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精神科では、特に行動制限、つまり、身体拘束・隔離が他科ではクローズアップされない特殊な部分ではないだろうか。
いつか、記事であげた事があるが、少し振り返ってみる。
精神科での行動制限は精神保健指定医の指示を要する。だが、同じ患者が他科に行ったとして行動制限が必要になったとしても、精神保健指定医の指示がなくとも大きな問題とならない。
私は、このような矛盾を解消すべく精神保健福祉法の改正を求めてきた。
だが、これだけではなく、他にも新たな問題が生じたので対応を余儀なくされた。
それは、
※治療上の拘束に関しては、精神保健指定医の指示を要しない。
という旨の話である。
最初は耳を疑ったが、複数の医師からその話を聞き、私は愕然とした。
聞くところによると、
※短時間の点滴など、治療上必要な拘束であれば拘束の指示の必要がないが、長時間の点滴であれば拘束の指示を要する
とのことであった。最初は耳を疑ったが、詳しく聞くと精神保健指定医の講習でも公に話をされていたというのである。
精神保健福祉法が改正されていない現状、どのような拘束であれ、精神保健指定医の指示をもらう事を大前提として議論を進めていた私は、一つの動きをせざるをえなくなった。となると、そう・・・
公共機関に問い合わせたのである。
まずは、大阪府の
「地域保健福祉室 精神保健疾病対策課 精神保健グループ」
ここでの解答は、私が今まで聞いてきた話と同様、
厚労省の告示(この表現が正しかったか確かではないが)で、点滴などの短時間の拘束においては精神保健指定医の指示を要しない。ただし、長時間の拘束においては、この限りではないという旨の告示があったということで、その書面を電話ごしに読んでいただいた。そこで私は、
1、短時間という曖昧な概念についての問題
2、この曖昧な概念の中で、拘束中の嘔吐での窒息や、他の患者の暴行を受けるなど(極端な例として)して死亡した場合、拘束の施行者、または管理者は過失として捉えられるのか、また別に、精神保健指定医の指示をもらわず、拘束したとして意図的行為として罪に問われるのか、それを裁判で争われる事になるのか
この2点を主に質問した。
解答は、
「そうですねぇ・・・、なんともいえませんが・・・・」
とのこと。私は、
「法律の不備として捉える事も可能ですよね。立場上、お返事に困るのもわかります。ということは、お上(かみ)に質問するほうが的確ですよね」
と話した。
「あ、そうですね」
との解答をいただいたので、直接厚労省へ連絡をとるため再び受話器をとった。
厚労省は、その道の専門の人間が忙しさの割りに少ないのか、会議中であったり昼休み中であったりでなかなか連絡が取れず・・・。
3度目の電話くらいで、ようやく繋がったのであるが、
大阪府にかけた同様の質問に関して、
「あ、メールで回答させていただきます。」
との返事。
私は、NPO法人の代表として問い合わせ、法人して看護師へのアドバイスや施設への助言などのために明確にしたいのでと目的を伝え電話をきった。
その後、すでに数日が経過しており、日付は変わり土曜日。おそらく今日、明日は解答はないだろう。
どのような返答があるのかは楽しみではあるが、反面、厚労省が即答できなかったということを考えると、極めて曖昧な概念で、精神保健福祉法の下に位置する“告示”という方法をとり、精神科業界を混乱させ、患者の人権を侵し続けていたという罪は無いとはいえない。
改めて言う必要もないかもしれないが、短時間での拘束という曖昧な概念を公の役人が書面として発表した事で、その概念をかなり広義の意味で捉え、それが更に曖昧となり、治療上の身体拘束は可能であるなどとの解釈をしている施設も無くは無いだろう。その感覚が、悪循環を呼び
“短時間の行動制限なら問題ないだろう”
などと、いう感覚を惹き起こし、さらにその短時間という概念が果てしなく延長してしまい、患者が被害を受けている現場も全くないとは言い切れないのではないだろうか。
文面ははっきり記憶していないが、そもそも、「点滴など」という表現や、「短時間の」という表現は、極めて曖昧な概念であり、
「点滴など」とはなにか。
「短時間」とはどの程度までをさすのか。
などが、受け手によって解釈が違うのが自然であろう。
そこで、患者に被害が及んだとき、裁判で争われるのは必至である。
色々問題を提起したいところではあるが、まずは厚労省の解答を待つ必要があろう。
