![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/23/59f75581722a110c09d2a0cd522c0031.jpg)
(写真は、「内宮」の玄関口の五十鈴川に架かる「宇治橋」)
前回の「伊勢神宮めぐり(4/19~21)」バス
旅行の続きです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cars_train.gif)
1日目は鳥羽のホテル戸田屋に宿泊し、2日目の
早朝、人が少ない時間帯に「伊勢神宮の内宮」に
参拝します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ny_hatsuhinode.gif)
![]() | 東海道中膝栗毛 (21世紀版・少年少女古典文学館 第20巻) |
村松 友視 | |
講談社 |
「東海道中膝栗毛」の弥次さん喜多さんは、東海道
の四日市宿の外れの「日永(ひなが)の追分」で、
東海道と別れて、伊勢街道で伊勢神宮を目指し
ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ny_kimono_m.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ny_kimono_m.gif)
伊勢街道を進んだ弥次さん喜多さんは、伊勢神宮
に着いて、妙見町の旅籠に泊まります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/moon.gif)
翌朝、2人は、早朝に「内宮(ないくう)」に
参詣しようと、朝食もそこそこに宿を出ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ny_hatsuhinode.gif)
内宮の域内を流れる「五十鈴川(いすずがわ)」
にやって来ると、「宇治橋」の下で網を持つ男
がいて、橋の上から参詣者が川へ投げ込む銭を
上手に受け止めています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_7.gif)
弥次さん喜多さんは、五十鈴川にさい銭を
投げ込みますが、何度投げ込んでも、この男の
網に入ってしまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/panda_2.gif)
頭に血が上り、何回も投げ込んで、すっかり
散財してしまった2人は、お参りの前に
落ち込んでしまいます・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hamster_6.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/b9/4aa045fe0b429cd08d48f8e4aa5db27a.jpg)
(五十鈴川の御手洗場)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/65/1381ddbd4e3fc2ce43836f925c56ede0.jpg)
(宇治橋)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/f3/e3e8c87c3d0b6fb92524a6b518867490.jpg)
弥次さん喜多さんは、橋を渡り、いよいよ
「内宮」の神域に入ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ny_kimono_m.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ny_kimono_m.gif)
一の鳥居、四の足の御門、さるがしらの御門と
続く御門をくぐって、弥次さん喜多さんも、
他の参拝者と同じ様に神妙な顔つきで、
我が国の皇祖神とされる太陽の女神である
「天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀る
神殿」の前の玉砂利にぬかずきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0200.gif)
更に、豊の宮、古殿宮、風の宮などを参拝
しながら、さすがの弥次さん喜多さんも身が
引き締まって、シャレなども出ません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_5.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/ae/acc9eba956d8a3aa47664d547a096ae5.jpg)
上の写真は、玉砂利の参道沿いの庭園「神苑
(しんえん)」ですが、ちょうどこの位置で、
横綱の奉納土俵入りが行われるそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/07/cd08da211bb6ce42053cc7485e6c6c00.jpg)
(五十鈴川を守る水の神様「瀧祭神(たき
まつりのかみ)」)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e5/8722eda382ce10997b61c407972c6301.jpg)
(高床式の倉の中に神宮新田で収穫した稲を
保管する「御稲御倉(みしねのみくら)」)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/cf/3cfd1588c6491bf215bcc4ef76af929a.jpg)
(「正宮(しょうぐう)」:内宮の中で最も
格式が高く、天照大御神が鎮座する。
ご神体は3種の神器のひとつ”八咫
(やた)の鏡”。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/c6/2bd267d101bc5d6b9514bd9e804ce358.jpg)
(正宮に次いで格式の高い第一別宮の「荒祭宮
(あらまつりのみや):”荒御魂”が祀られて
おり個人的な祈願が出来る。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/b2/8381ed6a9aa872ca147b8f100f5397a0.jpg)
(元寇で神風を起こして日本を救ったという
風雨の神様の「風日祈宮(かざひのみの
みや)」)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/4c/e2d6c863f623c582ba74918ae4de5956.jpg)
(皇室から奉納された神馬がいる「御厩
(みうまや)」)
1日目に、外宮とその別宮(べつぐう)3社を、
2日目に、内宮とその別宮(べつぐう)2社を
参拝しましたが、どれも同じ様な造りの神社で、
飽きてきました・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0142.gif)
何社も参詣したおかげで、手水の順番と、参拝の
仕方は、すっかり慣れて、自然体で出来る様に
なっていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0199.gif)
お伊勢参りで、忘れてはならないのは、江戸時代
の「お蔭参り」と呼ばれる”お伊勢参りブーム”
です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/s2_sum_uchiwa.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/s2_sum_sandal.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/s2_sum_yukata_b.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/s2_sum_yukata_r.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/9c/277210de13f013b958fb2942cc2876f1.jpg)
(お伊勢参りの浮世絵:雑誌るるぶから)
※「お蔭参り」の様子を作成した以下の”紙人形”
は、私が宿泊したホテル戸田屋に展示されていた
ものです。※
お蔭参りは、特に1830年には約430万人と、
日本人の全人口の2割弱が参加したというから
驚きです!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_5.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/16/b064ded2925f7738cdf0d02726811072.jpg)
伊勢神宮への参拝のために、数百万人が、東海道
や中山道を行き交って、宿場の茶屋、旅籠が
大賑わいだったそうです。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0089.gif)
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女・子供からお年寄りまで、大勢が押し寄せた
お蔭参りのその異常な賑わいぶりは、現代の
我々には想像がつきません。
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仕事から抜け出して参加する者や、家人に内密に
抜け出す者が多く、このため「お蔭参り」は
「抜け参り」とも呼ばれました。
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たとえ親や主人に無断でこっそり旅に出ても、
伊勢神宮に参詣してきた証拠の品物(お守りや
お札など)を持ち帰れば、お咎めは受けない
ことになっていたそうです。
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そして、伊勢神宮参詣の名目で通行手形さえ発行
してもらえば、実質的にはどの道を通ってどこへ
旅をしてもあまり問題はなく、参詣をすませた後
には、京や大坂などの見物を楽しむ者が多かった
らしいです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0199.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/02/405510e67c6ecc54b0f75277e0bff8ba.jpg)
お蔭参りの参宮者は、頭に笠、手に「柄杓
(ひしゃく)」という装束が一般化しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_3.gif)
十分な旅行費用を用意しなくても、道筋の家々が、
参宮者が手に持った「柄杓」に食物を入れて
あげる”施行(せぎょう)”が行われ、また、
宿泊の場所も提供してくれました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0151.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_happy_s.gif)
また、彼らの多くは、集団で旅し、幟(のぼり)
や万灯を押し立て、「おかげでさ、するりとな、
ぬけたとさ」と歌い踊り歩きました。
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病気などにより伊勢に行けない人が、代わりに
お参り行って貰うのを「代参」と言いましたが、
何と!、”犬に代参”させることも流行り
ました。
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当時は、伊勢参りを「おかげ参り」と言いました
ので、代参犬は「おかげ犬」と呼ばれました。
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実際には、近所で伊勢参りに行く人に、自分の犬
を連れて行って貰ったりしたそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_5.gif)
「おかげ犬」には、目印として、注連縄(しめ
なわ)や御幣(ごへい:お祓いに使う紙垂を竹に
挟んだもの)が付けられたそうです。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/81/08af1f7cce8245e709c5b5d3d24879b2.jpg)
(伊勢土産の「おかげ犬」のタオル)