
トロツキーの著書は、『裏切られた革命』『永続革命論』だけしか読んでおらず、本書と『ロシア革命史』はいずれ読もうと宿題になっていた。
で、今回とりあえず上巻だけ買って読んでみて、その面白さに驚いた。時代性や人物の相関図について知悉していないと、理解に苦しむのがこの手の本だが、予備知識なくとも読ませるのは類い稀な文才のなす業であろう。
革命家であり革命軍指導者かつ外交家でもあったトロツキーだが、もしその道に進まなかったら、小説家や文学者として名を残していただろう。その文才ゆえ、党の機関紙で辣腕を振るい、レーニンの後継者とまで目されたわけだが。
下巻を読むのが楽しみである。それにしても、この面白さは何に由来するのだろう。パラパラと見返してみても、具体的には言い当てられないのだが、含蓄されたユーモアと、歴史を俯瞰しつつ当事者として走り抜けてきた目撃者の切実さ、それが文才のフィルターに濾されるのだ。つまらないわけがない。
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