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他科で身体拘束をする際は、精神保健福祉法には記載されておらず、おっしゃるような3点の条件も、せいぜい厚労省の告示レベルにすぎないのではないでしょうか。精神科病院に関して記載されており、他科では適応されないなどというこれほど矛盾した法律はありません。精神科疾患に罹患した患者であっても、普通に他科に行くこともあるのに、同じ患者であっても場所が変われば法律の適応が違うというのもおかしな話です。
広義の拘束に関しての議論ですが、これは、狭義の身体拘束の問題とは別に議論しなくてはならないでしょうね。広義の拘束に関しては、精神的拘束・薬剤などによる科学的拘束など多岐にわたるので今後の議論が期待されます。
厚労省の問い合わせに関しては、NPOとして問い合わせたので、比較的まともに対応してくれました。また変化があれば掲載しますね。
必要な処置が出来ないから、処置の間、拘束させてもらいますってのがまかり通って良いって言う風に解釈出来る内容ですね。
精神科でも、不穏状態にある患者に非経口的投薬を行う際に、表現は正しくないかもしれませんが、看護者に押さえつけられる。こういった場面も少なくないのが現状かと。
これも患者からしてみれば、行動の制限であると思いますが、法では触れていませんしね。
現職で法に疑問があり、質問を投げかけた時のお上の対応が非常に気になるところです。
進展があったら、是非綴ってくださいな。
書類、もらい次第あっち方面の動きはぼちぼち始めようと思ってるからよろしくやで。そのハートマークなかなかきもいな
精神科での拘束だけが厳しく取り扱われることを面倒だと考える人もいるけど、人権に関わることは医療や社会全体で厳しく取り扱うべきであると考える。
さすが、法人代表!
厚労省に直接乗り込むところが頼もしい。
ついつい、そこまでしなくてもいいかって思いがちだけど、正義を貫く姿がもっさんらしいな。
これからも期待してまっせぇ~。
あっ、あの頼まれてる書類の作成、もうちょい待っといて
>うら凛さん
こんにちは^^
身体拘束においては、精神保健指定医の指示と一定の書式に記入し、書類を残した後(拘束される本人にも告知のこと)、1日のうち医師の診察を「頻回に」しなければならないと定められています。しかし、この、「頻回」というのも面白い概念で、1日に2回以上であれば、「頻回」と解釈できなくもありません。ですから、精神科病院のほとんどは、特に問題の無い患者は、2回の診察で(実際は、診察というよりもカルテに2回記入する)終わらせている施設がほとんどだと思います。
また、隔離においては、1日に1回(以上)の診察を行わなければならないと決められています。しかし、他科においては、その辺は厳しく締め付けられないのが現状ですので、妥協策としてうら凛さんの勤務していた精神科医の御意見は間違っていないと思います。看護記録は、治療の患者情報とするだけではなく、訴訟問題になったときには参考になるものですから、書いて損はないと思います。
精神保健指定医は、精神科だけでも数が多いとはいえないのに、外科などにかならず配置するとなると、絶対数に限界が生じます。ですから、精神保健福祉法を改正して、ある程度柔軟に対応できるようにすべきだとの考えが私の考えです。現在、精神保健指定医は、指示をもらうだけのために引っ張りだこになっているといっても過言ではなく、そういう型式だけの指定医を作るよりも、該当する患者への拘束の有無と是非を検討できる医師を育成する事が重要だと考えます。
当時の大学病院でも、そのようにしっかりと意識を持っておられる医師や看護師がおられたというのは、嬉しい限りです。
耳鼻科眼科婦人科の混合病棟でしたから、手術目的で入られるわけです。
その場合、様々なチューブが入ったり抗がん剤などを使うこともあり、時折抑制をせざるを得ない状況がありました。
その場合、毎日精神科医師の診察を受けカンファレンスを開きその記録を残す・・と言うことと、1時間毎の観察記録と実施解除の記録を残すように精神科看護師から言われました。
そうかあ、やはりそういうものだよね。。。と、スタッフを改めて身体拘束について考える場になったことがあります。
その時にそういう風に定められているものだと思っていたのですが、
そうでもないわけですね。。
吃驚しました。
でも、その時こうしましょうと一緒に考えてくれた精神科の医師や看護師には感謝ですわ。
そこでは、そういう風に慎重ににやってきたのですものね。
うら凛