱体化する可能性がある。」
一方で、マッカーシー氏は『アメリカ経済に与える影響は限定的だ』と見ています。
「イギリスと欧州の経済が悪化すると米国の輸出が打撃を受ける。イギリスとドイツは輸出相手国のトップ10に入るからだ。しかしアメリカ経済に占める輸出の割合は大きくないため、経済成長に大きな影響はないと見ている。ただFRBは年内1~2回の利上げを示唆したが、今年の利上げはしないだろう。」
【為替見通し】注目ポイントは「EU離脱の余波」
解説はJPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉氏
--先週末ブレグジットショックでドル円は一時99円台まで値を付けたわけです。今日の予想レンジが、101.00円 - 102.50円です。今日の東京市場はいかがでしょうか。
それほど大きな動きにはならないのではないかとみています。先週金曜日の海外時間は欧米株価は大幅安ということで、日経平均先物が売られて円が買われるという展開になってもおかしくなかったんですが、先物は堅調でドル円も比較的落ち着いて推移したということで、やはりこれは 99円までの円高がやや過剰反応だったのかなということを示していると思っていますので、そこまでは行かないのではないかと見ております。
--注目ポイントは「EU離脱の余波」です。今後 99円を割れる展開というのはあるんでしょうか。
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99円を割れる可能性は、目先についてはそれほど高くないとみています。もちろん不安定な状況が続きまして投資家がリスク回避姿勢を強めると、これは円高要因なんですが、そういった状況ではドルも通常買われますので、ドル円の下落はそれほど大きくはなりづらいということがありますし、また日米金利差から見てもだいたい今の適正値は 103円ぐらいですので 99円というのは先ほど申し上げたようにやや行き過ぎたのかなということろです。
--そしてこちらのグラフで、IMMのポジションなんですが・・・
これは投機筋が円買い持ちにかなり傾いているということを示しています。だとするとここからの円買い余地というのはそれほど大きくないという見方もできるのではないかと思います。![0為替.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/f0/3f77bca1a930f6b67601e12449ac8771.jpg)
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【日本株見通し】注目ポイントは「レンジ復帰への意識」
解説は楽天証券経済研究所の土信田雅之氏
--今日の予想レンジは14850~15250円です。さあパニック売りは収まるでしょうか。週明けどう見ますか。![nk1.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/38/d8fad38babf642c2746e1ebcaa6ca7ef.jpg)
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英国民投票のファーストインパクトがとりあえず一巡しましたし、シカゴ日経平均先物も15000円台に戻していますので、本日の国内株市場なんですが、落ち着きどころを探る格好でスタートしそうです。ただ今後の動向に対する不透明感は根強いですし、リスクを取りづらい状況が長期化する可能性もありますので、その後は為替市場をにらみつつ、落ち着きと下値トライを繰り返す展開が続きそうですね。
--注目ポイントは「レンジ復帰への意識」です。
図は日経平均のチャートなんですが、相場の下落が一服した際に意識されるレンジとして、直近の高値と安値同士を結んだ線に囲まれたこの範囲が目途となりそうです。選手金曜日でこのレンジを下抜けてしまったわけなんですけれども、このレンジの下限に注目してみますと、現時点で15200円ぐらいの水準です。本日は15000円台の回復が見込まれるため、早い段階でのレンジ復帰に期待したいところなんですが、ただこのレンジ自体が右肩下がりになっているということですので、復帰できても相場の下落基調が続きやすいということと、レンジの下限を描く際に用いた2つの安値、これはともに日銀会合後のタイミングで付けた安値でもありますので、今後も何かと意識されやすい位置になるのかなと思っております。
■特集 英EU離脱の要因はEUに
英EU離脱の要因はイギリスにあるのか。金融取引税の導入などEUの規制は、国境を越えて広がる金融サービスに重きを置くイギリスにとって足かせでしかない。新たなグローバルネットワーク社会となる中、経済統合の末に域外と域内を分ける考え方自体が時代錯誤と指摘。今後のEUのあり方など、経済産業研究所中島厚志氏の解説
