猫まんじゅう犬まんじゅう

縁により家族となった5匹の猫と2匹の犬。
ふわふわの毎日に感謝しながら、
彷徨いながら歩むわが家の記録。

ちびクロ物語〜最期の日〜

2017年09月23日 | ちびクロ


22日(金)。
早朝と午前中の授乳を夫さんに任せて
寝坊させてもらった。

夫さんの仕事部屋にちびクロ居ると思ったら
2階のリビングに居ると。

かわいそうやーんと言いながら
リビングに上がった。

静かに寝ていた。
本当に静かすぎた。
その時にもっと気にするべきだったのだ。
もっとぴーぴーって言ってた、前日までは。

午前中の授乳の様子を聞いた。
シートに乗せたら、ノミの死骸が5~6匹
身体からパラパラ落ちたと。
ミルクはやっぱり1回に1〜2cc。
でも、シリンジで飲むのが上手になって
あまり嫌がらなくなったようだと。

良い兆しだと思った。
でも、やっぱり、今思えば、静かだった。
もう午前中から徐々に弱り始めていたんだと思う。

私も夫さんも油断してしまったのだ。
よく飲んでよく眠ればいい。
いやいやもっと、もぞもぞしていたではないか。

午後の最初の授乳。
オシッコもいつも通り。
始めの0.5ccはちょっとイヤイヤしながらも
口にうまくシリンジの先が収まると
抵抗せずに飲んでくれる。いい調子。

飲んでくれる時に飲ませなきゃ~と
0.5ccをくり返して、結局合計で4cc!
やればできるじゃないか、ちびクロ
しかも、口と舌を動かして飲んでいたから
絶対、次は哺乳瓶で飲めると喜んだ。

そしてまた、すっかりノミがいなくなった身体を
お湯で拭いてやった。

もうだらーんという感じだったので
私はすっかり、たくさん飲んで
眠くなったのだと思ってしまった。

身体を拭いたので体温が下がらないように
しっかりタオルハンカチでくるんで
ペットボトルを枕に寝かせた。

その後のことは「力及ばず…」を読んでいただきたい。



その時のこの写真が
生きている最後の写真となってしまった。


嬉しくて、次の授乳は哺乳瓶に何cc作ろう?
と思いながらホワイトボードにメモした。
数字がどんどん大きくなると信じて。



いい方へ向かってきた
そう思いながらブログを書き始めて
Hさんとも電話で話した。

1mほどしか、ちびクロと離れていなかったけれど
どうしてずっと見ていてやらなかったのか。
弱ってると分かっても、どうすることも
できなかったんだろうけれど
抱いていてやることもできただろうに。

誰にも看取られずにひとりで逝ってしまった。

寝返りを打つ元気もぴーと鳴く元気もなかったのだ。
今思えば、ということばかりだけど
その最後の授乳の時、シリンジでおかわりを吸い上げる間
シートに置く度、ぜんぜん動かなかった。
あんなにすたこら逃げていたのに。

ミルクを飲むのが上手になったのではなくて
抵抗する力がなくて、なすがままだったのではないのか?

どうして今日は午前中も午後も、授乳以外の時間
私も夫さんも、ちびクロを放っておいてしまったのか。

それが悔やまれてならない。

一か八か身体をさすっていた時に
うんちが出ているのに気づいた。
最後まで、ちびクロの身体は生きようとしていた。
そう思えて余計に悲しかった。

最後の体重はまた減って90gだった。


夜、Nくん親子、Tくん、Hさん家族が
お別れに来てくれた。
3人の少年にはぬか喜びをさせてしまって
本当に申し訳ない。

Hさん家族が亡骸を引き取って行かれ
翌日、火葬に出されるとのこと。

うちの庭に埋めてあげてもいいと思ったけれど
それは私が決めることではない。

3少年を待っている間ずっと撫でていた。
息を吹き返すという奇跡は全くないと思えるくらい
冷たくなってきたので、保冷剤をベッドにした。
だから余計、ずっと。



最後は何を見ていたんだろう。

おかしいと思って私が慌てて抱き上げた時に
最後の鼓動が止まったと思いたい。



ちびクロちゃんはカギしっぽだった。



『幸運のカギしっぽ』と言われていて
そのカギに幸運を引っ掛けてくると。
どんな幸運を引っ掛けてきてくれたのだろう?
今はまだ分からないけれど
きっとそのうち分かるはずだと思っている。




