Hiro's Blog 3

【読書】村上龍「5分後の世界」

村上龍の作品は、一時期手当たり次第読んだ事がある。
彼のデビュー作と言えば「限りなく透明に近いブルー」で、あの舞台は横田基地がある福生市。彼が武蔵野美術大学に行っていた頃実際に暮らしていたところでもある。

八王子とほど近いところで、彼は学生時代を過ごしていた。

この本は何度も読み返している本で、もう何回読んだかわからない。もちろん初版本で購入したが、文庫本を今は持って読んでいる。そしてこの本は「コインロッカーベイビーズ」等とは違った手法で、まるで別人が書いているような一冊でもある。

ある事で迷い込んだ世界。5分後の世界は太平洋戦争で日本が降伏していない別世界だった。この思いは、私が小学生だったときに共産党に景仰した担任教師にベトナム戦争の残酷さを教えられたときに抱いた、「もし日本もベトナムのように本土でゲリラ戦をしていたらどうなっていたか?」という疑問を、まさに小説の世界で示したような作品だ。

圧倒的な戦闘描写。敗戦により日本人が失ってしまった「なにか」が、なんであるか考えさせられる本です。そしてこれからの生き方を、再度確かめたくなるような、思い起こさせるような一冊です。だから、時々読み返してしまう。万人にお勧めの一冊です。
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