2024年7月28日(日)、放送分。
興味ある人は、
NHKの聞き逃し配信から聞いてください。
省いたんだけど、
やっぱり、文字おこしですね。
NHKさん、
スルーしてくいださい。
4.「こころの病」のメカニズム
・かつての日本では圧倒的に遺伝説が優勢だったと思う。
・2000年、大学の教員をしていた時、
学生に精神疾患の原因として重要なものを一つ挙げてみよと、
アンケートを取ったところ、
遺伝とか血筋と言う回答は、ほとんどなかった。
ストレス、トラウマを挙げていた。
・一般の人の考える精神疾患の原因は、
ここ数十年間で、
遺伝、血統説からストレス、トラウマ説に、
変わっている。
・ハンチントン病は、
遺伝の病気である。
・PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、
後天的経験のみで発病する。
しかし、同じ体験をした人が、
全員PTSDを発症するわけではない。
・大多数の精神疾患は、
遺伝と体験の両方の影響でなる。
・統合失調症も両方の影響がだいたい半々。
・統合失調症の発症原因は、
良く分かっていない。
病気のメカニズムが分かっていない状況で、
最初の治療薬は偶然発見された。
・↑クロルフロマジンは麻酔薬候補だったが、
そっち方面ではダメで、
精神疾患に効くと思った人が、
試してみたら効果が出たという。
・↑効く薬が脳内で、
どのように働くのかを調べることによって、
統合失調症のメカニズムに迫った。
・↑その結果、
抗精神病薬は、
ドーパミン(神経伝達物質)の働きを、
抑える作用を持っていることが分かった。
神経伝達物質は、
脳内に100種類ほどあると言われている。
・↑ドーパミンが受容体に結合するのを、
妨げる薬が有用であると分かった。
・↑脳内のドーパミンの働きが過剰になるため、
統合失調症が起きると考えられる。
・↑ドーパミン仮説。
統合失調症の一部を説明することが出来るとして、
広く受け入れられている。
・↑なぜドーパミンの過剰活動が起こるのかは、
ほとんど分かっていない。
・多くの精神疾患が、
メカニズムは分かっていない。
・メカニズムが分かっていないのに、
なぜ遺伝か環境かを言えるのか?。
・↑たとえば、
一卵性双生児と二卵性双生児の状況を観察し、
遺伝の寄与を算出する方法がある。
・↑その結果、
統合失調症では、
いくらか遺伝的な要因が大きいという、
推測ができる。
・精神疾患は、
特殊な病気ではないと言えるだろう。
しかし、生活習慣病を促進させる要因は分かっていて、
それを避ければ発病の可能性を低くすることが出来る。
・↑精神疾患は、
生活のなかで何に気を付ければ、
発症を予防できるか、
分かっていない。
・↑そんな状況でも、
規則正しい生活を送る。
身体的な健康に心がける。
信頼できる人間関係の中で、
情緒的に安定した生活を送る。
など、健康に良いとされる原則は、
心の健康にとっても重要。
・病気という現象が人類集団に対し、
プラスの影響を与えたことを考えようという、
立場もある。
・2022年8月に亡くなった、
精神科医、中井久夫(?)は、
統合失調症の認知特性は、
工学などで微分回路(?)と言ったもので、
現わせられると言っている。
・↑狩猟生活段階の人類にとって、
きわめて重要な役割を果たしていたと思われる。
・↑人類が定住して農耕生活を送るようになると、
鋭敏な感受性ではなく、
システムの安定が求められるようになり、
微分回路の役割は小さくなった。
・↑しかし、その役割を失うわけではない。
環境に危険な変化が起きる時や、
歴史の返還期などでは、
変化の兆候を鋭敏に、
検出できる、
微分回路の役割が、
評価されることになる。
・↑統合失調症に親和的な認知特性を持つ人たちは、
このような部分回路を備えた人たちであり、
周囲の人たちに先んじて、
変化の気配を知ることにより、
集団全体に警告を発する役割を、
負っているのではないのか?。
・↑こうした特性の人が居ることは、
その集団にとって、
利益になるのではないのだろうか?。
・↑こうした微分回路は、