・EU離脱、原因はEUにあり
--イギリスがEUから離脱することが決まりまして、非常に想定外、大ショックが世界に広がったわけですけれども、これは食い止められなかったのか、そもそもなんだったのか。
(中島氏) 今回のブレグジットは原因はイギリスというよりもEUにあると見ている。やはりEU自体の統合のやり方が変わってきたのが大きい。最初はヨーロッパは地理的にも近いしみんな似かよった国だというところからスタートしたのが、現在は冷戦後に東欧を入れた。まあこれはヨーロッパですからいいんですが、ただその中には戦略的、軍事的な視点などいろいろ入った。さらに経済統合や政治統合まで進んでいくとことで、一体化をすごく急いだことが今の状況につながっている。みんな要するに経済などを同一にしたらだめだということで、ギリシャも落ちこぼれそうになっている。![t1-1.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/e3/fa09cda93a63d106663c73c7785ff299.jpg)
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--経済統合のやり方にも無理が来ているのではないか。
(中島氏) 今EUでやっている金融がらみで、金融取引税を入れるという話がある。そうなるとイギリス自体は金融サービス中心ですから、これは決していいことではない。またグローバルネットワーク社会を迎えて、金融サービス産業というのは典型的な情報でグローバルネットワークですから、そういう意味でいまのEUの域内、域外を分けるという経済国境みたいな考え方も違ってきている。
--時代に合わなくなってきているということなんですね。東欧へ拡大したことで移民問題が広がり、規制強化というところでイギリスには非常に負担になったということですね。では今後EUはどうすべきなんでしょうか。
(中島氏) やはりこの表題の通り、急ぎ過ぎたというのが結果的に今の状況から言える。ですからEU自体がEU本部がみんなをリードするということよりは、各国の多様性を認めて、どれだけ一体感を出しながらも、多様性の中で調整しながら統合へ向かって行けるか、そこがポイントだと思います。
--非常に難しい話ですけれども、広木さん、グローバリゼーションの課題を突き付けられた格好ですね。
(広木氏) まさにそうですね、今回はグローバリゼーションの反対軸である内向き志向、ポピュリズムに票が振れたということだと思います。やはりグローバリゼーション、そしてそれに乗って拡大してきたグローバル資本主義というものの矛盾、限界、弊害が一気に噴出していることの象徴なんだと思います。だからこそその中心にあるところの資本市場があまりにもいま脆弱になっているのは、グローバル資本主義の限界を示していることかもしれない。
--となるとここで一旦その歩みは止まると見たほうがいいのですか。
(広木氏) 難しいですけど、止めない努力を人々がしていかないと、やはり成長を追い求めないと逆に問題の解決方法が無い。結局、成長を追い求めるしか問題を解決できないと思います。
■特集 緊急トーク ブレグジットショックで為替・日本株は
為替は、中長期的にはイギリスのEU離脱の世界経済への波及効果は限定的。ドル円は年末に103円、そして来年6月には101円という予想に据え置いている。協調介入については、イギリス経済がポンド急落で危機に瀕することを懸念してポンド買いの協調介入をするならわかるが、円買いの協調介入をする強い理由はない。そうなると日本ができる策は追加緩和だが、追加緩和の円押し下げ効果は限定的と見ている。日本株は先週のパニック売りで下げ幅が拡大したが、米国NYダウの下落率は日経平均の半分以下で、為替も落ち着いているので下げ止まるだろう。だが、ヘッジファンドの解約売りなどで今後2番底、3番底を覚悟する必要がある。巨大ヘッジファンドの解約売りはドミノ倒し的に売りが広がる可能性があり、グローバルな世界同時株安を招く要因になる。
為替はJPモルガンチェース銀行・棚瀬順哉氏、株はマネックス証券・広木隆氏が解説。
《為替見通し : JPモルガンチェース銀行/棚瀬順哉氏》
--ブレグジットショックで為替がどうなるのか。気になる今週末のドル円相場、モーサテサーベイを野沢さんからお願いします。
《モーサテサーベイ》期間6月24日~26日、番組出演者33人にアンケート![t2-1.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/14/d52a52fda97522e236fddec3f03b7fb8.jpg)
