トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

報道関係者の皆さん、頑張って! その二

2015-07-17 21:10:14 | マスコミ、ネット

その一の続き
 続いて河北新報では、百田尚樹氏が大学中退したこと、30歳以上年下の妻がいることなど、私生活を暴き立てる記述もしており、ネットをしたことのない昭和一桁生まれの私の母さえ、河北は週刊誌以下、と露骨に怒っていた。これら河北の記事は捏造ではなく事実だが、完全なネガティブ・キャンペーンのやり口だ。特集に名の見える人々の意見も挙げてみたい。
気に入らないものは脅す体質が同じ。『安倍』イコール『百田』。NHK経営委員への登用は、公私混同というよりも、公を私物化する体質からきている」(評論家・佐高信
今回の百田氏の発言を聞き、すぐに櫻井(よし子)氏の講演を思い出した。首相や右派論客は、自分たちと違う考え方を排除しようとしている」(ジャーナリスト・横田一)

 wikiに軽く目を通しただけで佐高信も香ばしい経歴の持ち主なのだが、佐高は安倍政権を後押しする右派論客らを、「翼賛文化人」「利用文化人」と名付けているとか。左派論客側にも「翼賛文化人」「利用文化人」は明らかにいるのだが、彼らはリベラルを自称するし、少なくとも河北新報で左派論客という言葉は見たことがない。
 河北の特集には“圧力発言”を「断じて許せない」と、紙面を手に記者会見した琉球新報の潮平芳和編集局長と沖縄タイムスの武富和彦編集局長の写真も載っている。この沖縄の二紙が異様なことは聞いていたが、遠く離れた東北でも紙面が見れるのがネットなのだ。「国民が知らない、沖縄メディアの実態」というブログ記事には沖縄タイムスと琉球新報の紙面が紹介されており、ネットで朝日や毎日の方がマトモ、とまで言われる沖縄メディアの実態が知れよう。

 学生時代の百田氏の“みじめキャラ”の話は今回初めて知ったが、出演していたのは朝日放送(大阪市)の素人参加バラエティーなのだ。あの朝日新聞関連放送局だし、“みじめキャラ”はプロデューサの意向もあり、百田氏独創ではないのは素人でも分かる。ちなみに最近の河北新報では、朝日新聞や東京新聞との連帯を強調している。そして「声の交差点」には東京新聞読者からの投稿が載ることもある。
 私が見た百田氏の小説は『海賊とよばれた男』だけだが、軍国主義賛美とは正反対の物語としか思えなかった。上巻16章に次の文章があり、軍人よりも民間の船員の方が戦死率で上回っていたことを初めて知った。
驚くべきデータがある。財団法人「日本殉職船員顕彰会」の調べによれば、大東亜戦争で失われた徴用船は、商船3,575隻、機帆船2,070隻、漁船1,595隻の計7,240隻。そして戦没した船員、漁民は6万人以上に上る。彼らの戦死率は約43%と推測され、これは陸軍軍人の約20%、海軍軍人の約16%を遥かに上回る数字である」(373頁)

 百田氏発言で、「マスコミによる私人への重大な言論弾圧」というブログ記事は興味深い。この記事から私の共感した箇所を引用したい。
日本のマスコミは、百田氏のような私人によるマスコミ批判に対して、「言論弾圧だ!」と的外れな主張を用いて、私人の意見を弾圧しようとしたことが明白になりました。そして相変わらず反論は一切掲載しないファシズムぶり。まさに今回の百田氏の件は、マスコミによる私人への重大な言論弾圧です。
 何度も繰り返し言います。日本の最高権力者であり、言論統制するファシストは、マスコミです。政府でも政治家でもありません。ファシズム的な空気を作れるのは、日本ではマスコミだけです

 2015年07月12日付の“痛いニュース”、「女児誘拐犯はAKBオタクと判明 → マスコミ、モザイクをかけ隠蔽報道」は笑えた。特にこの書込みは傑作だと思う。
61:男色ドライバー(大阪府)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 22:26:22.58 ID:bajWi7FT0.net
マスコミ「官邸からの圧力は許さない」
マスコミ「AKB、ジャニーズ、EXILEからの圧力は大歓迎です」

