2024年7月21日(日)、
放送。
興味ある人は、
NHKの聞き逃し配信から聞いてください。
あと、
ほとんど文字おこしに、
なってしまっているかもしれませんが、
NHKさん、
そこは、精神疾患者を救うためと思って、
スルーしてくださいませ。
学習メモの抜粋です。
間違いあれば、
私の聞き間違いか、理解不足です。
また、" "内は感想だったり私が追記したものです。
かなり長文なので、読まないほうが良いと思います。
3.「分裂病」と呼ばれた病気
・統合失調所のこと。
20世紀のほぼ100年間に渡って、精神分裂病、精神分裂症と言われてきた。
この呼び方そのものに、大きな問題があったと思われる。
・学生実習中に統合失調症の患者の、
繊細で敏感な反応に驚いた。
教科書に書かれていないことに、
出会う驚きはその後の経験でも繰り返されてきた。
・平均的な人が、
一生の間にこの病に罹る割合は、
0.7-0.8%と推定されている。
120人に一人の割合。
決して珍しい病気ではない。
世界のどの地域でも、
同じような発生割合。
・幻覚、妄想が大きな特徴。
幻聴が起こることが多い。
・シュナイダー(ドイツの精神医学者)が、
他の精神病ではめったに見られない、
統合失調症特有の症状をリストアップしており、
1級症状と呼ばれる。
・↑その一つが、対話性の幻聴。
第3者同士が会話の形で、患者を批評したり、
なじったりする。
聞こえよがしに悪口を言う。
という現象がある。
他の精神病ではめったに見られない。
・不思議なことだが、
本人を褒めるとか、
おだてるとか言った幻聴はまずない。
本人にとって不快で苦痛なものばかりである。
"逆に、気分を良くするような、
幻聴ばかり聞こえる、
疾患もあるのではないかと、
ふと思った。
だって多分、医者には行かないでしょう?。
だとしたら発覚しないのでは?"
・幻聴の実在性を、
疑うことが出来ないのも特徴である。
本人とっては実際に聞こえてくる、
現実の声である。
・↑だから、幻聴に対して、
「うるさいやめろ!」などと言ってしまう。
周囲から見ると訳のわからない、
独り言を言っていると思われる。
・病気という認識が持てない、
病識欠如も統合失調症の難しさである。
・1級症状について、
思考化声あるいは考想化声、
自分の考えが声になって聞こえてくる。
ある元統合失調症患者曰く、
誰かが自分の頭の中を読み取って、
声に出している感じ。
・↑これが他人に読み取られていると感じることを、
思考伝播という。
・↑こうしたいろいろな症状を、陽性症状という。
・陰性症状というのもある。
・陽性症状と陰性症状が様々な組み合わせで生じ、
一進一退を繰り返しながら、
進行してゆくのが、統合失調症の特徴である、
と教科書には書いてある。
・幻覚や妄想は、
特別な体質の人だけが、
体験するわけではない。
・↑感覚遮断という実験では、
空気が供給される状況で、
体温と同じくらいの水に浮かび、
真っ暗で音も聞こえない状況にすると、
多くの場合数時間のうちに、
幻覚を生じる。
・心の健康は、
適度の感覚刺激があることで、
保たれている。
・妄想でも、
囚人の赦免妄想など、
心理学的に説明できる妄想反応は、
いろいろと知られている。
幻覚よりも妄想は、
見られやすい症状だと、
言えるかもしれない。
・↑それら、普通ではない状態での、
幻覚や妄想が、
普通の場合でも起きるように、
脳の回路に不具合が起きたのが、
統合失調症だと考えることができるのかもしれない。
・もし自分の考えや思いが、
周りに読み取られ、
伝わってしまっているとしたら、
どんな気持ちになるのだろうか?。
とてつもない恐さを、
感じるのではないのだろうか?。
統合失調症ではこのような、
内密性が保たれない状態。
自我障害といい、
自分の内面が外に知られてしまい。
他人が自分に侵入しコントロールされてしまうという、
恐ろしさを、
患者は感じていると思われる。
・絵画、ムンクの叫びについて。
両耳を塞いでいる。
幻の叫びを聞くまいと、
両耳を塞いでいると考えるのが、
自然であろう。
統合失調症発症すれすれにまでなった、
ムンクの体験が反映されているともいわれている。
・自他の区別がつきにくくなっていることが、
この病気の特有の症状を生むことと、
感じやすさや隔ての無さの、
一因にもなっているのではないか。
・統合失調症患者には、
心の透明さというような、
不思議な魅力がある場合がある。
・有効な治療法がないという、
社会の誤解がある。
・1952年にフランスで、
クロルプロマジンという、
抗精神病薬が作られた。
それ以降薬物療法が急速に進歩し、
統合失調症の治療と予後は大いに改善された。
・当初の治療薬には、
副作用の強いものが多かったが、
最近はずいぶん改善されている。
・抗精神病薬の開発は、
統合失調症だけでなく、
精神病医療の考え方を、
根本から変える意味を持っていた。
・1952年では入院患者で圧倒的に多かったのが、
統合失調症患者であった。
・有効な治療法がない時代には、
病院に収容しておくほかなかった。
・クロルフロマジン開発以後は、
大多数の患者が外来で、
治療できるようになった。
その結果、欧米では急速に精神科病床が減らされた。
病院精神医療から、
地域精神医療へと変化していった。
・クロルフロマジン以前は、
人口100人当たり3床だったものが、
1/10以下程度になった。
イタリアのように、
精神科病棟を全廃した国もある。
・日本だけは違い、
20世紀後半に精神科病棟は増え続けていった。
・第二次世界大戦のころまで、
欧米の1/10程度の精神科病棟を持たなかった日本は、