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(フリップ1)
・ 今週末のドル円予想
予想中央値(102.50)先週終値(102.27)
ただ予想は5円50銭の開きが出ています。
クレディ・アグリコル銀行/斉藤氏(104円予想)
「100円を割り込んだら介入の可能性も」とコメント。
野村証券/池田氏(100.50円予想)
「麻生財務大臣は週末の発言で介入は難しいことを示唆。」
--棚瀬さんは先ほど目先は100円割れはないということでしたが、中長期的に見るとどういうふうにご覧になっていますか。グラフは来年6月までのドル円
相場予想ですね。
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(フリップ2)
JPモルガンの見通しとしましては、12月末で103円、来年6月末101円ということで、ブレグジットを受けても変えておりません。結局ドル円125円というのはかなりドルが買われ過ぎ円が売られ過ぎということだったんですが、急激にドルの過大評価、円の過小評価が進んで、ドル円もかなりいいところまで来たのかなというイメージですので、100円を割り込んで円高がどんどん進むような状況でもないのかなと思っています。
--となると100円近辺、103円近辺だと企業業績への影響もありますし、為替介入という見方がありますけど、可能性はどうでしょうか。
まず協調介入に関しては可能性は非常に低いと思っています。有るとすれば単独なんですが、それも可能性はそれほど高くないと思っています。やはり介入は相手方の了承を取り付ける必要がありますので、円高の日本経済に与える悪影響、それに対する温度差、日本と諸外国の間にはまだかなり温度差があると思っていますので、アメリカの動きが重要なんですけど、まだその溝はなかなか埋まらないと、それが埋まらない限りは難しいという見方ですね。
--となると日本ができることは追加緩和ということになるかもしれません。モーサテサーベイでは7月の緩和予想が、実に92%となっています。今回の可能性はどうでしょうか。
はい、JPモルガンとしては7月の追加緩和を予想しています。中身としてはマイナス金利の深堀りと量の拡大です。(量の拡大というのは)資産の買い入れの増額で、これは国債、ETF、Jリート、全てですね。![t2-3.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/65/42636aa19830024809d30c97bd8efd92.jpg)
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--全てを買ってくると・・・、ただそれは効果はあるんでしょうか。
(フリップ3)
効果は限定的にとどまると見ています。こちらのチャートで見て、結局金融政策、あるいは介入もそうなんですけれども、それらによってファンダメンタルズが規定する為替のトレンドを大きく変えるということは難しいんですね。そういった意味では今年1月のマイナス金利政策の導入が、限定的な効果しか持たなかったことの一つの理由というのが、日本の貿易収支が黒字に転じて、経常黒字がものすごく拡大してきているといったことで、円のファンダメンタルズがかなり強化していますので、そういった中で金融政策で円安方向に持っていくのは難しいということを示した。だとすれば、それと同じ議論というのは、この次の追加緩和に対しても当てはまるということで、効果は限定的にとどまると見ています。
--効果が限定的にとどまると見ていてもなお7月に予想するというのが市場なんですか。
もちろんこれだけ急激に円高が進んだので、なにもやらないという選択肢はないだろうということです。
《日本株見通し : マネックス証券/広木隆氏》
--さて続いては今後の日本株の見通しです。先週末日経平均は1000円以上の急落となりまして、年初来安値を更新しました。それでは野沢さんからモーサテサーベイ、今週末の日経平均の予想です。
《モーサテサーベイ》![t2-4.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/2a/93524c7f494d3c3148483d1fdc0666c3.jpg)
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(フリップ4)
・ 今週末の日経平均予想
予想中央値(15300)先週終値(14952)
買い戻しが入りそうです。
日経基礎研究所/井出氏(15800円予想)
「日本株は下げ過ぎ。自律反発が期待される。」
岡三証券/小川氏(14800円予想)
「追加緩和の催促相場の可能性も」