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ちびクロ物語〜3日目③〜

2017年09月23日 | ちびクロ


相変わらず1回に1〜2ccが限度なちびクロ。
なかなか頑固である。
でも飲まないよりましと思っていた。

家でもう一度体重を測ると95g。
飲むよりたくさんのオシッコをしてるから
仕方ないのか…

もっと深刻に捉えないといけなかったんだろう。


でもその時は本当にケースの中を動き回り
なんて賢いヤツと思ったほど。



黄色いタオルで包まれてるのが
少し熱めのお湯が入ったペットボトル。
それを枕に寝ていたんだけど



次に見た時は
左側のぬるめのお湯が入ったペットボトルに
くっついて寝ていた。

ちゃんと居心地のいい場所を探してるんだ
賢ーいと、もうかなりの親バカぶり

ミルクを作るのにもあまりに少量だし
飲むのにも時間がかかるので
すぐ冷めてしまう。



湯せんにしたら授乳の最後くらいまで
温かいままで飲ませされた。なかなか私賢い

たったの2ccしか入らないシリンジで
1回に0.5ccずつ吸い上げて飲ませる。
口に入ってくるから仕方なく飲み込む感じだ。

でも、左手で顔を支えてると
本当に小さく喉がゴクリとなってるのを
感じる時があって
ちびクロは生きようとしている、と
嬉しくなるのだ。

次にシリンジに吸い上げる間
シートに置くと、これまたすたこら逃げようとする。
とっ捕まえて飲ませる。

夜中の授乳のあと、そろそろノミも弱ってるかと
ノミの糞が身体に付きまくっているのを
お湯で拭いてやることにした。



この黒い粒が糞。
前の日にはもっとすごい量が取れた。

身体を拭くとティッシュが赤茶色になる。
これが糞の証拠だ。
ノミは血を吸うので糞にも血が混ざるかららしい。



顔がいちばんひどくて、拭いてやると
舐められてるのと似た感触なのか
なんとなく気持ち良さげな表情に見えた。



ガビガビした毛が少しましになって
かわいいお耳の形が分かる~
唯一の写真と、なってしまった

そして夫さんと交代して私は寝た。
この日は病院で診てもらったから
私も夫さんもひと安心な気分になっていた。

明るい未来を想像しつつ。


ちびクロ物語〜最期の日~へ続く。




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ちびクロ物語〜3日目②〜

2017年09月23日 | ちびクロ


さて、この日の夜
3少年とHさんが話し合いにやって来た。

Hさんが調べたことをまず伝える。
警察でも拾得物として引き取る。
その後、動物愛護センターへ持ち込むのだそうだ。

その動物愛護センターはというと
里親募集ができる場合もあるが
通常はそれくらいの仔猫はすぐに殺処分となる。
なるべくなら飼うか世話のできる人を周りで探してほしい。

センターから紹介はできないが
その地域でボランティア活動されてる方もいる。
その方に相談するのもいいかもしれない。

また、野良猫というのは野生動物なので
むやみに手を出すというのも控えてほしい。

どうしても引き取りを希望されるなら
もう一度連絡をください。

というお話だったそうだ。

全てを少年たちに伝えたわけではないが
すぐ殺処分ということに、やっぱりみんな
え!?という反応だった。

私からは診察の結果と
検査ができる体重になるまで約1ヵ月くらいは
ここで責任を持って預かると伝えた。

あとは少年たちで話し合わせて、結果は
Tくんが飼いたいとなった。
第一に親御さんの承諾がないとどうにもならないので
説得材料として、健康に育った場合と病気を持っていた場合
かかる費用も違うし、仔猫の飼い方の勉強を
まずしておきなさいと、Hさんがアドバイスされた。

どうしても飼えないとなった場合
自分たちの周りで里親探しをするというのも
考えておきなさいと。

やっぱりHさんはしっかりされている
ステキだ
実はHさんからはちびクロにかかることに使ってくださいと
お金を預かっていた。
あとで3少年のお小遣いで割り勘にさせますからと


助けてくれた3少年に囲まれ
すやすや眠るちびクロ。




この時にはその場にいたみんなが
1ヵ月後の心配はしたけれども
ここ数日持つかどうかわからない状態だったとは
まさか誰も想像していなかった。

それを真っ先に想定しなければいけなかったのに
私の知識と経験不足のせいだ。


ちびクロ物語~3日目③〜へ続く。




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ちびクロ物語〜3日目①〜

2017年09月23日 | ちびクロ


21日(木)。
午前中に動物病院へ。
3組ほど待たれていたが先に診てくださった。

先生も開口一番小さいですねーと。
100gないくらいですねと。
減ってるのか?
うちのスケールがデジタルではなくて
アナログだから誤差なのか?

