脳と行動と意志と習慣がグルグル。

　５月４日にＥテレでオンエアされたヒューマニエンスクエストQ「自由な意志・それは幻想なのか？」を観た。
　私は刃牙のそこそこ愛読者なので、つい「ユーザーイリュージョン」を思い出してしまう。

　この手の自由意志に関する話を要約すると「人間の行動は、自身の意志に基づくものではなく、意志以外の体の反応によって決定され、意志はその後から発生する。だから自由意志は幻想だ」といったところか。

　…そうかなあ。
　うん。行動して、それで終わりなら「自由意志は幻想」かもしれない。
　でも、もう少し長いスパンで考えると違ってくるのではないか。

　例えば。
　痩せたければ食事の内容を見直すべきなのだが、ついつい食べ過ぎてしまうような場合。
　これはホルモンから腸内細菌から色々な要素が絡み合っているので、意志の力だけでどうにかなるものではなく、まさに「自由意志は幻想」の典型に見える。

　確かに目の前にある食べ物を、意志の力だけで我慢するのは難しいだろう。
　だが、そもそも食材を調達する時点で、余計な物を「買わない」という行動なら、意志の力で可能ではないのか。

　行動の全てを意志の力で制御するのは不可能でも、自分の行動全般を見渡し、好ましくない行動をせずに済むように、先手を打つ。
　未来に向けて、より良い行動をするために習慣を調整していく、その能力こそが「自由意志」なのではなかろうか。