夜噺会 第134回 「歴史ロマン 青葉の笛」 栄枯盛衰
人の世は栄枯盛衰である。栄えた覇者は滅ぶのである
権力の上に胡座をかき、権限で命令を下し、下士の苦労で
奢ってばかりではやがて魔が差し、有頂天に舞い上がって
権力の毒に滅ぼされるものである。
権力の座にある者こそ、物事の真贋の姿をはっきりと見極め、
放漫にならぬ心の働きを養わねばならぬのである。
少しでも立派な仕事を実現したいと思うなら、それに相応しい
地位を権力を求めるのは当然であるが、その地位と権力は、人間
が人間を支配する威力を持ち、その側面に魔が差す隙間があり人間
を麻痺させ墜落させる毒が含まれているのである。
この毒は塩水のように、飲めば飲むほど渇きを覚えるものである。
青葉の笛より