--ここからは広木さんに聞いていきます。先週末は急落となったんですが、このパニック売りは収まるでしょか。
ニューヨークも大幅安ですけれども、下落率は東京の半分ですし、為替も一時100円割れのところから戻してますから下げ止まると思います。買い戻しが入ってくるんじゃないかと思います。
--とは言いましても、ここまでショックが入りますとこの変動幅がずいぶんと大きくなってしまって、上値を追うというのはどうなんでしょうか。
それは難しいと思いますね。僕も再三申し上げている通り、相場は一度大きく壊れてしまうと、すぐには底は入らなくて2番底、3番底と探りに行くのが常ですからね。![t2-5.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/2f/257f9de3609aa631d8bd11e538e6634d.jpg)
![t2-5.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/2f/257f9de3609aa631d8bd11e538e6634d.jpg)
--それでは年末までの日経平均の予想を出していただきます。やはりちょっと下値を模索する動きというのもあるわけですね。
(フリップ5)
そうですね。先ほど棚瀬さんからあった通り、7月には日銀の追加緩和もあるだろうし、参院選も絡んで、こうなると財政の話もまた膨らんでくるだろうから、そういったような期待で一旦戻ると思うんです。ただその後は出尽くし感があってもう一度下落してしまうんじゃないかと思いますね。
--理由は何でしょうか。
2つあって、1つは、さっき佐々木さんがおっしゃったように、市場の変動が大きくなること自体がリスクが高まったんだということになって、リスク管理の制約からポジションを落とせとという指令が出てしまうんです。そうするとここは本当は安いから買いたいと思っても買えずに、どんどんポジションを落とさなくてはいけない。これは去年のチャイナショックの時に我々が学んだことの一つだと思います。今年はそれに加えてもう一つ危惧する要因があって、ヘッジファンドのパフォーマンスがずっと悪いんです。
(フリップ6)![t2-6.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/5f/76508d7413753f00a77956b5ceb64a01.jpg)
![t2-6.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/5f/76508d7413753f00a77956b5ceb64a01.jpg)
これはある大手、世界最大級のファンドの一つですけれども、ずっとパフォーマンスが悪くて、だいたい高いところからもう25%ぐらいパフォーマンスが悪化しているんです。こうなると投資家からの解約がもう今年はだいぶ出ていますけれども、今回のブレグジットに、特にマクロ系のファンドはほとんど残留にかけていましたから、一段とこれでパフォーマンスが傷んでいる可能性があるんです。そうするとここから9月前にたぶん解約がドッと出て、そういうものが波及するのが一番怖いです。ちょうどリーマンショック前の2007年にも大きなグローバルファンドの解約がどんどんドミノ倒しのようになっていって、世界株安を招いたケースがあるんで、それも8月でしたし、去年はチャイナショックが8月でしたし、その前中東への空爆が8月でした。8月というのはなんか鬼門の月なんですね。
--ですから8月あたりからちょっと下げていくという動きを予想をされているわけですね。![t2-7.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/56/babe1a70f538a526848d351aa0f8a825.jpg)
![t2-7.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/56/babe1a70f538a526848d351aa0f8a825.jpg)
そうですね。円高もね。要は9月のFOMCで利上げが無いんだということになると、そこはまたドル安円高も強まりそうですから。
--大統領選も不透明感がありますからね。そうなると注意しなけれないけないのは、円高がさらに進むタイミングで、ヘッジファンドの売りが出るということですね。水準としてはどう見ればいいですか。
(フリップ7)
14500円割れもあるんじゃないかなと。その段階でいまPBR1倍割れですね。いまちょうど15000円割れで2月に付けた安値、この時もPBR1倍割れだったんですけれども、そこに並んではいるんですが、今年度さらに一株当たりの純資産が下がってしまっていますから、今度同じ水準、PBR1倍割れまで売られる時は14500円割れも考えなくてはいけないかもしれない。
