あまり興味を持たなかったものにもアンテナを伸ばしてみようと思って、図書館で返却の際、必ず次に読むものを借りてくることにした。欲しいものは買う。しかしそれだけでは見落とすものがあるし、アンテナが小さいのはよろしくない。という考えで始めた習慣で、今回は本書を読んだ。
短歌は啄木や寺山修司をかじったくらいだ。昔、太宰治の小説から興味を持って、源実朝『金塊和歌集』を買ったが、ぱらぱらと頁をめくったのみで実家で埃をかぶっている。
と、短歌に関して門外漢な私であるが、そのリズムの良さが好きで、また行間ならぬ行外の響きに憧れてもいる。それでふとみつけた『百人一首』を手にした。なんとなく入門書っぽく感じたのである。
カルタだろうと、舐めていた。“秀歌撰”の一種である。名だたる歌人の、たった一首のみを選び、百人分にしたものである。なんと私はそんなことも知らなかったのだ。
あるようでないのが教養という。高校の古典から勉強し直したくなった。なにしろ解説を読まないと、半分も意味がわからないのだ。恥ずかしいことだ。
それにしても日本人は優雅な文化の中で育ってきたのだなと思う。本書は図説というだけあり、豊富な写真も掲載され、絢爛豪華な札の数々を見ることもできた。そういえば実朝の和歌も載っていた。実家に帰ったら持ってこようと思った。
文学を鑑賞するなかで、短詩形のものを知らないのは、もったいないことであるに違いない。
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