よい子の読書感想文 

読書感想文388

『ロードスター物語』(河村アキラ 鳥影社)

 11年前、誰かに貸してそのままになってしまっていた。NBロードスターがメインの『新ロードスター物語』はその後入手したが、こちらは絶版のため(マニア受けするからか)、アマゾンでは1万円を越えているか品切れの場合が多くて、なかなか手が出なかった。
 しかし諦めずにたまに検索してみるものだ。今回はほぼ定価での出品で、すぐ飛びついた。似たような経緯で入手に苦労した岩波の『ドイツ戦没学生の手紙』も、同様に安い出品を見つけて買ったのを思い出した。マーケットプレイスの面白いところである。
 さて11年ぶりだが、さっきまで枕許にあったような親しみが湧いた。そんなに長らく見ていなかったとは思えないくらい、身近に感じた。
 それだけ、スケッチと添えられた文が印象深いものだったのだろう思ったが……
 ロードスターはいつもそばにあった。この物語が身近過ぎる不思議は、なんのことはない、私も『ロードスター物語』を生きてきたからなのだった。
 今回、戯れに『新ロードスター物語』をパラパラめくっていて、本書を注文した。作中(もちろん“物語”ゆえだろうが)、ずいぶんとたくさんの若い女性が登場する。もしや著者は予備校の講師とか、そういった職にあるのかなと調べてみたら高校教師だった。道ならぬ恋、道星ならぬROADSTER……
 ま、“物語”である。そういう観点からも、悪くない物語として読めた。イラストは最高だ。真似して練習してみたくなった。




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