■ロンドン中継 英EU離脱企業への影響は
--イギリスが国民投票でEUから離脱を決めたことは、日本企業も含め世界のビジネス界に大きな衝撃を与えています。それではロンドンから豊島記者に伝えてもらいます。
《中継:ロンドン支局/豊島晋作記者》
特にロンドンの金融街シティーの受けた衝撃は大きく、金融機関の中には人員を海外に移す検討を始めた金融機関もあるようです。早速シティーで働く人々に話を聞いてきました。
金融街で働く人々は・・・
「この状況について正直言ってとても動揺している。」
「(EU離脱は)誰にもいい影響を与えない。既にマーケットに悪影響を及ぼしている。」
公共放送BBCは、ヨーロッパの金融大手HSBCはロンドンの本社に勤務する従業員のうち最大1000人をパリに移動させる検討を始めたと報じています。
--となると日本企業への影響も心配ですね。
そうですね。先週末の国民投票の翌日は、特にこちらの日本企業の社員そしてその家族もその動揺の色を隠せない様子でした。イギリスに進出している日本企業の中には、法務部の人員などを中心に急遽社内にタスクフォースを設置して今後の展開に備える動きが出ています。ただ一方で日本企業にアドバイスを行っているロンドン在住のコンサルタントからは次のような声も聞かれました。
《アクロス・アソシエイツ/西川千春氏》
「起こったことはしょうがない。もう(EUから)出るという判断をしたわけですから。それでその時にアジアという観点から見たら、何と言っても日本なんですね。日本政府としてはいいチャンスと捉えて、自分に良い条件になるようイギリス政府と交渉していく。特に移民の問題、日本人のビザの要件、投資に対する優遇など。積極的にEUというしがらみが取れたということを利用した方がいいと思う。」
いずれにせよイギリス政府とEUとの脱退交渉が始まらない限り先行きが不透明な状況は当面続きそうです。以上ロンドンからお伝えしました。
■特集 ブレグジットでアメリカは景気後退局面へ?
イギリスのEU離脱がアメリカ経済へ与える影響が懸念されています。米英間の貿易規模が小さいため、影響は限定的との見方もありますが、今のアメリカ経済は労働生産性の伸びが鈍化しており、今回のような思わぬ外部環境の変化が景気後退局面入りへの一押しとなる可能性を指摘します。
解説は経済産業研究所中島厚志氏
--日本企業も身動きが取れない状態というか。さらにこれがどのくらい世界経済に影響を与えるのか。
(中島氏) 確かにイギリスの世界に占めるGDPや貿易を見れば、大したことはないだろうと思いますが、マーケットを通じての影響を見れば、アメリカもヘタするとリセッション入りする可能性が高まるということはありますね。![t3-1.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/b5/013c5b24a6f602907ef592d8e621ee37.jpg)
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(フリップ1:米労働生産性、伸び鈍化)
--景気後退という局面に入るかもしれないということですか。先ほどアメリカの専門家は、アメリカからイギリスへの輸出は少ないから意外と影響がないという話がありました。それでもあるというふうに見ていますか。
(中島氏) むしろアメリカの景気は今伸びきっているんです。これはアメリカの労働生産性なんですけれど、だんだん伸びてきたのが足下で鈍化して今現状だとほとんど労働生産性の伸びはないんですね。おそらくこれは中長期で見れば当然、賃金等を通じて消費に影響を与える。アメリカ経済に大きく効く一つの要因なんですね。
(フリップ2:米外的要因で景気後退?)![t3-2.JPG](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/19/a4c72f4844c63c7756e1dbe6cede27b3.jpg)
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--こちらは過去を見てもそれが良くわかるということで、過去のデータですけれども、労働生産性(青色)と実質GDP(赤色)です。
(中島氏) 不況期になると当然GDPはマイナスなんですが、売上も減速することで、生産性も落ちるわけです。それで今回はかろうじて労働生産性が横ばいとい状況です。ここにEU離脱の影響が調節ないしはマーケットを通じて出てきたときには、そのショック如何によってはむしろリセッション入りを促すという可能性があるということです。
(フリップ3:モーサテサーベイ、アメリカの利上げは?)
