特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

発達障害、統合失調症、アルコール依存症、ベンゾジアゼピン系薬剤の依存等々、精神科医療についての困りごとに対応いたします。

精神科に導入したい 院内ラジオ

2006年09月21日 | 看護論的経営論
 日本の病院で院内ラジオを導入している病院はあるのだろうか。特に精神科で導入された病院は無いと思う。
 ここでは突発的な提案の様だが、突然思いついたものではない。

こちら

の、元看護師の提案から、私が精神科に特化した院内ラジオ放送をしてはとの案で便乗したのである。

ラジオ放送を精神科で導入する事の目的は、
・制限の多い環境で患者の娯楽を増やす事につながる
・患者本人の投稿などでそれを取り上げ、メディアという位置から患者を刺激する

大まかには、この2点であるが、リスクもいかばかりか存在する。
①放送が誰にもどこでも聞こえてしまうという環境は、患者に悪影響を与える事が考えられるので、聴きたい患者だけ聞くことが出来る、病状により、聴いてはいけない患者には聞かせないように出来る設備が必要となる。となると、必然的に設備投資が要る。そこにはもちろん“コスト”が発生するのである。最終的には、ホスピタルマネジメントを統括する立場にある人間の判断に委ねられるのが痛いところだ。
②二つ目は、治療上の障壁となるということ。院内ラジオを取り入れることで、明らかに精神的に問題が生じるというのであれば、事前に対処すればよいのであるが、思わぬ患者がラジオを聴く事で精神状態が悪化してしまい、それに固執するようになってしまう。

他にも、誰がDJをするのか。DJのサラリーはどのようにするのか。等々の問題もあるが、これは①の問題と合わせて考えてくれればいい。そのへんは、各施設の柔軟性も求められるところだろう。

②の患者への悪影響の問題であるが、これは、院内ラジオを患者に提供するに当たって最善の注意を払わなければならないことはもちろんのこと、患者がラジオにより精神的に影響を受けてしまったという事にいち早く気付くような観察も必要となってくる。

逆に、メリットといえばなんだろうか。
①短期入院の患者にも閉塞感を少しでも緩和する手段となり、社会復帰の手がかりとすることが出来る。長期入院の患者にも新しい楽しみの幅を与える事が出来る。
②導入初期であるなら、病院の広告効果も抜群である

特に、①にある患者の反応を楽しみとしたいところであるが、②も捨てがたいメリットだ。

リスクにある“コスト問題”は入念に考えれば利益につなげる事が出来る要素は十分にあり、一方、“一部の患者の精神面に悪影響がでる可能性がある”といってラジオを導入しない意見もでるだろうが、それは導入しない理由にはならない。

一番怖い結果は、いくらかの費用をつぎ込んだが、ほとんどの患者が興味をもたなかったという結末である。

もし、精神科で院内ラジオ放送を導入するのであれば、設備投資段階から入念な話し合いが必要であるし、いざ、ラジオを開始するとなればその内容のユニークさを問うことがもっと必要となってくるだろう。


私のブログらしからぬ提案であるが、病院を改革する為の要素の一つであるとは思う。ただ、“ラジオの導入→結果の是非を問う” という短絡的な思考だけはしないでいただきたい。院内ラジオ放送を、成功させるも失敗させるも、導入した病院とその要員の頭の柔軟さが大きく左右するのだから。








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最後までご閲覧いただきありがとうございます。拙著本「精神科看護師、謀反」も看護の参考にしていただければ幸いです。
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