先生がミルクを飲ませてみる。
積極的には飲まないコですねー
生まれつき飲む力が弱いのかもしれないし
そのへんは分からないとのこと。

診た限りでは、オシッコも出ているし
今すぐどうこうなるほど衰弱はしてないけれど
ただ小さすぎるので
検査や何かの治療をするにしても
体重を増やすよう頑張ってくださいと言われた。

どうしても飲まないということなら
口から胃へチューブで直接栄養を入れる処置はできると。
とにかくミルクを小まめに飲ませてみて
様子を見ることになった。

今から思えば、これくらい小さいコは
生き延びるのが稀、そこまでの処置は必要ないのかも
と暗に言われたんではないかと思う。

そしてやっぱりノミがいたので
駆除薬をつけてもらった。
小春の分も処方してもらい
ミルクを飲ませるためのシリンジももらった。

帰ってすぐ小春に駆除薬をつけ
ちびクロで使ったタオルやらフリースやら
猫ベッドやら、私のベッドのシーツまでも洗濯し
ソファーなどに掃除機をかけた。



今度はキャリケースにお引越し。
新しいタオル類に替えた。



午後は私の足の診察日だったので
夫さんに任せて外出。

戻ってから様子を聞くと
やっぱり1回の授乳で1cc飲むのが精一杯。
でもよく動くし元気に見えると。

授乳の時にオシッコが漏れてもいいように
テーブルにオシッコシートを敷いて
その上でやるのだけど
下ろす度、ゆらゆらよちよちとした足取りで
その場から逃げようとする。
意外とそれがすばしっこい。

弱ってると誰が思うだろうか…

キャリケースの端っこにきて
ぴーぴー鳴いて、隙間からこっちを見てたりする。
撫でてやるとまた眠る。

弱りつつあるなんて
誰が想像できただろうか…

ぴーぴー鳴く声にもだいぶ慣れたような黒組だったけど
ちびクロがケースの端っこにくると
ひなが舐めるようになった。
舌は届いてないんだけど





ちびクロも母猫にされるみたいに
舐めてもらったほうが安心するのかもと思ったが
病気や寄生虫の心配があるので
直接はさせなかった。

舐めるのが必死すぎて
ケースが押されて落ちそうになるので
翌日はテーブルに置いた。

いつもソファーの私の定位置の真ん前に
ケースを置いて、ずっと視界に入っていたのに
場所を変えたために
翌日は目を離す時間が多くなってた。

それも、後悔のひとつだ…


ちびクロ物語~3日目②〜へ続く。




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ちびクロ物語〜2日目〜

2017年09月23日 | ちびクロ


20日(水)朝のちびクロ。



ダンボールのお家では味気ないので
使っていなかった猫ベッドにお引越し。





あ、起きた。
寝ていることが多いけれど
細すぎる手足で、よくもぞもぞ移動して
落っこちそうで危なっかしい。

ミルクは相変わらず数滴しか飲まないので
朝いちばんに哺乳瓶と粉ミルクを
買ってきてもらった。

それでもやっぱり嫌がってあまり飲まない。
オシッコは相変わらずたくさんする。

すくにでも動物病院に連れて行きたかったけれど
水曜日は休診日。
昨夜よりよく動くし、よく声も出すし
明日の診察でも大丈夫だろうとなった。

いろいろ素人の診察。
目はぱっちり開いている。
何となく見えているし聞こえてもいる様子。
歯も生え始めている。

うーん、生後2〜3週間と思われる。
でもでもでも!
キッチンスケールで体重を測ってみると
100gしかない!
正常な成長だと300~400gになるらしいのに…

離乳の頃だろうから、試しに
ミルクと猫缶の柔らかいところを混ぜたのを
与えてみたが、やっぱりあまり食べたがらない。


ここまで痩せるものだろうか?
それともそもそも未熟気味で
母乳もうまく飲めなかったのか?