--もしアメリカがそういう事態になりますと、やはりそれを食い止め
るために利上げの先延ばしという方向が出てくるのではないか、と思います。最新のモーサテサーベイによりますと、7月の利上げがあると見る人の割合は前回の23%から大きく減少して2.7%です。一方で、12月に利上げがあると見る人は前回調査の8%から急上昇して40.5%です。来年以降と見る人も前回の11%から28.9%に上昇しています。
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(中島氏) 少なくとも7月の利上げは無くなったと見ていいんだと思いますが、今年年内も労働生産性の伸びが無いとかだと、これは企業業績が上がらないということなので、利上げになるとそこは下押ししますから、そういう状況を考えるとむしろ無くてもおかしくない。
--来年以降でなくて、無い。状況によってはどうでしょうか。
(中島氏) アメリカ経済しだいんですけど、リセッションに入るとなれば、来年もむしろ後半以降でないと出てこない。当面は無くなるという可能性は、今後状況によってですけど、見ておく必要があると思います。
--そういう金融政策だけではなく、広木さん、財政施策も求められてくるんでしょうか。
(広木氏) そうですね、いま金融政策の限界というが言われ始めていますから、今年に入ってのグローバルな議論で行くと財政といことになってくると思いますね。
--日本も10兆円規模という話が出ていますけれども、棚瀬さん、アメリカの減速というのは新興国経済に打撃ではないですか。
(棚瀬氏) もちろん経済の減速は打撃だと思います。ただFEDが利上げをできないというのは、新故国からの大規模な資本流出を減らすという意味ではポジティブという見方もできますので、その当たりのバランスが問題になってくると思いますね。
--イギリスもヘタしたら金融政策ではまた状況によっては利下げということになりますか。
(中島氏) これはもう世界的にそういう可能性がありますし、例えばいま中国でも通貨人民元が下がっていますから、それによっては世界的な動き、資金の流れをどう止めるか、先進国として財政政策でも金融政策でもそれぞれ大事な局面ですね。
--世界的な緩和状態になる可能性もあるということですね。
■今週の予定
27日(月)独仏伊首脳会談
28日(火)米1-3月期GDP確定値、欧州EU首脳会議(~29日)
29日(水)株主総会の開催集中日、米5月個人消費支出
30日(木)5月鉱工業生産
1日(金)6月消費者物価指数、米6月ISM製造業指数、中国6月製造業・非製造業PMI
■今日の予定
経団連 榊原会長が会見
ECBフォーラム(~29日)
独仏伊首脳会談
米6月ダラス連銀製造業景気指数
■【今日の経済視点】
経済産業研究所/中島厚志氏 「米景気がポイント」
世界経済が混乱しかねない中で、やはりアメリカ経済がどうなるかが大きなポイントなんですね。ただ逆風がありますから、原油安もある、ドル高もあるので、これをどれだけしのいで底堅く推移できるか、ここが大きなポイントだと思います。
--中島さんはしのげると思いますか。
私はかなりギリギリのところだと思います。
マネックス証券/広木隆氏 「作用、反作用」
今回のブレグジットのような非常に大きい動き、しかもネガティブなインパクトがある、ただこれで一気に全部悪い方に行ってしまうかというと、必ずそういう大変なことが起こるとそれを食い止めようという逆の力も起こる。例えば反EUに一気に傾いていくかといえば、そうではない動きも出てくるし、先ほどのスペインの総選挙も一気に急進左派が票を伸ばすかと思ったら、意外にそうでもない部分もあります。経済に対してこれだけ下押し圧力が懸念されれば、当然アメリカの利上げなども先送りになるだろうし、日本も金融・財政、それこそ世界中が政策総動員で何とか危機につながらないように逆の動きも出てくるので、悲観一色にならないことが重要じゃないかと思います。
