1年前のこの日お袋は病に倒れた。
病名はクモ膜下出血。
一命はとりとめたものの水頭症、脳梗塞の後遺症が残り認知障害、運動障害がある。
この日を境に全く別の人になってしまい、初めて面会できた時認識してしてもらえなかった。ちょっとショックだった。
少しでも良くなるようにと水頭症の手術もしたがあまり変わらず。
病院での治療を終えリハビリ病院に転院したが、運動機能向上とはいかず今いる介護施設へ。
施設へ移ってからは、寝たきりの状態から起き上がったり、車いすから立ち上がったりと少しではあるが運動機能は向上。
逆に動けるようになったから危険度も向上。
コロナ禍ということで施設への立ち入りもできず面会もできない。
先日久しぶりに施設へ現状報告、今後の話しを聞いてきた。
ベッドから降りたり、車いすからの立ち上がりが危険とのことで、ケガをしないようにとベッドをやめたり、置いてある物を撤去したとのこと。
家族にその状況をという事で特別面会させていただいた。
何もない殺風景な部屋。その片隅にいたお袋。半年ぶりの再会。
相変わらず認識はしてもらえない。キャッチボールできない会話も変わらず。ただ、ヘルパーさんの話しだと時々自分と弟の名前は出てくるそうだ。
唯一嬉しく感じることは、いつもニコニコ笑顔でいてくれることだ。
いつも帰り際に「また来るねー」と言うと「またねー気をつけてねー」と笑顔で手を振ってくる。
今おかれている状況を認識しているかどうかわからないが、とりあえず元気でいてくれていると自分勝手に解釈をしている。
ここにきてやっと現状に慣れてきた。
本当は元の生活に戻れるのが良いに決まっているが、なかなかそうはいかずというのを受け入れなければならない。
もしかしたら始まったばかりの1年かもしれない。
本当はもっと違う形で恩返しをしたかったが、これからは出来る限りの恩返しをしようと思う。
あれから1年。激変の年だった。