プチ早期退職者の資産運用+αブログ

個別銘柄:三菱地所(約37年ぶりに買い戻し、いきなり恩株)

 少し前になるが5月末に三菱地所を200株買った。昔、この銘柄に投資した際の利益で取得費を十二分に賄える計算になるので、いきなり恩株になった。


バブル期の売買と当時の三菱地所

 三菱地所は「丸の内の大家さん」とも呼ばれ、日本のバブル期を代表する銘柄の一つだった。私は1985年から1986年にかけて1単元(当時は1,000株)だけ投資し、100万円を優に超える売却益を得ていた。私の売却後も1987年の高値に向けて大きく上げたので儲け損ねた面もあるが、1単元の売買での利益としては今に至っても私の過去最高記録だ。

 三菱地所も当時はバブリーな経営を行い、1989年にロックフェラーセンターを所有するロックフェラーグループ(RGI)の株式の51%を高値で取得し、ジャパン・バッシングの火に油を注いだ。そのあげく、RGIは後の不動産不況で莫大な赤字を出して1995年にチャプター11を申請し、取得したビルの大半を安値で売却した。当時を代表する巨大買収の失敗事例の一つだった。

 株価の方はバブル崩壊後の1992年には高値の約5分の1まで下げた。値幅的には再投資してもよい十分な下落率だったが、私はこのような愚かしい経営をする会社には再投資を考える気にもならず、長らく忘れた銘柄になっていた。 


その後の値動きと買い戻し

 その後、戻したり下げたりして2007年にはバブル期の高値を更新して4,070円に到達したが、リーマンショック後の2009年には863円を付けた。以下はアベノミクス相場以降の月足チャートだが、値幅的にはリーマンショック前後の範囲に収まっている。

 三菱地所の月足チャート

 出所:株探(https://kabutan.jp/stock/chart?code=8802)

 株価はコロナショック時の下ヒゲを除けば、1,500円台が底値圏となっている。一方、コロナ禍以降はリモートワークが普及し、オフィス需要は減少している。この状況で2023年にオフィスビルが大量供給されることから、2023年問題と言われ、株価の上値も抑えられてきた。

 最近の株価だとPBRは約1倍、予想PERは約13倍、配当利回りは2%台前半で指標的な割安感は特にない。株価は底堅くても上値を見込めず割安でもないので、投資したい銘柄だとは言いにくい。成長性もあまりないと思うが、丸の内は休日でも出かけられる場所になったりしていて、事業の多様性は出てきている。

 また、不動産の含み益を考えれば実質PBRは0.4倍台である。例えば、以下の記事に実質PBRの説明を含めて情報がある。
 

 最近は日本でもインフレが進み始めたので、今後、都心部等の不動産の価値(含み益)が注目されてくるかもしれない。円安も進んで、都心部の地価は外国人から見れば相対的に割安になっている。それで三菱地所が再注目される可能性もある。

 HSBCニューフロンティア株式オープンを解約した資金で何を買おうかと検討した際、私が好んで買っていた割安銘柄の大半は既に上げていたし、グロース系銘柄も戻し始めていた。それで現在投資してない銘柄として、上記理由で買ってみることにした。

 1,600円以下で拾いたいと思ったが、まずは5月26日に1,608円で200株買った。一段下げたら、また200株買うつもりだったが、その後は1595.5円までしか下げず、今のところ買い増しそびれている。

 なお、これまでの説明で分かる通り、すぐに上がるとは期待しておらず、中長期で買われるような状況になる可能性があるという程度の期待に過ぎない。資金効率は考えない逆張りの長期投資で、しかも恩株スタートになるから買ってもいいかと考えただけだ。


 比較的最近買った銘柄の紹介記事で、皆様の参考になれば幸いですが、銘柄選定、購入はあくまでもご自身の判断でお願いします。


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