JPモルガンチェース銀行/棚瀬順哉氏 「部分と全体」
広木さんがおっしゃったことにやや近いんですけれども、結局イギリスのイベントが世界全体のイベントに波及していくのかどうか、というところです。イギリスおよびその周辺欧州諸国だけにとどまるのか、あるいは世界的な危機につながるのか。金融危機につながるようなものではないと思うのですが、それこそ反EUの流れが膨らんでいけば、又その影響も大きくなっていくというところもあるわけで、そういったところが焦点かなと思いますね。
■ニュース
拡張パナマ運河 航行開始
中南米のパナマ運河の拡張工事が9年を経てようやく完了し、26日、第一号の大型船が通過しました。第一号となったのはギリシャからの中国のコンテナ船で、セレモニーにはパナマのバレラ大統領などが出席しました。今後はこれまでのおよそ3倍の積載能力を持つ船の航行が可能となり、日本を含め、世界の海運に大きな影響を与えるとみられています。
米トランプ氏支持率 急落
アメリカ大統領選をめぐる最新の世論調査で、トランプ氏への支持率が39%に急落し、民主党のクリントン氏が去年秋の調査開始以来、初めて10ポイント以上の大差でリードしていることが分かりました。これはワシントン・ポストとABCテレビが実施した23日までの調査によるもので、トランプ氏の、メキシコ人裁判官への差別発言などが影響していると見られます。
LGBTパレードで銃乱射追悼
ニューヨークでは26日、LGBT=性的マイノリティーの人権を訴える恒例のパレードが行われ、フロリダ州オーランドで起きた銃乱射事件の犠牲者を追悼しました。過去最多の3万2,000人が練り歩いた今年のパレードでは、銃乱射事件で多くのLGBTの人が犠牲になったことを受け、銃規制の強化やヘイトクライム阻止が訴えられました。こうした動きを支持する民主党のクリントン氏もサプライズで登場し、共和党との主張の違いを示しました。一方、テロを警戒して、沿道にはライフルを持った警官や爆弾探知犬が配備され、異例の厳戒態勢の中での開催となりました。
スペイン再選挙 “反EU”の急進左派 伸び悩みか
スペインでは、現在上下両院の再選挙の開票作業が続いています。「反EU」と「反緊縮財政」を掲げる、急進左派政党「ポデモス」は議席を上積みできず、伸び悩んでいるとみられます。スペインでは、去年12月に実施された総選挙で4つの政党に議席が4分されその後の連立交渉も決裂したため、今回の「出直し総選挙」となりました。投票は日本時間の午前3時に締め切られ、現在も開票作業が続いています。およそ60%が開票された段階では、ラホイ首相率いる保守系の国民党が第1党を占め、他の党に大きく差をつける見通しとなっています。一方、反EU・反緊縮財政を掲げる新興の急進左派「ポデモス」は、改選前の議席に上積みできず第3党にとどまる見通しとなっています。
鳩山元総理 AIIBから「要請あった」
鳩山由紀夫元総理大臣は、北京で記者団に対し、AIIB=アジアインフラ投資銀行から、国際諮問委員会の委員に就任するよう要請があったことを明らかにしました。鳩山元総理によりますと、去年の11月に、AIIBの金立群総裁から、「国際諮問委員会の委員になって欲しい」と打診されたということです。その後、正式な就任要請は来ていないということですが、鳩山元総理は、正式に要請されれば、受け入れる考えを示しました。このような中国側の動きは、アメリカとともにAIIBに参加していない日本に対し、参加を促す取り組みの一環とみられます。
