『ファウスト(二)』(ゲーテ 高橋義孝訳 新潮文庫) 期待して読み始めたが、案外に退屈して読了するのに時間がかかった。 前編に比較すれば登場人物が雑多、膨大で、覚えられない。また注釈なしには話の意味が通じない部分が多すぎ、検証は出来ても鑑賞は出来なかった。当時のヨーロッパの世相や、神話などに通じていなければ、私が感じた弊害は避けられぬだろう。 箴言として、光るものを探すような読み方をすれば、また違った味わいもあり得ようが……。小説を読むみたいな取り組み方では太刀打ちできない作品である。