2024年8月18日(日)、放送分。
興味ある人は、
NHKの聞き逃し配信から聞いてください。
メモは多めです。
7.不安について
・不安は独特の落ち着かない感じである。
動機や過呼吸などを伴う。
・精神疾患とも関わりが深い。
主訴として最も多いかもしれない。
・統合失調症の場合、
妄想気分という深刻な不安感があることがある。
・うつ病は不安に関わる。
・双極性障害の躁状態は当然あるべき不安がない。
・不安は不快な感情だが、
大事な感情である。
・身体における痛みと同様である。
・不安と痛みは、
心と体の警告信号と言える。
・ザリガニでの実験。
ザリガニを入れた水槽を、
かき回すなどして驚かし、
そのザリガニを水槽から出す。
その後、別のザリガニを入れると、
自分が驚かされたかのような挙動を示す。
先のザリガニから、
なんらかの物質が放出されていたと考えられる。
・↑不安や恐怖が個体から個体に伝染すると言うこと。
・一つの個体が危険にさらされたとき、
周囲に危険を知らせることが出来る。
・人間の不安も伝染する。
不安という感情は伝染する性質がある。
・エンパシー:共感、相手の気持ちになり追体験しながらも、
自分との区別を見うしなわない。
シンパシー:同情、他人が悲しんでいると悲しくなるような感情。
・不安の伝染はシンパシーである。
・感情は伝わりやすい性質がある。
なので、他人の感情に簡単に、
同調されないよう学ぶことになる。
・講師が東日本震災の時の帰宅時、
電車が止まったので、
歩いて帰宅したのだが、
環状7号線では、
大勢の人が緊張した感じで歩いていて、
不安に巻き込まれそうで、
耐えられなかった。
不安と緊張が伝播、増幅し、
集団全体をきびく圧迫していたと思う。
・↑その時、講師の記憶では、
環状7号線の車道は空いていたというものだったが、
編集の人が調べてみたら、
大渋滞していたことが分かった。
記憶が全体の印象で書き換えられると言うことを、
身を持って知った。
"記憶はあてにならないということかな。"
"私自身、記憶の間違いは、よく体験しています。
子どものころも、初老に近い最近でも。"
"20-30年前に米国で、
子供が幼いころの性的虐待で、
親を訴えるということが、
いくつもあったと記憶しているが、
この場合は後で知った他人の事件により、
過去に架空の記憶が、
作られてしまったということなのだろうか?。"
・不安という警告信号が不要になったら、
安心の信号を送るというようなことも、
皆で工夫してゆきたい。
・不安が強すぎたり、長引きすぎたりしたら、
治療の対象になる。
薬物、心理療法が必要となる。
・DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)に、
全般性不安障害というものがある。
毎日の生活の中で、
漠然とした不安を持ち続け、
尽きることのない不安と心配が、
精神や身体症状を生み、
不安の悪循環をもたらすもの。
・杞憂、杞の国のある人が、
天が落ち地が崩れるのではと不安になり、
食事も睡眠もとれなくなったという故事。
・抗不安薬、抗うつ薬、
認知行動療法、生活環境の調整が治療方法。
・↑治療により症状が改善し、
ゴールが見えてきたときにありがちなのが、
不安が全くない状態が正常だと考えて、
日常の小さな不安を過敏に受け取り、
まだ病気が治っていないと考えてしまう。
・↑感じるべき不安を、
適切な強さで感じることを、
ゴールとすべき。
・不安のない生活は無いので、
不安と適切に付き合うことが重要。
・強迫性障害にとって、
不安は隠れたテーマである。
・精神疾患では不安が、
隠れたテーマであることがある。
・子供の分離不安について。
・適応障害について。
なんらかのストレス因があり、
その結果、精神不調が生じていること。
ただし、うつ病や不安障害など、
他の精神疾患の診断基準を満たすときは、
それを優先させる。
なので、外来の初診の診断で、
一番多いのが適応障害である。
・適応障害の増加は、
生活環境の変化により、
コミュニティを失ったことによるものであると思われる。
・新しいコミュニティを作り出すことが求められている。