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最近、いろいろなところで向精神薬の多剤併用療法が良くないという考えは広がってきた。新聞や書籍などでも浸透してきたように思う。
しかし、処方を施す立場の医師は、
※「わかってはいるが、実際はそううまくいかない」
※「単剤ばかりを訴えている者は、実際はわかってない」
だいたい、こういう意見が大半を占めているのではないだろうか。
ちなみに先に多剤併用療法の私なりの定義について話をしておくと
・抗精神病薬に限って言えば単剤でなければならいが、気分安定薬や抗不安薬などの併用は単剤治療に含まれる。しかし、抗不安薬などの薬剤を数種類小出しに処方するケースは多剤併用療法の範疇である。抗精神病薬1種類に抗うつ薬を処方するケースも同様である。
と定義しておきたい。
そこで話を戻すが、結局単剤治療の考え方はある程度浸透しているのに、なぜ広まらないのかというところを考えてみたい。大きく分けてだいたい3つほどになると思う。
1、医師の勉強不足とセンスの悪さ
2、先日の記事にもあるようにパラダイムシフトが起こっており、プライドの高さが邪魔をしている。
そして、これが一番の問題だと思っているのだが
3、誤診がベースにある。
この3の問題は、まだまだ大衆に触れられていない。
誤診の問題は、精神疾患というところの特殊性から、なかなか証明することが困難である。
それと、それぞれの疾患の見解も曖昧であったりするという事実もあるため、さらにその証明を困難にしている。
しかし、他の疾患を統合失調症と誤診するケースは、比較的証明しやすいように思う。
当法人に相談に来たケースで統合失調症と誤診された解離性障害のケースなどはその典型だろう。
解離性障害は、幻聴や誰かが見ているなどというケースも少なくなく、なかにはそれを霊感があると表現する人もある。
このようなケースに対して、これまでの生活背景を聞かずに症状だけをみて、統合失調症としてしまうのである。
また、それより軽症の例でも誤診される。例えば、誰かが見ているという恐怖感があったりすると当然不安が増すわけで、そこから鬱状態も併発したりする。その、うつの状態のみを見て「うつ病」と誤診してしまうなどのケースだ。このような誤診は日常茶飯事だろう。
そこに、抗うつ薬を投与しても全体としてはなかなか改善せず、夜も眠れないとなるとベンゾジアゼピン系の睡眠薬が出され、それでも眠られないからとベゲタミンAやセロクエルが出たりする。そうこうしているうちに認知機能も落ちてきて、イライラや不眠もひどくなり、抗精神病薬(すでにセロクエルがそうであるが)の登場である。
こうなると、受診以前のほうが体調はましであったりするが、こんな軽い(実際は軽いとは言えないが)ケースですまないものもある。
要するに、患者のファーストエピソードを逃すと、治療そのものが間違ってしまうので、適切な処方もできるわけもなく、悪化する一方であるというケースが頻発しているのである。
もちろん、誤診であっても偶然にもその薬が効くケースもあるが、解離性障害などは薬物療法が主(少しは必要だが)ではないので長期間飲み続けることになる。
アスペルガー症候群や広汎性発達障害など、発達障害圏の誤診も多い。何かが聞こえたり、特殊な感覚的なことを話せば即統合失調症といわれるし、このような患者さんはSSRIや抗精神病薬に対して極めて副作用が出やすい。
見かけでは、まったく障害が見られないが実は、曖昧な表現がわからないとか、思ったことをすぐに口にしてしまうから、昔から人間関係を維持できずにいた。それがなぜだめなのか分からず、しかし、勉強はそこそこできた、ある一定の音を聞くとわけがわからなくなってしまう、親に部屋のものを動かされると混乱してしまう。このような高機能自閉症のケースに関しては、見かけ上全くの健康体にみえるので、うつ状態を併発して抗うつ薬を処方されるとactivation syndrome(アクチベーション シンドローム)を起こす。このSSRIなどにみられるactivation syndromeは、副作用とされているがその多くは、発達障害などの二次障害にみられるうつ状態に適応としてしまったがために起きた症状であるように感じてならない。
このように、現状では向精神薬の単剤療法は認知されつつあるにもかかわらず、処方そのものとしては浸透しないものの原因にこれらの要因が考えられ、今後どのように浸透していくのか見ものである。
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多剤併用療法は、そんなにいけないんですか?
