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SCILABによる制御系設計 その3

2017-03-12 11:14:05 | 工学
2 動的解析の準備 の続き

前回、伝達関数と状態空間表示の変換についてやってみた。

伝達関数はラプラス演算子sによる記述であり、状態空間も状態量x(t)による表現であった。
連続時間での表現であった。

前回は、伝達関数→状態空間の変換までやってきた。
今回は状態空間→伝達関数の変換をやってみる。
-->A=[0 1 0;0 0 1;-5.008 -25.1026 -5.03247];

-->B=[0;25.04;-121.005];

-->C=[1 0 0];

-->D=[0];

-->E=[1 0 0;0 1 0;0 0 1];
として
-->S=des2ss(A,B,C,D,E);

-->H=ss2tf(S);

-->H
H =

2
5.0080488 + 25.04s - 5.329D-15s
-------------------------------
2 3
5.008 + 25.1026s + 5.03247s + s


となる。尾形先生の参考書Matlab Program 2-6と同じになったので まあOKですね。(ならなかったら問題)
さて、これは1入力1出力なので、伝達関数は1つであるが、多入力だった場合はどうするのか?
->A={0 1;-2 -3];

-->B=[1 0;0 1];

-->C=[1 0];

-->D=[0 0];

-->E=[1 0 ;0 1];

-->S=des2ss(A,B,C,D,E);

-->H=ss2tf(S);

-->H
H =

3 + s 1
--------- ---------
2 2
2 + 3s + s 2 + 3s + s
となり、特に意識しないでも2つでる。(Matlabの場合指定するが)


連続系はここまでで、システムの場合、離散系も考えられる。変換はMatlabではc2dであるが、scilabではdscrらしいが引数がシステムである。まあ、やってみよう。

-->A=[0 1;-25 -4];
--→B=[0;1];
だけではシステムとして定義できないのでCを追加
-->C=[1 0];

-->Si=syslin('c',A,B,C);

-->sld=dscr(Si,0.05) サンプリング0.05で離散化
sld =


sld(1) (state-space system:)

!lss A B C D X0 dt !

sld(2) = A matrix =

0.9708833 0.0448470
- 1.1211761 0.7914951

sld(3) = B matrix =

0.0011647
0.0448470

sld(4) = C matrix =

1. 0.

sld(5) = D matrix =

0.

sld(6) = X0 (initial state) =

0.
0.

sld(7) = Time domain =

0.05

となった。これも尾形先生の参考書Program2-9と同じ結果。ただし、精度には注意(format long )とMatlabでは参考書に書いてありましたが、scilabの場合はこのままで精度は良いようです。


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1 コメント

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マルテンサイト千年グローバル (サムライ鉄の道リスペクト)
2024-09-14 05:51:21
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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