「★新聞社ランキング★日本視点 2014年版」を紹介したブログ記事があり、ランキングで河北新報は、「変態waiwai事件:毎日新聞」よりもかろうじてひとつ上となっていた。お遊びランキングにせよ、m9(´Д`)扱いだから本当は笑えない。私はジャーナリストを度々ペンを持った男娼と罵倒しているが、報道関係者の皆さんは、自己保身と組織、スポンサーのために頑張っているのだ。一主婦を装った投稿者の声も紹介しながら。

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6 コメント

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Unknown (都民です。)
2015-07-18 14:57:23
 ブログ主さまの母上は、やはり健全な見方をされて「週刊誌以下」と看破しておられますね。本当に下らない記事を書く前に現在の国際情勢の分析し、安保法案がなぜ必要なのかもしくは必要でないのかを読者に示すべきです。優秀なマスコミの皆さんが、そんな当たり前の事ができないとは思えません。

 百田さんの文章には、描きたいことが奔流の様に溢れ出てきて書くのももどかしいのではないかという迫力が有ります。若いころの松本零士さんも、そうだったみたいですね。作家の好みは様々ありますが、素晴らしい作品は作品としてキチンと評価するのがプロだと思います。

 感情的に相手を貶めるためのレッテル張りは、日本人がマスコミを信じ切っていた時代が過ぎた今では通用しないようです。かえってそういう下らない事をする人間の評価を下げるだけだと思います。

 海外の翻訳された記事を読むと、癖はありますが情報を提供し分析する材料を読者に与えていると感じます。日本のマスコミの大勢は、愚民化政策の支持者なのかと邪推してしまいます。どう思われますか?
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「都民です。」さんへ (mugi)
2015-07-19 21:33:33
 ゴシップ専門が週刊誌ですが、新聞がこれをやればイエローペーパーそのものでしょう。少なくとも今の日本のマスコミで、国際情勢の分析に優秀な人材がいるのかも疑問です。いたとしても、記事を載せないでしょう。カネさえもらえれば、白を黒と書くのがブンヤと見ています。

 長い海外在住体験を持つブロガーさんから聞きましたが、日本の大手新聞の海外記者でも、現地の言語の読み書きも満足に出来ない者も少なくないそうです。当然現地の新聞も読めず、代わりにその国にいる日本の学生に取材させるケースまであるとか。東南アジア専門家でも、英語も出来ない教授が未だにいるそうで、知識人層のはずのマスコミのレベルは優秀とは思えませんね。受験合格の技能では優秀ですが。

 感情的に相手を貶めるレッテル貼りは、いつの時代も何処の国でも行われてきたことです。ネット時代もそれは続いているし、この先も十分通用します。プロパガンダとレッテル貼りは表裏一体で、これらは政治戦略の基本です。
 海外の翻訳された記事もピンキリですが、情報を提供し分析する材料を読者に与えているといったイメージを与えるのこそ、情報戦の極意といえますね。メディアにスパイがいるのは当たり前だし、それに対処しない国が無為無策なのです。

 日本のマスコミの大勢が愚民化政策の支持者なのは、今始まったことではありません。問題を扱った『橋のない川』の著者・住井すゑを憶えておられますか?戦時中は軍部賛美の随筆や小説を書き、戦後は一転して人権活動家。戦時中の翼賛発言を問われた彼女は、こううそぶいていたとか。
「ほほほ…何書いたか、みんな忘れましたね」「書いたものにいちいち深い責任感じていたら、命がいくつあっても足りませんよ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8F%E4%BA%95%E3%81%99%E3%82%91
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報道関係者、ふざけるな! (のらくろ)
2015-07-20 20:02:42
という記事があったので貼っておきます↓
ttp://agora-web.jp/archives/1648894.html
ttp://agora-web.jp/archives/1648698.html

こちらにお越しの読者なら、いちいち解説の必要はありますまい。

ところで、このライターの別の記事にかかわる「事件」は、あまり報道されていなかったと思います。ということは、やはり「ふざけるな!」でしょうね↓
ttp://agora-web.jp/archives/1647594.html
ttp://agora-web.jp/archives/1647597.html

