葉織る。

言葉の中にそれを紡ぎ織った人が見えても、それは虚像かもしれない。

進化というか。

2022-05-29 10:20:12 | 雑感

 5月25日にオンエアされたヒューマニエンスQ「”睡眠”ヒトは眠りで進化した?」を観た。

 睡眠中に記憶の整理が行われる、というのはよく聞く話だが、定着か消却かどっちつかずの記憶というのも結構ある。
 例えば私の場合、前回の記事で書いたGDPとGNPはどっちがどっちだったか、とか。
 自分の携帯の番号の頭は、080だったか090だったか、とか。
 承山穴は委中穴の七寸下か八寸下のどっちだったか、とか(教科書的には八寸だが諸説あり)。
 腓骨筋群は外果の前と後ろのどちらを通っていたかとか(人は後ろだが、肉食獣に多く見られるように、元々は前を通っていた)。
 ノンレム睡眠とレム睡眠はどっちがどっちだったか、とか…これはさすがにこの番組を観て確実に覚えた…かな?

 まあそれはさておき。
 進化、という言葉はかなり便利に使われているようだ。
 代表的なのはポケモンではなかろうか。
 あれはどう見ても進化ではなく変態である。
 ちなみに私の知る限りでは、一番最初に変態を進化と言い換えたのは、聖闘士聖矢に登場した地妖星パピヨンのミューのキャッチフレーズ「進化する魔物」だ。
 …いやまあ、車田氏特有の美形キャラが、「変態する魔物」では恰好がつかないという事情はよく分かる。
 ただそれ以来、ファンタジーだけでなくスポーツその他のジャンルでも、進化という言葉は、いわば成長や進歩の上位版として多用されており、正直それでいいのかなあ、という気持ちもある。
 進化というのは本来、世代交代を経た上で表れる変化だからだ。

 今や進化という言葉は少々安易に使われ過ぎて、表現としては陳腐なものになりつつあるか。
 だから、テラフォーマーズの人為変態という言葉は、正確さとカッコよさを兼ね備えた表現として一層光るのだと思う。

 で。
 件の番組では、睡眠中に脳のシナプスの整理が行われていて、それは進化の自然選択と構造がよく似ている、という説が紹介されていた。
 うん。これは「世代交代を経ずに、個体内で表れる変化をあえて進化と表現する」例としては、今まで聞いた中で一番しっくりくる。

 …と、思ったその後で、「でも進化というより、最適化というのが近いんじゃないか」と思い、そのまた後で「ああ、でも進化というのがそもそも環境への最適化なのか?」とも思い、そのまたまた後で「いやでも最適化って、目標がなければ成立しないわけで、じゃあ進化の目標って?」

 「生命の最大の目的は生きること」byホワイマン
 おお、Dr.STONEって凄い漫画だったのか。

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