■日経朝特急
①イギリス離脱・ドル不足に拍車
イギリスのEU離脱が決まり、世界の金融市場でドル不足に拍車がかかっている。先行きが不透明になり、世界中の金融機関が基軸通貨ドル確保に動いたためだ。日本ではマイナス金利政策の影響で、銀行などが積極的に外貨建て資産への投資を増やしているところにイギリスのEU離脱が重なり、特にドル不足が目立つのが、円とドルを一定期間交換する取引だ。「ベーシススワップ」と呼ばれ、為替変動リスクを避けられることで需要が急増している。急増が強いドルを調達するためには邦銀は上乗せ金利を求められる。代表的な期間3ヶ月の取引で邦銀が米国の銀行に支払う上乗せ金利は24日、一時0.8%に跳ね上がった。
②与党内「円高・株安対策を」
与党内に、円高・株安の長期化に備え対策を求める声が強まっている。円が急騰した場合、政府・日銀に円売り介入を求める意見が出ている。また、秋にまとめる経済対策について政府・与党は5兆~10兆円程度を軸に調整しているが、与党内では事業規模を10兆円以上にすべきだとの認識が広がりつつある。一方、野党は政策転換の要求を強めている。
■日刊モーサテジャーナル
ブレグジットについて、各紙の様々な角度からの分析を伝える
(フィナンシャルタイムズ)
ほぼ全ての面を使って、ブレグジットを取り上げた。「国民投票実施を決めたキャメロン首相は、EUからイギリスを奪った首相として永遠に記憶されるだろう」と強烈に批判している。
(週刊投資新聞バロンズ)
「また米国の銀行株が敗者になった。金融危機以降の規制や長引く低金利に加え、また銀行の収益を圧迫する事態が発生した。シティグループやJPモルガンチェースは15%以上ヨーロッパから収入を得ているほか、FRBが利上げをさらに遅らせることで、例えばJPモルガンの株は14.4%下落する可能性があるという。」
ちなみにバロンズによると、世界経済低迷への配慮から、利上げは年末どころか来年もないという見方や、FRBはむしろ景気刺激策をという声が市場から出ているそうだ。
(ニューヨークタイムズ)
「ブレグジットはイギリスだけでなく、米国とその同盟国が築き上げてきた戦後体制を崩壊させてしまう」という懸念を表明。「欧米諸国の連帯を保てるのか、その試金石になる」と報じている。記事は、長引く世界的な景気低迷が自由貿易などをうたう伝統的な経済学そのものに疑問を投げかけた、と指摘。EUだけでなく国連やIMF、世界銀行など戦後の世界経済の繁栄を支えてきた体制にひびが入った、と伝えている。ただ記事は、「大統領選で共和党のトランプに有利になる」との大統領選への影響には懐疑的な見方をしている。既存の政治体制への反感や反移民感情などEU離脱と共和党トランプ氏の台頭を思想の根本は同じと考える人もいるが、アメリカはイギリスより少数派の占める割合が多く、考え方も多様で事情は大きく異なる、と見ている。
(ウォールストリートジャーナルの社説)
「イギリスが独立を宣言」という見出しで、「ブレグジットで目を覚ます必要があるのはEUだ」と主張している。「規制や増税に加え、グリーンエネルギーへの固執は技術革新の妨げ以外、何ものでもなく、もしEUが他の加盟国に残留して欲しければ、イギリスに厳しく接するのではなく、競争と成長を取り戻すための方策を考えるべき。」と論じている。一方、イギリスについては課題は山積しているが、民主主義で勝ち取った独立で何ができるのか世界に示すべき時が来た」とエールを送っている。
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