戦後の高度成長期に病棟数を増やし、
人口1000人当たり、
3床程度というかつての欧米並みになったところで、
増かは止まった。
・地域精神診療が進み始めたのは、
2000年以降のこと。
・なぜそうなったのか?。
WW2終結時の日本では精神科の病床数が、
圧倒的に不足していた。
・1900年に制定された、
精神病者看護法の下、
家が監督するものとされていた。
家が大きな力を持つ、
旧民法の時代だから成立したやり方。
座敷牢を設置し患者を収容することが求められた。
・1950年精神衛生法により、
座敷牢は廃止された。
家ではなく、
社会が精神疾患の、
治療の責任を持つという時代になった。
それで、政策担当者は病床数を増やそうと考えた。
・しかし、クロルフロマジンが1952年に出てきたのに、
政策は変更されなかった。
・欧米では精神科病棟は、
公的な病院であったのだが、
日本では私立病院で建設が進められたため、
作られた病床を削減するのが困難だった。
・日本では精神疾患に対する、
恐れ、不安があり差別があった。
・自宅付近に精神障害者の、
グループホームの建設計画が、
持ち上がった時、
抵抗なく受け入れることが出来るでしょうか?。
職場や地域に統合失調症患者がいたときに、
分け隔てなく接することが出来るのでしょうか?。
一人一人が、
考えなくてはならない問題だと思う。
"体験すれば良いだけとも思える。
知らないのに考えても、無駄だと思う。"
・映画「かっこうの巣の上で」、
1975年。
かつての精神病院という閉ざされた世界で、
人間らしく生きてゆこうとする主人公たちの物語。
電気ショック療法や、
ロボトミーという手術が、
扱われていたのも話題となった。
・現在では、
電気ショック療法は、
麻酔を使い筋弛緩薬を使い、
痙攣をおこさない状態で行われており、
即効性もあり安全性も高く、
有効な治療法と言われている。
うつ病や統合失調症の治療に使われている。
修正型電気痙攣療法という。
・ロボトミー、
前頭前野を切り離すもの。
自発性を失わせる、
重大な有害作用があるので、
現在では全く行われていない。
・映画「ビューティフル マインド」
2002年公開。
実在の天才数学者の話。
ゲーム理論を経済学に応用した。
新しい学問分野を開拓したことに対し、
ノーベル経済学賞を受賞した。
・↑30歳前後ら統合失調症に罹っていたと言われている。
・数学は業績を挙げる年齢が、
早いということが知られている。
・↑彼自身が現実であったと思っていたことが、
妄想であったということが分かるシーンがある。
劇的に描かれていた。
・↑薬だけでなく、
信頼できる人間関係に支えられながら、
静かな環境で時間をかけて療養することが、
統合失調症からの回復をもたらすという、
実例でもあった。
・映画はそこで終わるが、
実生活の二人は、
映画が製作された2001年に再婚した。
そして、2015年にアーベル賞を受賞した。
その授賞式から帰国した、
帰り道のタクシーが、
事故を起こし、
車外に投げ出され、
二人とも死亡した。
・病名の問題について。
精神分裂病と呼ばれていた。
この病名が悪かった。
誤解や偏見を助長していた。
"いや、そんなことはないとは思うが。"
・20世紀の日本では、
精神病は典型的なスティグマではなかったのか。
・精神分裂病はヨーロッパ語の翻訳。
ギリシャ語を使った造語であった。
命名した医師(ブロイラー)は、
ヨーロッパ人には意味不明な、
単語であると思って命名したのではないか。
・↑それに対し、
日本語は日本人には、
誰にでも理解できてしまう。
・↑ブロイラーは、
精神分析用語としての、
分裂のつもりだったようだが。
・精神分裂病という用語であったときには、
患者や家族に伝えるのが困難であった。
"なぜ?。
癌告知と同じでしょうか?"
・20世紀では、
癌の病名告知は本人には、
しないのが通例だった。
"変な風習だったと思う。
知りたいでしょ?、普通は。"
"今は告知されるので、
色々と後の算段もできるので、
当人にとっては良いのだろうと思う。"
・21世紀に入り、
治療方法の進化があり、
症状が軽度化され、
予後が良くなった。
2002年に統合失調症への名称変更が行われ、
そのころから病名告知が、
徐々に行われるようになった。
"精神分裂病だろうが、
統合失調症だろうが、
大して変わらないと思うよ。"
"だって、統合できないってことは、
分裂しているってことだと、
私は思うのだが。"
・統合失調症は誰しもが、
経験する可能性がある。
"可能性とは?。
時計の針を戻して、
全く同じ人生を何度か繰り返しても、
何%の確率で、
罹患するということだろうか?。"
・統合失調症患者に接したら、
どのように対応すればよいのだろか。
治療薬を使うことが必要。
・自分自身が病気であると認識しにくいのが、
統合失調症の特徴。
速やかに医療にかかるように、
援助するのが重要なポイント。
"強烈な既視感(デジャブ)、
以前、ブログで書いた気が、
すごくする。"
・統合失調症の患者に、
接したときは、
ごく当たり前の付き合い方で
接することが重要。
・統合失調症は、
幻覚や妄想と言った、
理解の難しい症状を持っている。
・患者を悪化させまいとして、
距離を取ってしまうこともある。
そのため、寂しい思いをするらしい。
・治療受けて、
症状が安定している限り、
無嫌味に警戒する必要はない。
・統合失調症という病気は、
その人の一部であって、
全部はないということを、
認識する必要がある。
・統合失調症の患者が、
安心して生活できる、
地域にすることは、
共生社会の、
大事な一面だと思う。