かんぽ生命の不適切販売
かんぽ生命で営業成績のために保険料の二重徴収や無保険状態にしたとかのひどい不適切販売が問題になった。下手にノルマを課し、獲得契約に応じた歩合の割合を増やし、コンプライアンスを徹底しなければ、こうなるのは当たり前だ。
おかげで日本郵政株の評価損が増えてしまった。株主総会の招集通知を見て懸念した通り、老人会のような取締役会はやはり機能していなかったようだ。
昨日、日本郵政、かんぽ生命、日本郵便の3社長辞任のニュースが流れたが、抜本的に役員を入れ替えないとダメではないか。元々いつ辞めてもいいような上がりの人たちが辞めたぐらいではどうしようもないだろう。
セールスレディは個人事業主
民間生保はノルマや歩合があっても、長年そうやってきた歴史があるので、かんぽ生命ほどはひどくない。しかし、基本的なところは似たようなものだ。
かんぽ生命のセールスは職員が基本のようだが、民間生保のセールスレディのほとんどは保険会社と契約している個人事業主だ。そのため、セールスレディは、生保との契約を維持するための保険契約ノルマと、獲得した保険契約に応じてもらえて収入の元となる歩合のことで頭が一杯になる。
この基本的な仕組みによって、セールスレディは顧客のことよりも契約獲得を優先するようになりがちだ。長年やればやるほど、悪意がなくても無意識のうちにそう行動してしまう。それが仕事だと言えばそれまでだけど。
契約を獲得すると2年間かけて歩合が支払われるので、途中解約されると困る。2年過ぎても解約されるとその分はノルマから引かれたりするらしい。
入れ替わりが激しいのも想定内
セールスレディは、かなり入れ替わりが激しいと言われている。研修後、固定給の割合が高い間に、自分自身が余計に入ったり、自分の身内やツテをたどって何人かに入ってもらうことはできる。しかし、その後が急に難しくなって続かない。保険会社側も元々そういう想定で新人を募集しているから、それで辻褄が合うらしい。
顧客に配る粗品とかも自費だし、セールスレディは結構大変な仕事だと思う。
【2021.3.3追記】
東洋経済で『問われる保険営業』の記事の連載が続いている。コンタクトレベルでもポイント(ノルマ)があるため、生保側の担当者が変わったりすると、ご挨拶とか保険の確認に来たいとコンタクトがある。しかし、私は必要な知識はあるし、無駄なセールスの相手をしたくないから、必要ないと断っている。
この連載の1回目(2021.1.28)は、再燃するハローワーク前の「採用活動」という記事だった。その記事をツイートした際、ブログ記事で書いた内容と一緒だが、下記のコメントを付けた。
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生保が営業職員を積極採用するのは、続かない人が多いという前提の上で、最低でも本人や身内、身近なツテで初期に一定数の契約件数を確保してもらえばいいと考えているからだ。だから求職中の人を採用してもほぼ意味はないが、採用数ノルマがあったりするので止まらない。
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