
4月28日、コント集団The Newspaperの2年ぶりの仙台公演があった。国内外の政治や社会、経済、事件などあらゆる世相を鋭く風刺する寸劇で知られるこの劇団が、今回はどんな風刺劇をやるのか開演前から興味津々だったが、期待通りの出し物で、大いに笑わせてくれた。
初めに「オペラ座の怪人」のBGMをバックに登場したのが、鳩山現首相に扮した団員・福本ヒデ。妙になよなよした歩き方で会場からは笑い声。スローガンの「ゆうあい」についても、あれは優柔不断の(ゆう)と曖昧の(あい)から取ったものと説明する。また、「ゆうだけ言って、アイディアがない」ことを略し、「ゆうあい」でもある、と。
来月からいよいよ子供手当てが支給されます、年収二千万円以上の家庭への支給については見直しも検討していますが、此処の会場に来ている皆様には関係ないでしょうから、どうぞ心配なく…と説明、これも観客は大笑い。この歳になって母親から貰ったお小遣いで責められるとは予想もしていなかった、とぼやいたり、鳩山夫人やバックに現ナマを入れて来た母親も出る寸劇もあり、とても面白かった。
もちろん小沢幹事長役も登場、劇中でも首相は全く頭が上がらない。「誰が首相だと思っているんだ!」と凄む前者は笑える。私は普段ワイドショーをまず見ないのだが、政権交代以降、民主党政権を持ち上げるコメンターへの批判をネットでは結構見かける。しかし、The Newspaperが現政権も俎上にのせて斬ってくれたのは心地よかった。
団員・松下アキラのはまり役は小泉元首相で、今回もこの役で登場する。民主党のマニフェストを「やれもしないことを言っている」と論評しつつ、自民党の方は「やる気もないことを言っている」と認めた。また、最近の新党ブームへの風刺劇もあった。
現米国大統領に扮するのも松下アキラ。途中までずっと怪しげな英語で話し、「Someone Give Me “牛タン”」も受ける。The Newspaperは地元ネタも結構扱うのがよい。今回はあまり仙台や宮城県ネタはあまりなかったが、ゼロだった訳ではない。
環境テロ組織シーシェパードも取り上げられ、揺れる甲板でメンバーが「次は泉中央~」(※仙台地下鉄の駅名)と言ったのも地元ネタのひとつ。シーシェパードのBGMは「パイレーツ・オブ・カリビアン」が使われ、リーダーは海賊スタイルで登場する。北朝鮮の船を回避するシーシェパードが、日本の調査船を襲撃時にゲットしたシーチキンの缶詰を美味そうに食べているというオチだった。
The Newspaperは寸劇の後、ギターを持った谷本賢一郎が舞台で替え歌を歌う。吉幾三の演歌「雪國」の替え歌では、「♪由紀夫、あなた~~」で始まり、「♪首相ももうすぐで終わりでしょう~」の歌詞もあった。先日「ルーピー・鳩山」イラストを紹介したサイトを見かけたが、現首相がこれほどコケにされていても、大笑いしてしまった。
日本航空もネタに扱いで、こちらのBGMは「翼の折れたエンジェル」。分かりやすいように、舞台ではスクリーンを使い絵や写真も写す。日本航空は鶴のロゴマークで有名だが、翼の折れた鶴の「エンJAL」のイラストが映された。
寸劇のトリは毎回「さる高貴な御一家」の皇室ネタ。孫娘の不登校を憂いた「高貴な御一家」の主が、「子供のケンカに親が出ることがあっても、マスコミが出るのは初めてだ」と語る。親心もある前者には同情の余地もあるが、後者は子供を利用しているだけである。
お笑い芸人が持てはやされる最近の日本の芸能界で、The Newspaperのような社会風刺をやるコント劇団は、意外に少ない。次回公演も楽しみだ。
◆関連記事:「2008年度The Newspaper 仙台公演」
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初めに「オペラ座の怪人」のBGMをバックに登場したのが、鳩山現首相に扮した団員・福本ヒデ。妙になよなよした歩き方で会場からは笑い声。スローガンの「ゆうあい」についても、あれは優柔不断の(ゆう)と曖昧の(あい)から取ったものと説明する。また、「ゆうだけ言って、アイディアがない」ことを略し、「ゆうあい」でもある、と。
来月からいよいよ子供手当てが支給されます、年収二千万円以上の家庭への支給については見直しも検討していますが、此処の会場に来ている皆様には関係ないでしょうから、どうぞ心配なく…と説明、これも観客は大笑い。この歳になって母親から貰ったお小遣いで責められるとは予想もしていなかった、とぼやいたり、鳩山夫人やバックに現ナマを入れて来た母親も出る寸劇もあり、とても面白かった。
もちろん小沢幹事長役も登場、劇中でも首相は全く頭が上がらない。「誰が首相だと思っているんだ!」と凄む前者は笑える。私は普段ワイドショーをまず見ないのだが、政権交代以降、民主党政権を持ち上げるコメンターへの批判をネットでは結構見かける。しかし、The Newspaperが現政権も俎上にのせて斬ってくれたのは心地よかった。
団員・松下アキラのはまり役は小泉元首相で、今回もこの役で登場する。民主党のマニフェストを「やれもしないことを言っている」と論評しつつ、自民党の方は「やる気もないことを言っている」と認めた。また、最近の新党ブームへの風刺劇もあった。
現米国大統領に扮するのも松下アキラ。途中までずっと怪しげな英語で話し、「Someone Give Me “牛タン”」も受ける。The Newspaperは地元ネタも結構扱うのがよい。今回はあまり仙台や宮城県ネタはあまりなかったが、ゼロだった訳ではない。
環境テロ組織シーシェパードも取り上げられ、揺れる甲板でメンバーが「次は泉中央~」(※仙台地下鉄の駅名)と言ったのも地元ネタのひとつ。シーシェパードのBGMは「パイレーツ・オブ・カリビアン」が使われ、リーダーは海賊スタイルで登場する。北朝鮮の船を回避するシーシェパードが、日本の調査船を襲撃時にゲットしたシーチキンの缶詰を美味そうに食べているというオチだった。
The Newspaperは寸劇の後、ギターを持った谷本賢一郎が舞台で替え歌を歌う。吉幾三の演歌「雪國」の替え歌では、「♪由紀夫、あなた~~」で始まり、「♪首相ももうすぐで終わりでしょう~」の歌詞もあった。先日「ルーピー・鳩山」イラストを紹介したサイトを見かけたが、現首相がこれほどコケにされていても、大笑いしてしまった。
日本航空もネタに扱いで、こちらのBGMは「翼の折れたエンジェル」。分かりやすいように、舞台ではスクリーンを使い絵や写真も写す。日本航空は鶴のロゴマークで有名だが、翼の折れた鶴の「エンJAL」のイラストが映された。
寸劇のトリは毎回「さる高貴な御一家」の皇室ネタ。孫娘の不登校を憂いた「高貴な御一家」の主が、「子供のケンカに親が出ることがあっても、マスコミが出るのは初めてだ」と語る。親心もある前者には同情の余地もあるが、後者は子供を利用しているだけである。
お笑い芸人が持てはやされる最近の日本の芸能界で、The Newspaperのような社会風刺をやるコント劇団は、意外に少ない。次回公演も楽しみだ。
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