午後、Hさんがこれからのことを相談に来られた。

昨夜は夢中で、仔猫を救うことに
一生懸命だった3少年だけれど
野生の命を救ってしまったらどうなるか
最後まで命の責任を持てるのか、を
考えさせたいと。

だから、実際は可能でも
私のところでこのまま飼うという選択はないと
3少年には伝えたいとのことだった。

私はただの猫バカだけれど
なんてHさんはしっかりされているんだろう
子どもたちのことをとても考えてらっしゃるんだなと
感心してしまった。

翌日、学校が終わったらうちで3少年と
Hさんとで話し合いをすることになり
それまでにHさんが仔猫の引き取りをお願いすると
どうなるのか、動物愛護センターや交番に
聞いておくことになった。

ただただ命を救いたかっただけなのに
その後についてくる命の重さを突きつけられたら
自分たちだけで飼育することがまだできない
子どもたちは、どういう選択をするのか。

救ったことを後悔はさせたくないし
大人も考えさせられる機会となった。


夜はまた小春の代理母







小さすぎる手で、必死に
小春の毛をつかんでいるのが切なすぎる。



相変わらず小春は嫌がりもしないが無視



なんと奇跡のシンクロ


この時もまだ私は
元気に成長することを
信じて疑わなかった。

この日に『ちびクロ』という仮名をつけた。
かんばれ!ちびクロ
何度も声をかけた。
成長させてみせると誓っていたのに。


ちびクロ物語~3日目〜に続く。




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ちびクロ物語~初日~

2017年09月23日 | ちびクロ


さて、どーする?
とにかくググるググる。
まずは身体を温めると書いてある。
ビニール袋に入れてお湯を入れた洗面器に入れる。

その間に夫さんにドラッグストアに走ってもらい
(何せ夫さんもう後だったし)
スポイドとミルクを買ってきてもらった。
粉ミルクがなかったので
0歳仔猫のおやつ用牛乳で代用。



私も娘っ子以外への授乳は初めてだったが
5滴くらいは飲んでくれた。
オシッコもティッシュで軽くつついただけで
いとも簡単に排尿してくれ



うんちもこの時半分出てるの気づかなかったけど
この後ぽろんと米粒のひと回り大きいくらいのが出た。



またHさんから電話があって
息子さん共々ご主人さんから叱られたとのこと。
助けるのはいいが飼えないし世話もできないんだから
放っておくという選択肢もあっただろうと。

急を要するなら救急の動物病院に
うちがこれから連れて行きますと言われたのだけど
ミルクも少しだけど飲んだし
オシッコうんちも出たし
ぐったりしてることもないし
様子を見て、わが家のかかりつけの病院に
連れて行くので大丈夫とお答えした。

とにかく体温が下がらないようにするのが大事とのことで
仔猫の箱にお湯を入れたペットボトルを入れたりして
ふと…

こんなにわが家にゃ代理母がおるではないか
ということで



小春の背中に乗っけてみた。
小春ばーさんと仔猫の生命力を信じ
ノミや病気のことはちょっとこちらに置いて。
本当は先住と一緒にさせるのはいけないんだけど



なんか落ち着いてる?





ぱんこむ姉妹が生後2ヵ月くらいで来た時には
近寄ってこられるとしきりに威嚇していたものだけど
今や全てなすがままな小春。

かと言って、母性が目覚め舐めてやるというような
ことはなく、全く興味がない風である。

代わりに右往左往しているのがひなとなずなの黒組。
ぴーと鳴き声がするともうじっとしていられない。
嗅ぎまくって、くわえて行こうとする。
犬は母性本能が強いと聞くが、噛み殺されでもしたら
大変なので、とりあえず止めさせる。

ミルクはその後あんまり飲もうとしない。
こちらが下手なのもあるんだろうけど
スポイドを口に入れるのを小さい身体で必死に嫌がり
2滴くらいしか飲み込んでくれない。
オシッコだけはよく出ているので
逆に水分摂ってないのに大丈夫かと思うほど。

夜中もそんなことを繰り返し
ぴーぴー鳴く度様子をみるんだけど(特に黒組)
そのうちそれは寝返りを打つ度に鳴いていて
すぐまた静かになって寝ていることがわかり
こちらも数時間安眠してしまった。

ひなだけはその度そわそわしていたみたいだけど。

こうして初日の夜はこの小さな小さな命に
関わった人たちそれぞれがそれぞれの思いを抱え
朝を迎えたことだろう。

私は元気になることを
信じて疑わずにいた。




ちびクロ物語~2日目〜に続く。



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