『花神』、『関ヶ原』と立て続けに大河ドラマ級の司馬遼太郎作品を読み、良い意味でのルーティンみたいになっていた。それで、『関ヶ原』読後、ふと物足りなくなって古書店の¥100コーナーで手にしたのが本書だ。
大長編ではなく、そこそこの分量で、何か興味を引くようなものはないだろうか、と。背表紙を見て、佐竹家臣の車藤左というのが主人公という。これだ!と決めた。大河でも司馬作品でも、いつも脇役で終わる地元の殿様・佐竹氏。子供のころから、なんとなく悔しかったのだ。その家臣が主人公なら興味は尽きない。
しかし、なんとなく、らしくない作風だった。並みいる代表作に比べて、より娯楽臭が強いというか、ラフな活劇という様相である。新聞の連載で、しかも石原裕次郎に依頼されて書いたというから、制約も多かったのだろうか。
面白くなくはなかったが、時を忘れるというほどではなかった。長らく絶版になっていたというのも、故なきことではなかったのだろう。
『花神』や『関ヶ原』で目が肥え過ぎてしまったのもある。
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