葉織る。

言葉の中にそれを紡ぎ織った人が見えても、それは虚像かもしれない。

ふわっと、見る。

2012-09-03 10:09:36 | 雑感
 瞑想をする時は、半眼にするのが基本です。
 仏様の目、です。奈良の大仏さまも半眼でしたか。
 でもこの半眼、いざ瞑想してやってみると、コンディション次第ではすぐに眠くなります。
 こんなので、仏様は衆生がちゃんと見えているのでしょうか(不信心)。
 個人的には、半眼よりも八割眼ぐらいのほうが、眠ってしまうリスクが少ないように思います。

 いずれにせよ、目から入ってくる情報は確かに強力なので、多少制限しないと心が安定しづらい、というのはあります。
 かといって、目を閉じてしまうと、それこそ眠ってしまう・・・というのもありますが、昔、雑誌か何かで「目を閉じて瞑想すると、自分の見たいモノ(光とか、神とか、仏とか)を見てしまう。目を開いて、それでもなお光や神や仏が見えたら、それは本物だ」とかいった意味の文章を読んだ記憶があります。
 ほお。
 私は瞑想で、神や仏を見ることは期待していません。あくまでも、自分の心の在り様を、こう・・・上手く説明できん。
 正直いって、不安を消そうとか、不動心とか、自己の探求とか、言葉にしてしまうとちょっとズレを感じます。

 まあそれはそれとして、半眼。
 考えてみれば、あまり両目をカッと見開いている仏様ってのも、俗物にとってはプレッシャーが大きいですねえ。
 衆生を広く見渡し、なおかつ心理的負担をかけないためには、半眼でいいのかも。
 ちょっと細目にするのって、カメラのレンズを絞ってるようなものだから、遠くまで見渡せそうだし。

 ところで、あえて視覚情報を制限する、という意味で。
 「結婚前は相手を両目でしっかり見て、結婚したら片目で見るようにせよ」なんて諺がありましたっけ。
 これは基本的には、結婚して一緒にいる時間が長くなると、色々とアラも目立つようになるから、そこは片目をつぶってやり過ごせ、という意味かと。

 この諺、ここから派生する意味を色々考えたことがあります。
 とにかく、結婚前は両目でしっかり見て、相手をよく見極めるべしということか?みたいな。
 しかしまあ、自分が結婚して十ウン年もたつと、また他の意味を思いついたりします。
 例えば。
 新婚さんについては、相手を両目でしっかり見過ぎると、かえって窮屈に感じたり、飽きが早く来たりするから要注意。
 結婚して何年もたつと、新鮮味はなくなってくるけれど、少なくとも片目は相手のほうを見ておくべし(でないと、相手は自分が軽く扱われていると感じるかもしれない)、と。
 愛情の反対語は無関心、というし(マザー・テレサフリークのカミさんから教わりました)。
 つまり、片目で見るというのは、見て見ぬフリをするとか、黙認するってこととはちょっと違うのではないかと。
 ・・・相手のほうを向く、という姿勢を忘れないように。でも、常に真正面から向き合ってたら、お互い疲れちゃうよ、ってことで。
 まあ、個人対個人でも、組織対組織でも、向き合い方には要注意です。

 そういえば。
 網膜には視細胞がありますが、この視細胞が無い盲点というのは、視野の中央付近にあります。
 つまり、何かをよく見ようと思って、その対象を点として凝視すると、案外よく見えないとか(例えば、暗い所で何かを見ようとする時とか)。
 だから、見ようとするものの周囲も含めて、全体を何となく見るほうがよく見えるそうです。
 武術の目付けでも、相手の手先足先に囚われず、全体を何となく見るべし、というし。

 そうそう、「片目で見る」からって、イコール片目を閉じる、というわけではないってことで。
 ・・・ちなみに私は、片目を閉じる効果について、結構真剣に考えたりします。
 右目は左脳、左目は右脳と深い関係にあるといいますから、片方の目を閉じたら?
 視覚の情報処理から解放された脳は身軽になるか?
 それとも、視覚情報を一手に引き受けた側の脳が活性化するか?
 ・・・いや、案外共倒れか?
 それと、私は右目が効き目なので、もし右目に眼帯をして生活したら、心身にどんな影響があるか、とか。
 右目を使うために生じた歪みが、矯正されるか?それともかえってバランスを崩すか?
 ただ、私はこういうことを始めると、のめりこんでしまうタイプなので、恐くて実際にはやっていません。

 なお、私は施術中に意図的に瞑目することがよくあります。
 視覚を制限することで、触覚からの情報に集中するためです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 虫に触れる? | トップ | 礼儀と信頼。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

雑感」カテゴリの最新記事