決済期間の短縮と株券の電子化
2019年7月、株式等の決済期間が3営業日に短縮された。2009年から株券が電子化されているのでもっと短くできそうだが、日数は欧米での短縮化と合わせているようだし、いろいろ課題を検討してのことのようだ。
株式等の決済期間短縮化(T+2)について
保護預かり制度と株券の引き出し
昔は実際に株券の受け渡しもできたので、株券を運ぶための時間が必要だった。しかし、受け渡しに出向くのは面倒だし、保護預りが普通だっただろう。そのため、実際に株券を目にしたことのある人は少なかったかもしれない。保護預りは、無料が普通になっていたが、私が株式投資を始めた頃は有料だった。
最初は保護預りにしなかったので株券の実物を受け取ったことがある。伝票を株券にホッチキス留めしたりするので、株券が穴だらけだったので驚いた。証書としてもっと大切に扱われるのだと思っていた。名義書換は自動的になされず、請求が必要だった。もう記憶は定かではないが、別に手数料を取られていたと思う。名義書換をすると裏に名前が書かれるようになっていた。裏面を見ると歴代の所有者が分かった。今だと、個人情報の流出になるのかな。
保護預かりしていても普段は、請求すれば4営業日で引き出せた。
山一證券の自主廃業で引き出せず
バブル崩壊後、1997年の金融危機の際、当時メインで利用していた山一證券が突然、自主廃業を発表した。その際、最初に問い合わせた時は引き出しは普段よりも少し長くかかるかもというような言い方だったが、結局、何か月もかかった。最終的には、引き出しではなく、別な証券会社の口座に移管した。山一の口座には、最近は日本で発行されなくなったワラント債のワラント部分(一定期間内なら一定の価格で株式を購入できる権利)も幾つか持っていたが、その間の時間的価値の低下を余儀なくされた。
山一證券の株券も紙くずに
当時、山一證券の株も持っていた。"飛ばし"(注)の問題は知っていた。しかし、山一證券は、かつての最大手で法人に強く、その当時でもまだ四大証券の一角だった。まさか大蔵省やメインバンクの富士銀行に見捨てられ、自主廃業に追い込まれるとまでは思ってなかった。そのため、下げてきた時に買い増しをしてしまった。結局、株券は紙くずになり、100万円ほど損をした。投資による損失としては、それまでで最大の損失となった。
リスクが高くなっている投資対象に対して投資額を増やすという悪い見本のような投資だった。このような教訓を得ていたにもかかわらず、ビジネスモデルが崩れて下げ続ける株を難平買してしまったり(高配当株、連続増配株への投資)、為替変動が大きくなり、評価損が膨らんでいるのにポジションを追加してしまった(リーマンショックでFXで巨額損失)。たまにうまくいく時があるのでやってしまうのだが、ギャンブルと一緒の心理状態なので、自戒せねばならないと思っている。
(注)"飛ばし"とは、含み損が生じた資産を時価よりも高値で第三者に転売して損失を隠すこと。なぜ高値で転売したかというと優良顧客への損失補填のためであった。転売した資産は、より高値で買い戻す約束をするため、損失(簿外債務)が膨らんでいくことになる。
おまけ 2月15日のブログ(退職したらジョギング。効果抜群)に掲載した、いつものジョギングコースで見かけた河津桜。その時は一分咲きを超えたぐらいだったが、概ね満開になっていた。