うんざり、げんなりでしょうから、一服の清涼剤をどうぞ、ここには仙台時代の私の職場も、仮住まいも映っております↓
ttps://www.youtube.com/watch?v=q8-L-qblmf0
ttps://www.youtube.com/watch?v=vowW_Bj1oIc
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ブログ主さまへ (都民です。)
2015-07-20 23:11:20
 「橋のない川」は観てはいませんが、映画化されたせいか被差別の話と覚えていました。作者の住井さんのWikiを読むとこの尋常ではないあっけらかんとした発言は、逆に昭和の時代の「家政婦は見た!」の主人公が持つ野太い逞しさを感じてしまいます。現実には、あまりお会いしたくないタイプです。

 それにしても現地の新聞も読めない駐在員がいるとは、驚きました。留学生に翻訳してもらうだけなら、日本に居ても良い仕事だと思います。常識的に考えれば、英語と片言でも現地の言葉が出来ないと情報は取れないはずです。しかし不思議です。一流大学を合格できる英語力が有れば、会話は不得手でも読むのはできそうなのに。やる気の問題なのかもしれませんね。
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Re:報道関係者、ふざけるな! (mugi)
2015-07-21 21:17:39
>のらくろ さん、

 石井孝明という人物は初耳です。韓国に修学旅行に行った日本の高校生が頭を下げさせられる出来事は知っていましたが、「慰安婦」に頭を下げる日本の新聞記者たちもいたとは!まさにふざけるな!と言いたいですが、連中は決してふざけているのではなく確信犯でしょう。

 松井やよりが典型ですが、日本の著名ジャーナリストにはクリスチャンが結構いるようです。日本のクリスチャンはとかく韓国崇拝が強く、その訳は何といってもあの国ではクリスチャンが多いこと。教会で聖職者は殊ある毎に韓国のクリスチャンの多さを挙げ、一方日本は…と
説教、韓国コンプレックスを叩きこまれるとか。
 このことからも日本のクリスチャンジャーナリストが、「慰安婦」に頭を下げるのは当然の流れです。謝罪しないノンクリに対し、謝罪する俺、カッケーといった自己満足と陶酔もあるはず。

 シールズと称する学生団体があることをネットで知りましたが、やはり共産党系の学生団体の民青の活動家や共産党地方議員の子弟の名前が早々にヒットですか。やはりねぇ…
 また、山梨県北杜市での太陽光発電の環境破壊も知りませんでした。後押したのが民主党時代だし、ソーラーパネルは中韓製が多いことを聞きました。東北でも同じことが起きているはずだし、やりきれません。

 仙台市中心部の動画、有難うございました!動画になると、見慣れた風景も普段とは違った印象を受けます。貴方の職場や仙台在住時の仮住まいも映っていたとは面白いですね。
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Re:ブログ主さまへ (mugi)
2015-07-21 21:21:59
>「都民です。」さん、

 私も「橋のない川」やその映画版は未見ですが、職場に住井ファンの上司がいました。上司は大した人だ…と感心していましたが、住井の実像をネットで知り、がっかりさせられました。貴方が「家政婦は見た!」の主人公が持つ野太い逞しさを感じるのは自由ですが、のぞき大好きの主人公は、少なくともつましい庶民だし、鉄面皮の女ではありません。売文業者に一般の倫理観は当てはまらないということ。

 いくら反権力を気取っても、所詮ブンヤは強者にへつらい、弱者には驕る輩ですからね。河北新報記者の情けない話を父から聞いたことがあります。ヤクザでもない気難し屋に一喝され、靴を置いて逃げた者もいたとか。

 一流大学を合格できる英語力といえ、所詮は実践力の伴わないテストです。学歴で大新聞社に合格、海外特派員になって高給取りが保障されるならば、やる気もなくなってしまうのかもしれませんね。日本人駐在員同士で固まり、海外生活を送っているのが多かったりして。尤も英語を話せても、「英語を話すサル」同然の日本人もいるそうです。
http://blog.goo.ne.jp/mugi411/e/ffe5b8493774a74eb18d3454c93285b2
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