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今増えている児童精神科について-
精神科疾患における治療の基本は、他の疾患と同様「早期発見・早期治療」である。
そこで、児童精神科でも同じように精神的な異常を「早期に発見して、早期に治療する」という動きが数年前から起きている。
問題は、子どもの“いわゆる”精神疾患様の症状に対して、大人の精神疾患と同様のイメージで治療しようとしているところにある。
子どもは、いじめや集団生活の中での辛さなど、その条件反射からトラウマを生じ、無意識(本人もわからない)のなかで色々な反応を示すようになる。
その反応もさまざまだが、
・いい子を演じる。
・暴力的になる。
・神経症のような症状がみられるようになる。
・幻覚や妄想が出現するようになる。
なかには、性格の変化もみられるようになったりすることもあり、それを親は、病気だ、おかしくなったと判断してしまう。
不登校や引きこもりの子どもたちに対しては、何とか学校に行かそうと、あぁだこうだと策を練る(これ自体が、あらたな条件反射を生み出すため家だけではなく、さらに部屋に閉じこもるようになる)。
そこで親は、よくなってもらおうと思い(当然の思いであるが)、カウンセリングや治療を求め精神科に頼るようになる。ひどい医師にかかれば、症状だけを見て薬物療法が始まり、初期の統合失調症だと診断を受ける場合もある。診断はともかくとしても、身心の状態が悪化した場合、生活背景を見ず、すぐに薬を処方するということ自体が問題となる。
薬は一時的に効くように感じることもあるが、原因を無視した治療は、長期的には絶対によくならず精神状態の悪化を招く。
そう考えると、統合失調症という診断を乱発しているような児童精神科を、やみくもに増やすことは妥当なことと言えるのかどうか。
私はこのブログで3年以上前からこのようなことを繰り返し問題提起しているが、
この度、出版された「ルポ 精神医療につながれる子どもたち 」は、それらの医療問題についてかなり詳しく書かれている。
フリーライターの嶋田和子氏が数年かけてリサーチして書き上げた本である。
不登校・引きこもり、子どもの精神科医療で悩まれている人は参考までに読まれてみてもいいと思う。
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