あくまでも今わかっている作用からの考えですが、ごくごく簡単にお話ししておきますね。
SSRIなどのセロトニンの再取り込みを阻害して伝達しやすくする作用と、抗精神病薬にあるセロトニンとドパミンを遮断する作用を一緒に使うということは脳内で矛盾した作用が起こっていることになりますから、どの薬がどのように作用してどれくらい効いているかという評価がまったくできません。
しかし、セロトニンやドパミンの受容体はサブタイプがたくさんあり、受容体が1種類だけではないのでこの説明だけでも説明がつきませんが、簡単にお話ししてみました。
要するに薬は相加的に効くということではないということです。根拠なしに増やすことで予測できない症状が出てきたりして、薬剤性の精神病なのか本当の症状なのか分からなかったりします。
また、薬を減らしてしんどくなったり症状が出てきたりするのは、症状ではなく減薬のための症状のブレである可能性もあります。これには減薬のスピードが速すぎたりすることも考えられます。
また、おばみさんの場合 統合失調症であるという部分にも引っかかる点はありますが。
元々が幻聴、幻覚、不眠(睡眠障害?)です。 今はマイスリー5mg、リスパダール1mg、サイレース1mgを服用させられています。
今は幻覚はありませんが、幻聴が残っている状態です。一度無くなったのですが、幻聴だけ再発してしまいました。
朝昼晩は薬なしで寝る前だけの処方です。
でも、幻聴は消えず‥。医師は薬に対して何の説明もしなかったです。
サイレースは麻薬ですよね‥?
昔、7~8錠服用していた頃は体がだるくて動けませんでした。
薬漬けって恐いですよね‥。
精神科って無法地帯ですものね‥。
閉鎖病棟の看護師って最低な人もいますね。
貰うはずの薬、意地悪ではぶかれたこともあります。
あんな所には入院したくありませんね。
薬が全て!の医師、そのくせ、薬の副作用は何かのせいにしたり、「仕方ないねぇ」と言う。
おっかない所です。
精神科と医師や看護師は‥。
活動、お疲れ様です。
本当に、皆様の有意義なご活動、ありがとうございます。
私の2人の知人が統合を発病して、20年以上過ぎている方が、
2人とも、メリレル単剤で症状が治まり、作業所に通い、
10年以上地域で安定した生活を送っていました。
数年前、メリレルが発売停止になり、
2人とも変薬がうまく行かなかったのか、多剤になり、
入退院を繰り返すようになりました。
2人とも、ネットは使えず、薬の知識もなく医者任せの方たちです。
2人とも、時々私のところへ電話をくれるもので、なんとも気の毒です。
よくわかります。
しかし、今の医療制度の現状は医師にすがるしかないんですよね。
選択肢があまりにも少なすぎる。
ナースプラクティショナーの導入を医療保険制度の崩壊につながると危惧する声もありますが、それとは関係なく十分医療制度が崩壊しつつありますからね。
医療制度の崩壊の原因はほかにあります。医療費の問題等、兆単位で削減する方法はありますが、今のパターナリズム的風潮がそれを阻んでいます。国はそれをわかっていない。
おへんじおそくなりました^^
薬は麻薬ではありませんし、使い方によっては非常に助かるものです。しかし、患者の情報を十分に仕入れないうえに、表面上の症状だけで判断する、自分の処方を問題とせず、病状のせいにする。
こういう医療の現状ですと、受診しないほうがましだったというケースは増え続ける一方です。
わたしも発達障害を統合失調症と誤診されてたクチです。
>・抗精神病薬に限って言えば単剤でなければならいが、気分安定薬や抗不安薬などの併用は単剤治療に含まれる。しかし、抗不安薬などの薬剤を数種類小出しに処方するケースは多剤併用療法の範疇である。抗精神病薬1種類に抗うつ薬を処方するケースも同様である。
ここは本当に強調すべき! 太文字にして大文字にしてもいいぐらい。