ノイズに影響されやすいという、
弱点がある。
鋭敏なだけに、
不安定な回路でもある。
・↑入力が乱高下するときは、
鋭敏な微分回路特性の人は、
変化に対応できず、
バランスを失い、
統合失調症の発症に、
繋がるのではないか?。
・↑以上は粗雑なまとめなので、
関心のある人は、
中井久夫の本を読んでほしい。
・↑集団にとって、
一定の働きをもたらす、
何らかの重要な特性の持ち主が存在し、
その特性が行き過ぎてしまうときに、
精神疾患となるのでは?。
・↑このような考え方は、
私たちの精神疾患への考え方を、
根本から変える可能性があるのではないか?。
"必要な人たちなんだよ。
ってことですね。
以前、NHKスペシャルの、
驚異の小宇宙人体-脳と心-
で、
沖縄の カンダーリ (シャーマン)のことを扱ってましたが、
あの人たちも、何かの役に立っていたのだろう思う。"
・社会の集団企画から外れて見える特性が、
集団全体の利益となってい可能性があるならば、
そのような人を排除するのではなく、
共用し共存してゆくことこそ、
全体の未来が開けてくると考えることが出来る。
"イギリスは変人に寛容なので、
それで、島一つでも
-世界中に""面積的には、多少は""あるけど-、
強国をやってられるのかもしれませんね。
アメリカ、イギリス、イスラエルの、
特別な関係ということも、
あるとは思いますが。"
"違う人は、""有用なことがある""ってことですね。"
・↑微分回路の特性を持っている人は、
統合失調症発症のリスクを、
負っていると言える。
・↑であるならば、
統合失調症患者は、
集団に対する貢献の代価を、
病気という形で支払っていると言えないだろうか?。
・代理受苦という考え方がある。
"代受苦?"
キリストが貼付けになったように。
仏教では、
地蔵菩薩が自分たちの、
苦しみを負ってくださるという思想。
集団の苦しみを、
個人が受けているのではないのだろうか?。
・遺伝病について。
遺伝子を持つ人は、
発病する人の数よりはるかに多い。
例えば、
1/1万人の劣勢遺伝病の場合、
その遺伝子を持つ人は、
1/100人の確率である。
・↑これに現在知られている、
劣性遺伝病の数を換算すると、
誰もが病気の遺伝子を持っていても、
不思議はない。
・↑なのに、自分は発症していない。
単に運が良かったからだ。
しかし、他の誰かが、発症する。
・↑不運にして発病した人たちに対し、
共苦(?)、苦しみを脅威有するという姿勢を持ち、
その苦しみに対し、
感謝を持つのは不思議ではないだろう。
・英語のシンパシー"(共感)"はギリシャ語、
コンパッション"(思いやり)"はラテン語から来ている。
いずれも、痛みを共にするという意味を持っている。
"仏教用語でもあった気がする。
共に悲しむという言葉だったと思う、
けど思い出せない。"
"私が疑問に感じるのは、
同じ人間、社会の仲間と思えるかです。
外国人が同じようになっても、
思いやることが出来るのだろうか?"
"多分、多少は出来るけど、
多分無理なのでないかという懸念がある。"
"社会にとってというのは、
自分たちの社会であって、
外国人の社会ではないと思われます。"
"自分たちってなに?"
・"エンパシー
(相手が何を考えているの知ること)
は必要なのか"
"戦闘妖精雪風を読んでいると、
無い方が、うまく行ける気もする。"
"だって、統合失調症の原因は、
エンパシーの過剰とも思えるから。"
"素人の想像だよ。
真に受けないでね。"
・精神疾患に対し、
何処までが、脳の病気で、
どこからが心の問題なのか。
・北海道の、ベテルの家の話。
幻聴さんに退散してもらう、
という方法を話し合う方法。
幻覚や妄想が軽減される例も見ている。
しかし、薬は必要。
"薬は効くよ。
あれだけ酷かった、
独り言がなくなった。
ただし、副作用はあったと思う"
・ミラーニューロン。
自分が行動しているときと、
他の個体が同じように行動しているのを見ているときと、
同じように活動している神経細胞のこと。
ある種の霊長目で観察されている。
人間でも存在していることは、
確実視されている。