人間賛歌・もっちゃん4649

大自然相手の人間

2004年10月22日の記録です。

台風23号は超大型という天気予報でしたが、ものの見事に珍しく当たっていると昨日は思っていました。

どのテレビ番組も全国各地の大きな被災の模様を詳しく丁寧にまとめて報道しています。

家の中に居ながらにして命をなくされた方の多いことも大きなショックでした。
6階建てのビルのような高潮で防波堤が崩れ、家の中で溺れ死ぬとは・・・
あまりの猛威に呆然としてしまいました。

台風の直撃を実家にいて最近体験したのは4年前の夏と今回の2回だけ。

新築で施錠や雨戸が完備している安心感と昼間の襲来だったために、真っ暗な家の中でも比較的穏やかな気持ちで台風の通過を願いながら待っていました。
時折、雨戸を少しだけ開けてレースのカーテンのように横に流れ降る雨を見たり、木の葉を巻き上げ叩きつけるような激しい横殴りの雨を眺めたりもしていました。

荒れ狂う台風にはじっと我慢して耐えるしかない!
その後粘り強くまた生活を取り戻すのだ~

私の故郷は阿蘇水系と久住水系の合流地点なので、いつも毎年洪水に見舞われていました。
ぐんぐん水位が増してくるのを怖いもの見たさに川までわざわざ見に行っていたほどでした。

走れメロスの濁流を泳ぎきる場面を読んだとき、まざまざと思い描いたのは40年に一度大水が出ると言い伝えられている、小学校4年での体験でした。

堤防の決壊で見渡す限りの海原となり、阿蘇からの杉の大木が押し流されてものすごい勢いで橋をなぎ倒し、線路を寸断し荒れ狂うのでした。
まさに生き地獄の様相です。

その後、38年目の平成2年に故郷は集中豪雨の大水害に襲われました。
7月2日のことでした。

夏休みに帰ってみた時に、賽の河原かと思うようなあたり一面の水田の眺めでした。
阿蘇の溶岩の巨石がごろごろと見渡す限り田んぼ一面に転がっていて・・・
それに覆いかぶさるように大木が折り重なり、真夏の太陽に白く皮を剥ぎ取られて鈍く光っていました。

その時の復興が15年計画で地形を変える大掛かりな叡智を集めた工事として始まったのです。
耕作面積に応じての分担金が毎年10万円ほど母にもかかってきます。
地元が分担金を出さないと、行政は動かないそうです。

2反半の水田もやっと耕作できるように整地されて、後は登記費用が徴収されて完了となります。
長い長い自然との闘いなのでした。

住めば都なのか、故郷を離れる人は居ませんでした。
みんな粘り強く復興に励むのでした。

奈良に嫁いだ何年間かは台風を受け止める気持ちにいつも不快なものを感じていました。
それは今もそう!

台風の進路はどこに向かって~?
逸れてほしいわねえ~
良かった、九州で・・・

自分だけが良かったらいいの?
この人は・・・
直撃を受けている人の気持ちがわからないんだから!!

今もあまりテレビは見ません。
いや、見ることができないのです。
そこには自分がいますから・・・・

難を受けるのは私でなくって良かった~とどこかで喜ぶ心が見えるのです。
だから、各地の実況は見たくない!
通り過ぎるのをじっと耐えて待つのみ。

昨日もそんな環境で育った自分を含めての村の子供のことを思っていました。
今は9軒の小さな集落だが、父母が先陣を切って貧しい暮らしの中から子供の進学を許してくれました。
当時は中卒でほとんどの友が金の卵ともてはやされて関西に就職列車で行く時代だったのです。

村から大学に初めて行ったのは長女の私でした。
それに続いてみんな目覚め、狭い小さな村なのに国立大に進学していきました。
9軒のうち7軒までが九大や広大クラスの大学卒なのです。

打たれ強い強かな性格と我慢強さは環境が育ててくれたんだと、優秀な人材を輩出していることに思い至って納得しています。

生きる力の原点は学習塾が教えるのではないのです。
大自然相手の人間の営みが師なのだと~

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コメント一覧

もっちゃんです
おめでとうございます!
tuyosiさん、おめでとうございます!!

もう、お決まりなんですね~
三人ともに大学に進学させるのは大変なご苦労だと思います~

私も3人の親でしたからね~
50歳ころが一番しんどさのピークでしたよ~

親の務めはここまで~と言うのが九州でした~
大和は孫の宮参りからお節句・入学などと里の親は大変なんですよ~

tuyosiさんの地域はいかが~?

生活の簡素化運動が大切ですよねえ~
見栄や世間体や家の格式などに縛られると、人の値打ちが見えなくなります~

人を見下げる意識はお断りですよね~

tuyosi
あらためて
あらためてもっちゃんの秀才ぶりにびっくりしています

村で初めて大学に進学したもっちゃん
その後に続いた後輩の人達もたいしたものです
大学に送り出した親御さん達にエールを送りたい気持ちです

親の気持ちは親にならなければ分からないと言いますが
今、そんな親の気持ちをかみ締めて
末の息子が大学に進学します
どうしても甘くなってしまう自分を見て、上の子達は不満を言ってきます。
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